2018年~2019年にかけて行われた「第14回 ふりーむ!ゲームコンテスト」の「萌え部門」で銅賞を獲得した作品「想色(そうしょく)のパレット」に関する記事です。
RPGツクールVXAce製のRPGで、可愛らしいキャラとカオスな展開、歯応えのある戦闘が特徴的な作品です。
ぱっと見の雰囲気とは裏腹に、かなり戦闘に力が入れられているため、戦闘好きなプレイヤーには、特にお勧めしたい作品です。
本編クリアまでの時間は、約7時間でした。
(クリア後のエクストラダンジョンあり)
ゲーム概要
ストーリー
主人公は、もうすぐ16歳になるパレットです。
パレットが住んでいる村では16歳になると、村を出ていくか、嫁ぐか、就職するかしないと、臓器移植のドナーにされてしまいます。
薬屋の姉の下で働こうとするパレットですが、薬屋で働くには魔女になる必要があり、魔導士学校に入学しなければなりません。
同じような立場のアヤメと一緒に、高額な入学金を道中で稼ぎつつ、魔導士学校を目指すというのが、物語の導入部分です。
難易度について
本作は、ゲーム開始時に「Basic」か「Light」を選ぶことができます。
「Basic」は、なかなか歯応えがある難易度ですが、「Light」はかなりクリアしやすいと思います。
まずは「Basic」を選び、難しいと感じた場合は、アイテム画面の「難易度設定」で「Light」に変更すると良いでしょう。
ただし、一度「Light」に落としてしまうと、また「Basic」に戻すことはできないため、注意しましょう。
ゲームシステム
本作のゲームシステムについて、ざっくりと紹介していこうと思います。
まず、本作でスキル習得は、スキルツリー制です。
レベルが上がると貰えるスキルポイント(SP)を溜めていき、覚えたいスキルに使用し、習得します。
スキルの習得については、ある程度順番が決められていますが、どの分野の習得を進めていくかは、プレイヤーに任されています。
スキル習得の順番によっては、攻略の難易度が変わってくるでしょう。
割り振ったポイントをリセットするアイテムもあるので、取り返しがつかなくなることはありません。
次は、戦闘についてです。
戦闘は、ターン制のコマンドバトルです。
毎ターン一定量回復するMPを使用して、スキルを放っていきます。
特徴的なシステムとしては、「ブーストサークル」というものがあります。
敵味方の攻撃に反応して、左上の「BOOST CIRCLE」の目盛りが溜まっていきます。
この目盛りが満タンの際に攻撃したキャラは、相手に大ダメージを与えると同時に、1ターン行動不能にする「ブレイク」状態にもします。
これは敵と味方の両方に発生するため、サークルが満タンになった場合は、相手より先にこちらが行動したいところです。
行動できなさそうな場合は、ひとまず防御することでブレイクを防ぐことができます。
敵のターゲットを集めるスキルを使わせて防御させつつ、素早いキャラでこちらもブレイクを狙う・・・という戦法も可能です。
敵からダメージを受けたり、与えることによって、TPが溜まっていきます。
TPが100になると覚醒状態になり、HPが満タンなって能力も上がります。
さらにTPを消費して、オーバードライブ技を使用することができます。
オーバードライブ技は非常に強力なので、強敵との戦いでは積極的に活用する必要があります。
本作では、ダンジョン内で敵シンボルと接触することで戦闘に突入します。
敵と戦えば戦うほど、「Enemy Level」が上がっていき、強力になっていきます。
いったんダンジョンから出れば、またリセットされます。
Enemy Level9まで上げて遭遇した敵を倒すと、強力な装備品を入手することができます(初回のみ)。
装備品画面は、上の画像の通りです。
武器は、鍛冶屋でお金と材料を消費して鍛えていきます。
それ以外の装備品としては、敵が落としたり宝箱で手に入れることができるパッシブスキル、状態異常を防ぐカード、能力値や特殊な効果を付与する装飾品などがあります。
本作は戦闘の難易度が高めですが、戦闘中の戦い方はもちろん、準備もきちんとしないと、勝利していくことは難しいでしょう。
感想(ネタバレ無し)
裏ボスは未撃破で、本編までクリアしました。
全体的には、戦闘に歯応えがある難易度のRPGという印象でした。
まず、通常戦闘もかなりの歯応えがあり、闇雲に戦っていてはすぐ全滅してしまいます。
