「海のお魚パーティー」様によるSRPG Studio作品『Resistentia -レジステンツィア-』の紹介記事です。
シミュレーション寄りに作り込まれたSRPGで、従来のSRPG Studio作品とは違うプレイ感の作品です。
非常に多くの立ち絵が投入され、グラフィック面がとても豪華な作りです。
クリア時間はゆっくり攻略して約20時間でした。
(収支マイナスによるゲームオーバーからのコンテニュー1度あり)
※「Resistentia」とはラテン語で【抵抗】の意。
ゲーム概要
魔王軍の侵略により、生存圏の多くを奪われてしまった人類は、主人公(プレイヤー)と少数の人員をとある島に送り込み、そこを反撃の橋頭保とする計画を立てます。
主人公の外見は男女を選ぶことが出来ますが、どちらを選んでも特に問題はありません。
メインとなる拠点画面では、撃破数トップの自軍エースが立ち絵で表示されます
本作の大まかな流れとしては、貯めた資金・物資で自軍を強化していき、作戦行動によってマップを攻略して物語を進めていくというものです。
日数の経過により、大陸から定期的に援助が届くので、資金・物資の収支に注意を払っていきましょう。
日数の経過による時間制限は特に設けられていないので(たぶん)、各プレイヤーのペースで進めていける作りとなっています。
色々な項目があるので、最短日数でクリアを目指す等、色々とやり込むことは可能です。
「作戦室」のコマンドを選ぶとマップが表示され、現在発生しているミッションが出てきます。
物語の進行に関わるものを選んでも良いですし、既に攻略したマップを選択して自軍を強化しても良いでしょう。
シナリオに関わるマップの場合は、再度プレイできないこともあります。
作戦を始める際には、出撃メンバーとリーダーを選びます。
最大出撃人数は6人なので、あまり大規模な戦闘はありません。
ユニットはそれぞれ固有のリーダースキルを持っているので、作戦に合ったリーダーを選びましょう。
なお、ゲームが進むにつれて、控えメンバーを訓練したり別任務に派遣する等の要素が解放されていきます。
無理して全員を育てる必要はなく、好きなユニットばかり出撃させていてもそれほど支障はありません。
ただしレギュラーメンバーが負傷すると(後述)、大きく戦力が下がる可能性があるため注意が必要です。
出撃すると、通常のSRPGと同様に攻略パートが始まります。
HPを回復する手段がかなり限られているため、ダメージを受けないように攻略することが非常に大切です。
敵から攻撃を仕掛けられたときは、そのつど反撃する武器が選択できるので、間接攻撃用の装備を持たせておくと便利です。
また、反撃時に防御コマンドを選べば受けるダメージを抑えることが出来るので、適宜使い分けていきましょう。
なお、通常マップは全滅してもゲームオーバーとはならず、撤退扱いとなります。
拠点画面に戻されるので、再度準備を整えてから再挑戦すると良いでしょう。
マップクリア時にクリアランクが表示されますが、多くのマップではSランク取得のための条件が設定されています。
Sランクでクリアすると、全員に経験値ボーナスが入ったり、特殊な装備品を入手できることがあります。
初見でSランク獲得は難しい場合があるため、少し物語を進めてから再度挑戦すると獲得しやすいでしょう。
治療担当のエメロード女史は密かにガーターベルトです
作戦中に受けたダメージに応じて、戦闘終了後にランダムで負傷することがあります。
負傷には、軽傷・中傷・重傷があり、怪我が治るまではパラメーター低下等のデメリットがあります。
負傷中でも出撃は可能ですが、基本的には医務室で治療させると良いでしょう。
ただし治療中は出撃不能となるため、重要な作戦を控えている際は注意しましょう。
また、ゲームが進むと緊急防衛ミッションが発生することがあるので、レギュラーメンバーが治療中だと戦力が低下してしまいます。
普段から控えメンバーを何人か育てておくと、安心して治療できます。
新たな作戦をクリアすると、様々な研究が解禁されます。
研究には、敵から入手できる素材等が必要となりますが、様々な恩恵が得られます。
たとえばゴブリンの死体を研究すると、全てのメンバーが「対ゴブリン戦術」を習得し、与えるダメージが増えます。
未知の魔物と遭遇した際は、優先して研究を進めることで今後有利に戦えるようになります。
