イヴと始める異世界征服(フリー・RPG)紹介・感想・攻略メモ

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「イヴと始める異世界征服」は、長編のダークなファンタジーRPGと銘打たれた作品です。
ストーリーは、異世界転生モノに区分される内容だと思いますが、主人公が無双するという内容ではありません。
「ダークなファンタジー」という意味としては、登場人物たちが現実世界と同じように損得勘定で動き、時には汚い手段も使うという世界観、くらいに捉えればいいと思います。
クリア時間は、約15時間でした。
結構道に迷ったり、レベル上げをたくさんしていたので、プレイ時間は多めになったと思います。

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ふりーむ!

ゲーム概要


物語は、交通事故で死んでしまった主人公「夏目勇希」が、人類を滅ぼそうとする魔王の元に異世界転生するという導入です。
魔王軍は人類の領域に侵攻したいのですが、人類の領域は「マナ」の濃度が低く、思うように活動できません。
そのマナを増幅するための結界を張るために、勇希は、魔王の血族たるイヴたちと、人類の領域へと旅立つことになります。
勇希の体内には、マナを生み出す「大魔石」が埋め込まれているため、ともに行動するイヴたちは、問題なく活動できるわけです。
このあたりの細かい設定は、しっかりと作られており、作中でも詳しく語られます。


ゲームとしては、街のギルドでクエストを受諾するなどして事件が発生し、準備を整えてダンジョンを攻略するという流れです。
単に依頼を受けるというよりも、事件に首を突っ込んだり、巻き込まれる形で依頼を受けるという展開が多めです。
ストーリーでのダンジョンの他に、拠点から入ることができる100階層の稼ぎ用ダンジョンもあります。


戦闘は、通常のターン制のコマンドバトルです。
パーティメンバーは4人までで、戦闘中に5人目以降と入れ替えはできません。
移動中には自由に入れ替えできるので、育てたいキャラクターを入れて進めていきましょう。
得られた戦闘経験値でメンバーの好感度が上がり、それに伴うイベントなどもありますので、お気に入りのキャラは重点的に育てましょう(個別のエンディングもあります)。
各キャラクターには得意な属性と苦手な属性があり、ボスによって入れ替えたり、装備で調整することも必要です。

技は、TPを消費する技とMPを消費する技があります。
TPは戦闘中の行動によってのみ増減するため、その分だけ強力なものが多いです。
戦闘終了後もTPがリセットされるわけではないのがありがたいです。

装備品は、主に店で購入することができます。
素材を合成して装備品を作成する合成屋もあり、そちらの方が強力な装備品が多いです。
ただし、素材は、拠点から入れる稼ぎ用ダンジョンでしか拾うことができません。
レベル上げを行うときは、ストーリー用ダンジョンではなく、素材も集まる稼ぎ用ダンジョンの方が効率が良いと思われます。
Ctrlキーを押すことで戦闘を高速化できるため、自動戦闘と組み合わせることで、レベル上げはしやすくなります。
ちなみに、戦闘は必ず逃げることが可能のです。

感想(ネタバレ無し)

ストーリー部分は、設定や物語の展開がよく練られており、とても先が気になる内容でした。
通常のRPGに比べて、カッコ内で語られる各キャラクターの心情の描写が多いのが特徴です。
多くのキャラクターは、言っていることと思っていることが違ったりするので、腹黒い内面や思考がよくわかるのは良かったです。
そのためゲームというより、小説的な印象が濃く感じられました。
主人公は夏目勇希ですが、物語としては、イヴの成長をメインに描いているように感じられます。
会話や心情の描写は明瞭で理路整然としており、設定の緻密さを感じられました。
突飛な展開はありませんが、滑らかに流れていくストーリーで、安心して最後まで楽しめました。

ゲーム部分については、どちらかと言えば、力押しでクリアしていく場面が多いと感じます。
ボスのメイン攻撃方法は、複数回行動で、全体攻撃or強力な単体攻撃、というパターンが多いです。
味方メンバーごとに得意な属性はありますが、全体攻撃を2回されると、結局主人公は全体回復をし続けなければ耐えられません。
したがって、一人だけ属性的に有利なメンバーがいてもいなくても、戦い方の方針としてはあまり変わらないという印象でした。
ただし、敵の属性攻撃が弱点のメンバーがいるのは危険なので、誰を入れるかより、誰を外すかが重要です。

バフ・デバフ系の魔法も、効果時間が非常に短いため、相対的にターンのロスが多く、戦術には組み込みにくい印象でした。
ウォルトの「挑発」は、上手く活用できそうな感じもありましたが、ボスの強力な単体攻撃が2回来るとキツいため、上手く使いこなせませんでした。
したがって、ボス戦の基本方針としては「主人公がひたすら全体回復を行い、他のメンバーは出来るだけダメージの大きい技を放つ」というパターンに落ち着いてしまうことが多いと感じました。
とはいえ、レベル上げをすれば確実に強くなっていくのが実感できるので、詰むことは少なく、個人的にはプレイしやすかったです。

少し不便だった点の一つは、セーブポイントが決められている点です。
ダンジョンの中でいつでもセーブさせろとは言いませんが、それ以外の街中やフィールドでは、セーブできると便利でした。
ボス前にはたいていセーブポイントがあるのでいいのですが、たまに唐突な戦闘もあったりします。
展開によっては、アイテム購入などできない状態でセーブすると危険なタイミングもあるので、注意が必要です。

