前書き
2024年の宅地建物取引士試験に合格したあと、2025年2月に登録実務講習を無事修了しました。
そのあと都道府県に登録申請を行い、登録完了後は宅建士証の交付申請を行うわけですが、割と手順が多く大変でした。
同じような状況の方の役に立てばという思いで、備忘録として書いていきます。
今回は愛知県でのお話なので、他の都道府県にお住まいの方は手続きが異なる可能性があります。
宅地建物取引士資格登録申請を電子申請で行う場合について、やり方を書いているサイトを見かけなかったため、今回書くことにしました。
普通に窓口で申請しに行く人にとっては、それほど目新しい情報は書いていないと思います。
宅地建物取引士資格登録申請(電子申請)
電子申請への挑戦
さて、宅建士の資格登録申請についてですが、ほとんどの人は名古屋城駅(旧:市役所駅)の辺りにある「愛知県都市・交通局都市基盤部都市総務課建設業・不動産業室」の自治センターまで行うと思います。
しかし僕は今回電子申請で行ったので、ここに行くことなく登録申請を終えることができました。
電子申請は、「国土交通省手続業務一貫処理システム(eMLIT)」で行えます。
アカウントを作る必要はありますが、特に面倒ではありません。
個人の方は「eMLITアカウント」を取得しましょう。
(法人や個人事業主の場合のアカウントとは別です)
ワンタイムパスを利用してログインし、「宅地建物取引業法 宅地建物取引士の登録申請【宅建】」を探します。
該当ページに移ると、申請者情報・申請情報などの入力フォームが1ページ内に出てきます。
少し情報量が多く読みにくいですが、一つずつ丁寧に読み解いて入力していきましょう。
必要な書類はjpgやpdfでアップロードできるようになっています。
必要書類を集めるのは大変ですが、入力状況やアップした書類は一時保存できるので、時間をかけて少しずつ申請を進めることができます。
登録実務講習を終えて終了証が待つ間にどんどん進められるので、個人的には便利でした。
書類集め(スタンプラリー)
僕の場合、必要な書類は以下の通りでした。
(登録実務講習で実務経験をクリアしたパターン)
(a)誓約書
愛知県のホームページに専用書式があるので、記入してアップしましょう。
様式第6号というものです。
記入する日付は、申請1か月以内であることが必要です。
僕は申請手続きを少しずつ進めていたせいか、日付が2か月くらい古くなってしまっており、県から修正して良いかの確認が入りました(後述)。
(b)身分証明書
本籍地の役場で取得できる「成年被後見人及び被保佐人とみなされる者ではない」みたいな内容のものです。
マイナンバーカードや運転免許証等の、一般的な意味での身分証明書ではないため注意しましょう。
本籍が遠く離れている人の場合は要注意です。
都道府県によっては、書類名が「身元証明書」だったりするので注意しましょう。
提出用書類としては、発行から3か月以内が有効期間です。
(d)登記されていないことの証明書又は医師の診断書
こちらは法務局で発行する証明書です。
これは結局、名古屋法務局に取りに行きました。
郵送で依頼する場合は、東京の法務局に請求できるはずです。
これも発行から3か月以内が有効期間なので注意しましょう。
前項の「身分証明書」と内容的には同じような雰囲気ですが、法務局が後見人制度を導入したことにより、市町村が戸籍を基に記録している内容と、法務局が記録している後見登記の両方が存在するようになったため、どちらも必要になったようです。
(e)住民票
これは簡単です。
が、やはり発行から3か月以内が有効期間なので注意しましょう。
名古屋市内在住の人は、いまだにコンビニの複合機で住民票が発行できなかったと思うので面倒かもしれません。
(j)合格証書
合格の際に送られてきているものを写真に撮ってアップしましょう。
(k)登録資格に関する書面 登録実務講習実施機関の発行する修了証
登録実務講習が終わると貰える修了証です。
僕の場合は、終了後1か月経ってから実施機関が送ってきました。
登録申請を行う際にこの書類待ちになっていたので、待ち遠しかったです。
(u)顔写真
申請前6か月以内に撮影したものである必要があります(とはいえ誰も撮影日を証明できない)。
サイズは電子申請なら特に指定は無いので楽です。
ただし、このあと宅建士証の交付申請の際に、3cm×2.4cmの顔写真3枚が必要になるので、結局は紙媒体にて撮影しておく必要があるかと思います。
スマホで自撮りして、コンビニの複合機で光沢紙を選択して印刷すれば楽です。
以上の書類を集めてアップロードし、申請ボタンを押すことで申請を行えます。
数日以内に受付され、書類の不備や連絡があったりすると、システム上でメッセージが届くので対応しましょう。
僕の場合は、「誓約書の日付が1か月を過ぎているので修正して良いですか?」と確認がありました。
システム内にある、「同意する」というボタンを押すと、それで修正してもらえるので楽でした。
ただし足りない書類があったりすると、揃えて出し直してくださいという話になると思うので、申請前に何度も見直して確認するようにしましょう。
収入証紙を求めて