そのほか、研究によって新たな装備品のレシピが発見され、生産できるようになることもあります。
本作では装備品の強さがユニットの強さにかなり直結するため、攻略に欠かすことのできない要素と言えるでしょう。
研究には日数がかかりますが、研究人員を増やすことで日数を短縮させることができます。
ただし人件費がかさむので、収入に余裕が出てから増やしていくと良いでしょう。
工房では、研究によって発見されたレシピの品物が作成できます。
材料や物資が必要ですが、戦力強化には欠かせない要素です。
必要な素材が足らない場合は、出撃して稼ぐ必要があります。
レシピによっては、職人の数が一定以上でないと作成できないものもあります。
一定の日数が経つと精算フェーズがやってきて、収入と支出が表示されます。
物語の進行によって拠点が増えていくと、収入がどんどん増えていきます(治安度による増減あり)。
また、作戦メンバーやスタッフ人数が増えていくと支出は増えていきます。
現在の資金・物資がマイナスになってしまうとゲームオーバーになってしまうため、常に余裕を持った運用をしていくように心掛けましょう。
ただし、ゲームオーバーになったとしても、ゲーム自体はそのまま継続することができます。
スコアを気にしない方はそのまま続けてしまっても良いと思います。
一度クリアしてしまえば本作のコツがつかめると思うので、まずは気にせずプレイを継続すれば良いと思います。
(僕自身、一度ゲームオーバーになりましたが、そのまま気にせず継続しました)
精算フェーズでは、新たな作戦メンバーを雇うことが出来ます。
攻略に出撃できる人員は6人なので、なるべく早く6人揃えることは大事です。
その後は収入とのバランスを見ながら増員していけば良いでしょう。
あまりに急激に人員を増やすと、資金難がなかなか解消できなくなってしまいます。
キャラクターは、武器は2種類まで持つことができ、防具・アクセサリーは3種類まで装着できます。
何度も書きますが、ユニットを強化していく上で装備品は大きなウェイトを占めるので、意識して揃えてあげましょう。
ユニットにはレベルの他に熟練度という数値があります。
こちらは経験値と同様に戦闘を行うことで増えていきます。
熟練度が一定数を超えると新たなスキルを獲得できます。
獲得できるスキルは各段階で二者択一となっています。
取得し直すことはできないので、ユニットの成長方針と合致したスキルを獲得させていきましょう。
女騎士レインのソードマスター衣装はセイバーっぽい
クラスチェンジは、4段階目の「熟練度Ⅲ(クラスチェンジ)」で2パターンに分岐します。
この段階で獲得するスキルによってどちらにクラスチェンジするのかを決定します。
長所を伸ばすのか短所を補うのか、作戦メンバー全体のバランスを考えて選んでいきましょう。
恐るべきことに、クラスチェンジ先によってそれぞれ別の立ち絵が用意されています。
見た目の好みで選ぶのも一興だと思います。
拠点では、時折イベントが発生することがあります。
選択によって拠点能力に影響があるイベントもありますし、キャラクターの掘り下げがなされるイベントもあります。
メインシナリオで個人に焦点が当たることは少ないですが、こういったサブイベントで各キャラの一面が分かるのは面白いです。
何がとは言わないが、本作に登場する女性陣は押しなべて豊かである
イベントによっては、仲間同士の親交が深まるものもあります。
こういったイベントによってキャラクターへの感情移入が深まりますし、支援関係が生まれれば攻略にも有利に働きます。
感想(ネタバレ無し)
最後まで熱中して楽しむことができました。
部隊運営要素を付与したシミュレーションRPGという雰囲気で、新鮮なプレイ感がありました。
SRPG Studio作品ではありますが、かなり手が加えられており、やめどきがなく中毒性が高かったです。
1ステージの攻略時間はそれほど長くないので、テンポ良く攻略を進められました。
気持ち的にはどんどん新たなステージに進めていきたいのですが、「まだこの魔物の研究が終わっていないので、研究が終わってから行こう」とか「負傷したレギュラーメンバーが復帰してから新しいステージに進めよう」といったように、部隊をやりくりしている感が味わえて楽しかったです。