全滅しても、さしたるペナルティは無いので、その点ではストレスフリーでした。
ただ、しっかりと勝ちパターンを意識して戦わないと、長期戦になってしまうことも多いです。
有用だと思われるスキルを優先して習得し、本作の戦闘システムの肝となる部分を把握すれば、ある程度楽になると感じました。
難易度は高めですが、最悪、難易度変更をすれば、楽に進めるようになります。
途中で詰まってしまっても、レベル上げをしたり装備を整えれば、ある程度は楽になります。
ストーリーやキャラの掛け合いについては、ぶっ飛んでいるところがあるので、心の中でツッコミながら、楽しんで進めることができました。
倒した敵のデータを確認する魔物図鑑のコメントも面白いですし、街の人々に話しかけるだけでも笑えます。
その分、真面目に会話しているシーンだと、少し物足りなく感じてしまいますが、それはご愛嬌です。
一見平和そうに見える世界ですが、殺伐とした倫理観のギャップが楽しいと感じます。
全体的には、ゲームの難易度はやや難しい~難しい(Basic)という印象です。
ゲーム部分の歯応えと、カオスなストーリー部分での面白さが特徴の作品だと思います。
攻略メモ(ネタバレ有り)
戦闘で重要なものは、スキルを使い続けられるMPだと感じました。
そのため、装備品に迷ったら、チャージリボンを付けておけば間違いはないのかなと思います。
また、有用なスキルを早めに習得することも重要です。
序盤であれば、パレットは「ガードくずし」はDEF無視のため、安定したダメージを与えられます。
強敵相手には、「アテンションプリーズ」と防御コマンドを組み合わせて、敵の強力な攻撃やブレイクを固定するのも有用です。
アヤメは、通常敵に有用な「安眠の誘い」、ボスに有用な「物忌みの鬼火」を早めに習得できれば、序盤の戦闘が楽になります。
相手の攻撃力を下げられれば、戦闘にゆとりが出てくると思います。
クマは、バフ系を習得できればボス戦が楽になります。
また、攻撃手段として「ボルト」も習得しておきたいです。
「デウスエクスマキナ」も、戦闘不能を回復するのに有用ですが、アイテムやオーバードライブ技の「ラプラス」で補うこともできます。
ポテチ工場
・オクトパスカル
初めてのボス戦なので、戦い方を体得するにはちょうど良いでしょう。
アヤメの「猛毒兵器」で毒状態にしつつ、「瘴気の培養」で攻撃します。
パレットは暗闇状態にされたら「集中」で命中率を上げつつ、殴っていきます。
敵のTPゲージが満タンになったら、二人とも防御して凌ぎましょう。
回復アイテムも充実していないと思うので、積極的にこちらからも攻撃し、覚醒時の全快効果による回復を狙っていきましょう。
ブーストサークルは、敵味方の行動順を把握して、確実にこちらがブレイクを取れるように、防御などで順番を調整しましょう。
ランタイムの森
通常戦闘で、睡眠や毒のステータス異常がきついので、対策アイテムを装備させておくと便利です。
毒はまだしも、パレットが眠らされると、速攻で倒すことも難しくなってしまいます。
また、幽霊系の敵には物理攻撃が通りにくいため、クマに攻撃魔法のボルトを習得させておくと便利です。
一応、パレットの「集中」⇒「物理攻撃」や、アヤメの「物忌みの鬼火」などでも撃破は可能です。
・進撃のゴリラ
主に、通常攻撃と落雷などで攻撃してきます。
暗闇や毒が効きやすいですが、状態異常回復技を使用してくるので、それなりに有効ですが、安泰ではありません。
アヤメの「物忌みの鬼火」でATKを下げつつ、クマの「アーマーブレス」で能力値を底上げして戦っていきましょう。
ブーストサークルが溜まりそうなターンの少し前に、「クイックブレス」等を使い、相手に攻撃を回さないよう調整しないと、相手の攻撃方法によっては、全滅してしまう可能性があります。
注意しましょう。
苦戦する場合はレベルを上げたり、鍛冶屋で武器を鍛えたり、装備品を見直すと良いでしょう。
ヘブンズケイブ
・チュートリアン
途中で無敵の分身を出してきますが、本体に攻撃を集中させましょう。
物理攻撃を中心に仕掛けてきますが、「お気持ちのお守り」があれば、それほど苦戦はしないはずです。
敵に味方に、バフやデバフを掛けて、安全に戦っていきましょう。
近道
村の家の中に言える「万物」というキャラと会話することで、暗いエリアの立札奥のスイッチに進めるようになります。