無事登録申請が受理されると、今度は愛知県収入証紙\37,000と、申請者や申請番号がわかる書類とを一緒にして、簡易書留で送ってくださいとメッセージが来ます。
まず県の収入証紙ですが、「収入印紙」とは違うため注意しましょう。
(収入証紙は都道府県に納めるもので、収入印紙は国に納めるものです)
収入証紙の売りさばき場所はいくつかありますが、最寄りの市役所が無難かと思います。
県のホームページで最寄りを確認すると良いでしょう。
そして、申請者や申請番号がわかる書類というのは、特にはっきり書式が決まっているわけではありません。
ですが、電子システムの申請画面に「帳票出力」というボタンがあるので、それを印刷すれば良いかと思います。
僕はそのボタンに後から気づいたので、実際に送ったのは、電子システム内の入力フォームのページをプリンタで雑に印刷したものです。
申請画面をプリントしたものと収入証紙\37,000をクリアファイルに入れ、角2封筒に「都市総務課建設業・不動産業室 不動産業グループ 名古屋市中区三の丸3-1-2(自治センター3階)」と記入し、郵便局に持ち込みました。
簡易書留で送るように指定があるため、従うようにしましょう。
高額な収入証紙が入っているので、万が一紛失されても責任は持ってくれません。
収入証紙を送った後、しばらく動きはありません。
しかしきっかり1か月経過したタイミングで、システム上で登録の審査と手続きが完了したという通知がありました。
(登録されたメールアドレスに通知が来ます)
このメッセージが来てから数日以内に、宅建士登録が完了したというハガキが家に届きます。
このハガキの到着をもって、県に対して行うべきことは完了したことになります。
宅建士証の交付申請
さて、次は愛知県の宅建協会に、「宅地建物取引士証の交付申請」を行うことになります。
(試験合格から1年以内に申請を行う場合は講習を受ける必要が無いため、そのパターンです)
交付申請に必要な書類は以下の通りです。
1・宅地建物取引士証交付申請書(様式第7号の2の2)
2・宅地建物取引士管理カード
3・顔写真3枚
4・宅地建物取引士資格登録通知書
5・本人確認書類
6・手数料\4,500
7・送付用封筒(郵送受け取りを希望する場合)
上記の「1・宅地建物取引士証交付申請書」は、愛知県のホームぺージでダウンロードできました。
しかし「2・宅地建物取引士管理カード」は宅建協会にお問い合わせくださいと書いてあるので、宅建協会のHPを見てみます。
すると「宅地建物取引士資格登録申請時に、都市整備局都市基盤部都市総務課不動産グループの窓口にて交付します。 」と書いてあるではありませんか。
ということは結局、電子申請しても県の窓口に行かなくてはいけないのかな? と思ったのですが、実はこれは宅建協会にも置いてあるので、わざわざ県の窓口に行く必要はありません。
宅建協会にいきなり行けば問題ありませんでした。
宅建協会にも置いてありますよ、と書いてくれないと混乱してしまうような気がします。
愛知県のホームページには「宅建協会にお問い合わせください」と書いてあるので、どっちなんだよ、というたらい回し感が少々ありました。
※県に聞いてみると、県の窓口に直接申請に行くと、「青い封筒」なるものが置いてあるそうです。
その中に「1・宅地建物取引士証交付申請書」と「2・宅地建物取引士管理カード」が入っており、ほとんどの人はそれで事足りてしまうため、電子申請というマイナーな手段を使う人がハマる罠のようです。
宅建協会では、受付で事務員さんがマンツーマンで書類の記入の仕方を教えてくれます。
事前にある程度記入しても良いですが、不安な場合はその場で教えてもらいながら記入できるので、そこは安心です。
僕は顔写真を書類に貼らずに持参したのですが、写真を渡すと向こうで貼ってくれました。
ちなみに、僕は宅建士証を受け取りに来るのが面倒だったので、「7・送付用封筒」を持っていきました。
長3封筒の宛先に自分の住所と名前を書き、460円分の切手をペタペタと貼ったものを手渡しました。
50円と80円の切手を合計8枚も貼った見栄えが良くない封筒でしたが、特に問題は無いようでした。
460円ということなので、これも簡易書留で送られてくるということでしょう。
定型内であれば、角2サイズの封筒でも問題ないかと思います。
宅建士証の交付申請は毎週金曜日に受付を締め切り、次の週の金曜日に発送するとのことでした。
したがって、大体7日~14日で宅建士証が届くということになります。
僕は木曜日に申請したので、タイミング的には良かったっぽいです。
後書き
今回、様々な書類を集めて、申請を無事行うことが出来ました。
ドラクエ3でオーブを全種類集めて、ラーミアを復活させたような達成感があります。
公的な書類を取得したり、申請したりすることは大変ですが、やってしまえばどうということはないものでした。
電子申請は楽かもしれませんが、必要書類の取得にまぁまぁ手間が掛かる世の中なので、今のところメリットは少ないかもしれません。
家に居ながらすべての申請が完結する、そんな社会になればもう少し余裕をもって生きていけるのかもしれないと感じました。
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