出撃させられるのは6人ですが、普通に戦っていてもそこそこ負傷が発生するので、その穴を埋めるための人材を育てる必要がありました。
しかし一度クリアしたマップで稼ぐ場合は攻略をスキップできたり、中盤以降は訓練によって遅れているユニットのレベル上げができたりするので、そういった部分のストレスがほぼありませんでした。
やっていることは同じようなことの繰り返しに近いのですが、それが作業的に感じられず楽しく感じるのは、確実にコツコツと部隊全体が強くなっている手応えが得られるからだと思います。
他にも、ランダムで手に入るレジェンダリー装備はギャンブル性があって面白いです。
強力な装備品を手に入れたときはかなりテンションが上がります。
(装備品に付いているスキル効果については、装備前に確認できないのが少し不便でした)
また精算フェーズ時の取引についても、品揃えの運が良ければ序盤で強力な武器が購入できます。
頑張ってお金を貯めて購入すると一気に楽になるという、ちょっとした抜け道が許容されている点が好きでした。
本作で凄いと感じるのは、テキスト量の凄まじさです。
ゲームをシミュレーション寄りにすればするほど、ユニットひとりひとりは取り換え可能な駒扱いになりがちですが、本作ではユニット同士のサブイベントが多く用意されています。
ステータス画面で長文のプロフィールが用意されているのに加え、一枚絵が使用されているイベント量が多く、とても豪華な作りだと感じます。
ステージ開始時・終了時のテキストについても、出撃させたユニットによって差分が用意されています。
メインで喋るのはリーダーにしたユニットですが、単に男性・女性の差分に留まらず、口調もユニットごとに作られているようで、どのユニットを選んでも自然で違和感がありません。
ユニットの性能はほぼクラス依存なので取り替えがきくのですが、立ち絵・イベント・プロフィールなどによりキャラへの思い入れが強くなっていきます。
プレイする人によって加入順・運用が違うと思うので、そのプレイヤーだけのナラティブが体験できるという点も魅力のひとつです。
物語については、段々と情報が明かされて核心に迫っていく感じが気持ち良かったです。
詳しくはネタバレになるので書きませんが、最近のフリーSRPGで言うと「ファイバーエムバーム」のように、物語を引っ張っていく謎があってワクワクしました。
ベテランユーザーにとってはやり込み甲斐があり、ライトユーザーであってもゲームオーバーになることなく、最後まで自分のペースで楽しめる作品だと思います。
攻略メモ(ネタバレ注意)
攻略についてのコツ
・遠距離攻撃が正義
敵からダメージを受けると負傷になる可能性がある関係上、敵から反撃を受けずに攻撃できる間接攻撃が非常に使いやすいです。
魔法使い系であれば、射程を伸ばすスキルを習得し、遠くから攻撃すれば楽に戦えます。
魔法が効きにくい敵に備えて、弓による遠距離攻撃役を用意すればさらに安心です。
射程5以上のユニットを作れると、敵の移動範囲外から攻撃できるケースが多くなるのでかなり楽になります。
※ちなみに途中で仲間になるフランディーネのリーダースキルは「味方全員の魔法攻撃射程を+1」と、非常に強力なものです。
・敵との戦い方
射程ギリギリで待っていると、なかなか近づいて来ない思考パターンの敵が多いです。
そのため、おびき寄せるために防御力が高いガーダー系のユニットを1人育てておくと便利です。
盾のように敵に突撃させ、その後ろから遠距離魔法を打ち込めば敵の陣形を崩しやすくなります。
・お金の節約
兵力が作戦の条件となっている場合、維持費が多くかかってしまうため、多く雇っている状態で精算フェイズに入らないように注意しましょう。
理想としては、精算フェイズ直後に兵力を増やし、次の精算フェイズが来るまでに必要な作戦をこなしてしまいましょう。
クリア後は、また兵力を0に戻せば支出を抑えることが出来ます。
ただし支度金がその都度掛かるので、また兵力を増やす際に向けて資金を貯める必要があります。
・勲章の効果を活用
敵を多く討伐したり討伐補佐を行うと、「征討金功勲章」「扶翼金○章」(〇には武器の種類が入る)などのスキルを取得します。
これはステージ中に敵を撃破したり、自分がダメージを与えた敵が撃破されると、どんどん攻撃力が加算されていくスキルです。