・ウッドドラゴン&タネガンナーVXACE
まずタネガンナーから片付けていきましょう。
とにかく敵の手数が多いため、アヤメの「安眠の誘い」で眠らせて、一体ずつ倒していきましょう。
装備品「暗殺の牙」を装備していれば、睡眠状態の敵に2倍のダメージを与えられます。
眠らせる前は、パレットの「アテンションプリーズ」+「カウンター」で、攻撃を防ぎながら攻撃できます。
回りのタネガンナーを倒したら、ウッドドラゴンを攻撃していきます。
毎ターン「養分」でHPを回復していくため、アヤメの「丑三つ時の藁人形」で呪い状態にして、回復させないようにしましょう。
あとはバフやデバフで固めつつ、丁寧に戦っていけば倒せるはずです。
・雑魚敵との連戦
今まで出現してきた通常敵グループの連戦です。
最初のうちは弱いので楽ですが、段々と強くなっていきます。
戦闘前のアドバイスでもあるように、睡眠などを利用して、敵の攻撃の手数を減らしましょう。
数が多いからと言って、全体攻撃の連発をするより、全員を睡眠にしてから、一体ずつ倒していくと安全です。
・結末を統べる者
雑魚敵ラッシュのあと、そのまま突入するボス戦です。
連戦後のためか、それほど強力な敵ではありません。
「洗脳」で味方単体を混乱させてくるのが厄介ですが、落ち着いて「キュア」等で回復させましょう。
あとは敵味方にバフをかけて戦っていけば問題ありません。
素早さも低めなので、ブーストサークルを奪われることも少ないでしょう。
・シーラ
少しレベル上げをし、平均レベル23で撃破しました。
行動はパターン化されているので、各攻撃方法に対する対応をイメージすれば、そのうち倒せるはずです。
「致死の刃」は防御でダメージを半減できます。
そうしないと、その次のターンで来る技で戦闘不能にされる可能性が髙くなります。
「精神殺し」TPを減らされますが、クマの「ラプラス」であれば、先制効果が付いているので、気にせず使用しても妨害されません。
鍛冶屋でしっかり装備品を整え、バフやデバフを使えば倒せると思います。
<行動パターン>(しっかり検証していませんが、一部、別の行動をとるターンもあります)
1ターン目 致死の刃(敵全体をHP1にする・攻撃を完全回避)
2ターン目 虱潰し(2体を攻撃)
3ターン目 精神殺し(TP-50、TPが溜まっている味方に発動)、ターン終了時にクイックブレス+シャープブレス
4ターン目 かまいたち(全員に複数回ダメージ+DEF・MDEFダウン)
5ターン目 イクリプス(単体を複数回攻撃)
6ターン目 致死の刃(敵全体をHP1にする・攻撃を完全回避)
7ターン目 斬首(2体を攻撃+即死?)
8ターン目 虱潰し(2体を攻撃)
9ターン目 精神殺し(TP-50、TPが溜まっている味方に発動)、ターン終了時にクイックブレス+シャープブレス
10ターン目 かまいたち(全員に複数回ダメージ+DEF・MDEFダウン)
11ターン目 致死の刃(敵全体をHP1にする・攻撃を完全回避)
12ターン目 電光の刃(全員ダメージ+暗闇)
・・・
・村長
シーラ戦からの継続です。
色々と状態異常を使ってくるのが厄介なので、行動不能になる睡眠は確実に防げるようにカードを装備しておきましょう。
最初は、お供の敵を倒すのに注力していきましょう。
「安眠の誘い」で眠らせつつ、「丑三つ時の藁人形」で回復を防ぎ、1体ずつしっかり倒していきます。
生き返らされてたりしますが、最終的には1体に出来るので頑張りましょう。
村長のHPが5000を切ると、行動パターンが変わります。
単体への強力な技「未来への崩落」を放つようになりますが、こまめに生き返らせたり、バフをかけていきましょう。
状態異常を回復するディスペルハーブや、戦闘不能を回復するハートのアイテムを惜しまず使用していきましょう。
本編クリア後
クリア後のイベントを進めていくと、エクストラダンジョンである「カオス・アヴァンギャルド」が登場します。
通常敵も強力なダンジョンですが、最奥で待ち構える裏ボスの「イザ・サタルニア」は、とびぬけて強力なボスでした。
スキルツリーを全習得させ、装備も最大まで鍛えてから、はじめて攻略のスタート地点に立てると思います。
(未撃破)
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