早見さらり様が製作された短編マルチエンドRPG「シイの墓守―The Good People―」をプレイしました。
ドット絵グラフィックとチップチューンのBGMが特徴的で、ファミコンのようなレトロな雰囲気の作品です。
インモラルな選択が可能で自由度が高く、様々なエンディングを探したくなる作りとなっています。
難易度はやや易しめで、全14個のエンディング回収まで、クリア時間は約1時間くらいでした。
ゲーム概要(ネタバレ無し)
今年のイケニエに指名されてしまった墓守の少女・エリンが、火あぶりを回避するために頑張ったり、頑張らなかったりするお話です。
お祭りまでの制限時間がある中で、エリンの行動によって様々な結末を迎えます。
RPGなので戦闘はありますが、どちらかといえばアドベンチャーゲームとしての色も濃い作品だと思います。
イケニエを回避するための手段は、いくつも用意されています。
一部紹介してしまいますが、その中でも最もシンプルなのは「集落のメンバーを全員殺す」というものです。
全員殺してしまえばイケニエにならなく済むので、これも取り得る一つの手段ということになります。
他にも様々な方法が用意されています。
老人だろうが子供だろうが、容赦なく「殺す」という選択肢が出てくるので、本作ではそこはかとなく背徳的な雰囲気が漂っています。
選択肢によっては、開始数分で到達できるエンディングもありますので、ついつい色々な行動を試してみたくなってしまいます。
ランダムエンカウントはありませんが、戦闘は通常のターン制コマンドバトル方式です。
レベルアップはないため、入手できるアイテムを使用したり、装備品で強化していくことになります。
一部、かなり強い敵も存在しますが、どうしても倒せない敵というのは存在しません。
感想(ネタバレ無し)
全てのエンディングをコンプリートすることが出来ました。
時間制限はありますが、時間が足らなくて困るということはまずないバランスだと思います。
何だか殺伐とした感じはありますが、偉い人にイケニエ認定された者への扱いが悪くなるのは仕方ないと思いますので、住人たちが狂っているという感はそれほどありませんでした。
最初は手探りでのプレイなので、何が正解か分かりません。
しかし、やりたいことを妨げられるような障害はほぼ無かったので、ゲームへのストレスはほとんどなく、探索のモチベーションは高く維持されました。
エンディングの数は多いですが、回収はそれほど難しくなく、苦にはなりませんでした。
エンディングの内容から、分岐トリガーを推測できる場合があるので、色々試してみたくなります。
面倒なことはあまり感じることはありませんでしたので、ゲームの雰囲気に惹かれた人は、気軽にプレイすることをお勧めします。
感想(ネタバレ有り)
無事、全てのエンディングを見ることが出来ました。
最初に見たエンディングは、やはりというかなんというか、住民虐殺エンドでした。
墓地の探索を後回しにしてしまっていたため、ソロで頑張って住民を虐殺していました。
力自慢+酔拳ジジイが強敵でしたが、守りのアンクで防御をしっかり固めればかなりダメージは減らせます。
ただし酔拳は防御無視のダメージのようなので、ダメージは減らせませんでした。
ただ、もう片方の男のダメージは結構減らすことが出来るので、だいぶ楽になります。
基本は全体攻撃魔法を使いつつ、HPが200~300くらいになったら応急処置を使っていれば勝てるでしょう。
その後、エリン(妖精)が仲間になることを知り、こんなに苦労する必要は無かったのだと絶望しました。
ほとんどのエンディングは、ゲーム中の情報で回収できましたが、END3とEND8が分からず、作者様の攻略ページを見てしまいました。
END8は、どこかの妖精との戦闘に負ければよかったようで、見落としていました。
メロウなどの強敵で負ければ早いのですが、妖精=ボウアという先入観から、ボウア戦で頑張って敗北しました(2人とも防御連打)。
敗北したはずなのに、ゲーム上は勝ったことになり、エリン(妖精)が加入してそのまま進行してしまいました。
さすがに、ここで敗北するプレイヤーは存在しないという想定なのだと思います。
2022年11月18日追記:仕様ではなく不具合とのことで、最新版では修正されています。
少してこずったのは、井戸に入れる毒の在りかでした。
青い炎にキノコを2個投げ込んだのですが、何も起こらないので頭の中から消してしまっていました。
3個目を見つけて投げ込んだらようやく手に入れられたので興奮した覚えがあります。
ただ毒殺できるような展開にはならず残念でした。
火あぶりしたら雨が降るというのは、大規模な火事などによってその後雨を降らせるという、一種の人工降雨なのでしょう。
END14のラストで二人のエリンが元に戻ったあと、火あぶりの前に雨が降って来たのは偶然ということなのでしょうか。
また、リアンノンの正体も明らかにはされていません。
エリン(墓守)が自分に似た雰囲気を感じていることから、妖精なのだろうということは推察できますが。
短時間でコンプリート出来る作品なのですが、色々と考察したくなるのは、作品世界そのもの存在感と、そこに登場するキャラクターたちの魅力によるものだと思います。
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