強力なボスがいるステージでは、このスキルを持つユニットになるべく撃破をさせることで、火力をどんどん上昇させることができます。
誰でトドメを刺すか意識すると、このスキルが活用しやすくなると思います。
クリア後の要素について
クリア後は、拠点画面で上記のようなスコアが確認できます。
プレイヤーの平均成績と比較できるので、自分とたプレイヤーを比較できるのが面白いところです。
クリア後は、任意のアイテムを4つ引き継いで2周目をプレイすることができます。
基本的には、強力な武器を引き継ぐのが便利であろうと思います。
「難しいかもしれないが、やってみる。」(Googleによるラテン語翻訳)
本編の前からそうしてきたように、リーダーは本編後もこうして乗り越えていくのでしょう。
困難に対して抗い続けること、それこそが人類のあるべき姿なのかもしれません。
最終メイン作戦メンバー紹介
終盤まで出撃させていた中心メンバーについて、使い勝手などを書いていきます。
・フランディーネ
強力過ぎるリーダースキルを引っ提げて途中加入すると、フィアロからリーダーの座を奪い、そのまま最後まで戦い続けました。
タフさはありませんが、高い魔力と遠距離魔法攻撃により攻撃の要を担いました。
ポジション的には作戦チームのアドバイザー的存在が似合うと思うのですが、何せリーダースキルが強力なので、最前線の戦闘要員にせざるを得ませんでした。
・フィアロ
ゲーム開始時よりリーダーとして戦い続け、途中フランディーネにリーダーは譲るものの、最後までトップエースの座は維持し続けました。
自分自身に射程を伸ばすスキルは無いものの、移動力の高いルーンナイトにクラスチェンジしたことで、柔軟な運用ができるユニットとなりました。
火力はフランディーネに譲るものの、最後のスキル・ブラスターによる破壊力は非常に強力でした。
僕の中では主人公だと思っています。
・アルナス
最初期から作戦チームを支えた弓アタッカーです。
接近されると反撃できない弱みはあるものの、高い移動力と射程で様々な場面で活躍しました。
レジェンダリー装備のヴィリアートロウは攻撃時に多少反動ダメージを受けてしまうものの、破格の射程により使い勝手が非常に良かったです。
・エルシャ
最初から最後まで、ヒーラー兼アタッカーとして活躍しました。
回復スキルに使用上限があるため、後半では普通にアタッカーとして活躍することが多かったです。
魔力は高くありませんが、福音スキルによる威力の底上げで、他の魔法使いと遜色ない火力を叩き出します。
祝福スキルを習得するとヒールの回数を気にせず回復が使用可能となるので、気持ち的に楽になりました。
・ミューズ
我が作戦チームの切り込み隊長というか肉壁担当でした。
迎撃型の敵陣に突っ込む際は、ミューズを盾にして、背後から魔法攻撃部隊で援護するという戦法が多かったです。
重装備で固めるとダメージをほとんど受け無くなるので頼りになりました。
一応、間接攻撃に対応できるように射程1~2の武器を持たせていました。
イベント時のドレスとのギャップが可愛いです。
・フェリリス
魔法アタッカーその1として活躍しました。
フィアロ、フランディーネと比べると個性は薄めですが、射程を強化するスキルの恩恵を活かし、遠くからしっかりと攻撃する役目を果たしました。
打たれ強くはないので、なるべく長い射程の魔法を使い、極力敵の攻撃を受けないように立ち回りました。
・グラーヴ
魔法アタッカーその2として活躍しました。
フィアロやフェリリスが負傷した際に、代打要員として出撃することが多かったです。
フェリリスと同じような運用をしているので、正直、どちらをスタメンにしても問題ないようにしていました。
・トニヤ
魔法アタッカー部隊が確立してからは出撃頻度がガクッと落ちましたが、負傷メンバーが多い際にはちょくちょく出撃していました。
一撃のダメージの大きさを重視する育成にした関係で、スキル込みなら一撃で倒せるケースが多く頼りになりました。
・ヴィト
彼も魔法アタッカー部隊が充実してからは出撃頻度が減りましたが、トニヤと同様でたまに出撃していました。
攻撃力を2倍にするスキルは非常に強力なので、出撃すると何だかんだで強敵相手にも力負けしませんでした。
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