漫画「恨まれ屋」(楠本哲)全8巻 紹介・感想

漫画・アニメ
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最近、漫画を読みたい欲が大きくなってきており、色々とスマホで読んでしまっています。
電子書籍のアプリを使用していると、トップページに「あなたへのおすすめ漫画」など、購入履歴から嗜好を学習して提案してくれるので、なかなか親切です。
作品の雰囲気を知るために少し読みたいときも、大体は数ページ無料で読めるようになっているので楽です。

今回は「恨まれ屋」という、独特な仕事を題材にした漫画のについての記事を書きます。
(全8巻完結)

紹介

主人公は、大企業のクレーム処理係で働いていた正直者で真面目な青年・桐谷純です。
桐谷は、勤めていた会社をクビになり、「T.I.Eサービス」という会社の社長からスカウトされます。
その会社は通称「恨まれ屋」と呼ばれる会社で、仕事内容は、依頼人への恨みを自分たちへ向かうよう仕向けるようにするという仕事でした。

例えば、企業のリストラ宣告を代行し、その社員からの恨みを肩代わりするという依頼があります。
その際、社員を追い詰めすぎたりすると、恨まれ屋が代わりに刺されるということもありますが、それは依頼人が刺されなかったという意味では、成功していることになります。
これは単純な依頼の内容ですが、多くの依頼は、エピソードの最初に判明している人間関係から、段々と大きく様変わりしていきます。
どんでん返しとまでは言いませんが、人の話をそのまま信じてはいけないという教訓になります。

桐谷の教育係として、「恨まれ屋」の何たるかを示すのは巳神(みかみ)という男です。
依頼を遂行するために、汚い手段も使ったりする巳神は、正直者で甘ちゃんの桐谷とよく対立します。

しかし次第に桐谷のやり方にも一定の理解を示すようになり、段々と認めていくようになっていきます。
この辺りの桐谷の成長過程も、本作の見どころの一つだと思います。

感想

そこそこ面白かったと感じました。
長いエピソードはあまりないので、1話完結に近い形で、メリハリをつけて読めました。
依頼人の登場時と後半で豹変することが多いので、そのあたりは読んでいて面白かったです。

しかし「T.I.Eサービス」のメンバーが超人じみた能力を持っているので、リアリティを追及する展開というよりは、漫画的ご都合主義に落ち着く展開が多いです。

近年、特殊な仕事を題材にした漫画(「闇金ウシジマくん」・「外道の歌」・「デス・スウィーパー」など)は多いですが、本作は漫画的な勧善懲悪的なストーリーが多いと感じます。
それゆえに、後味の悪いエピソードは少なく、読後感は悪くありませんでした。

中盤からは似たような依頼が多くなり、多少マンネリ化している感じはあります。
それでも、力で相手をねじ伏せるという脳筋な解決手段ではなく、ちゃんと自分に恨みを向けさせる手法は、なるほどなぁと考えさせられる点はありました。

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