二つ目の点は、イベント後にパーティの並び順が勝手に変わっていることが多い点です。
イベントに関わるキャラをパーティの先頭に変更しているせいだと思いますが、これによって戦闘に参加するメンバーも変わってしまうことがあるので、注意が必要です。
イベント後は、パーティメンバーをしっかりと確認する必要があります。

色々と書きましたが、クリアするまで熱中してプレイしてしまいました。
ストーリー面に興味を惹かれれば、試しにプレイしてはいかがでしょうか。

攻略メモ(ネタバレ有り)

基本的な攻略方針

ボスが結構強いので、レベリングをせずに普通に進めていると、自然と進められなくなってしまうことが多いです。
しかしレベル上げをすれば、大抵は楽に倒せるようになります。
レベル上げは、素材も得られる100階層ダンジョンで行う方が良いと思います。
また、回復アイテムも有用なものが多いので、きちんと買いそろえておくことで楽になります。

お金は結構不足しがちなので、効果が高い装備品から揃えていきましょう。
特に、戦闘によく参加するメンバーから優先的に揃えていくと良いと思います。
合成して手に入る装備品は強力ですが、材料を集めるのは結構大変です。
市販の装備品だけでも問題なくクリアできましたので、集めるのが面倒な人は、気にしなくて大丈夫です。

行動ができなくなる状態異常は危険なので、耐性を付与する装飾品は各種揃えておきましょう。
特に勇希が沈黙、凍結、スタン、混乱などになると、パーティ崩壊に繋がります。
終盤まで、これらのステータス異常を同時に使ってくるボスはいないので、せめて勇希の分だけでも装飾品を準備しましょう。

キャラ使用感

・夏目勇希
リカバーでパーティーを支え続けるヒーラーです。
まあまあ素早く、敵の攻撃に先んじて回復できますが、出来なかったときにだいぶマズい状況になります。
TP技は味方全員の防御力を上げる『叡智神の加護』の使い勝手が良いです。
大抵のボスは激しい全体攻撃技を使ってくるので、実質的に必須のメンバーとなるでしょう。

・イヴ
アタッカーとして優秀なので、良い武器を装備させてダメージ源にしていきたいところです。
基本的には複数回攻撃の技でTPを稼いでいき、凶刃斬りを使っていきたいです。
ヒールの出番は、終盤の勇希がいない状況で使うくらいでしょう。

・ラズリ
生粋の魔法アタッカーです。
やや耐久が低めなので、戦闘不能になりやすい点には注意しましょう。
序盤は、単体攻撃よりも全体攻撃の方が豊富なので、通常戦要員でも良いと思います。

・ルナ
単体に複数回攻撃する技が中心で、クリティカル率も高めの印象があります(気のせいかも)。
敏捷が高いので、敵に先んじてアイテムで回復させるのにも有用です。

・ベストラ
技は癖がなく、バランスが良いです。
単体攻撃・全体攻撃・状態異常回復など揃っています。
レジストエンチャントは、他のキャラと組み合わせてのコンボの夢が広がりますが、実際はピンチ時に確実に回復したいときに使うくらいでしょうか。

・ウォルト
挑発は一見有用そうですが、ボス相手には耐久が足りず、運用していくには厳しい技です。
ウェポンブレイクとマジックブレイクが非常に有用で、パーティの安定感をグッと高めます。

・マリア
攻撃や回復、戦闘不能回復などをこなせますが、いまいち中途半端な印象が拭えません。
魔法力も高くないので、使うなら物理攻撃中心の運用が吉でしょう。

・カオス
勇希以外にリカバーが使える貴重な存在です。
ただしTP消費技になっているので、勇希ほど乱用できない点に注意しましょう。
技も単体・全体と使いやすいものが揃っており、全属性に有利なのも強みです。

・ミツキ
最終盤でのお助けキャラ的な存在です。
能力値的にはは申し分ありません。
単体攻撃はトリプルショット、全体攻撃は超爆裂魔波が有用です。
TP技のメテオスォームは、敵として戦ったときほど強くないので、凶刃斬りを使うのを推奨します。

プレイ中詰まったところのメモ

・100階層ダンジョンで詰まったら、昇れる壁がないかよく見ましょう。
ツタなどで、壁の上に登れる場合があります。
自分はそれに気づかず、しばらく同じ階層をぐるぐる回っていたこともありました。

・アルタムスのアジトでは、タンスに古い鍵が隠されています。
見逃しやすいので注意しましょう。
また、パーティを二つに分けて戦う場面があるので、育っていないメンバーがいないように注意しましょう。

・ウォルトのTP技のウェポンブレイク、マジックブレイクは結構役立ちます。
おそらくすべての敵に効くので、物理攻撃か魔法攻撃か、どちらか激しい方の威力を下げるのに使用しましょう。
TP消費技ですが、TPが足らなくなったら、勇希の叡智神の加護でつなぐなどすれば、敵からのダメージ減少を維持できます。

・100階層ダンジョンで奥に進むための「銀の鍵」は、冒険者ランクAの試験をクリアすることで手に入ります。
ランクAになれば、ガルギドの店の品揃えも良くなるので、しっかり進めて置きましょう。
さらに深い階層に行くには「金の鍵」が必要ですが、作成に必要なミスリルがどこにあるか分からなかったので、先に進められていません。

・物語終盤で、ミツキと戦った後に決戦の血へ向かう前に、「ダブルチェックⅢ」を、可能なら4つ用意しておきましょう。
しばらくあとに戦うことになる「体現者(暴走)」戦では、相手の状態異常攻撃が激しいです。
特に、回復行動に支障をきたす沈黙と混乱は対策をしておかないと、詰みかねません。
きっちり準備しておきましょう。

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