ウディタ製の中編RPG「Legend of Lemuria -第二次人魔大戦-」の紹介です。
一見平凡なグラフィックの作品で、見た目からはあまり特徴はありません。
しかし遊んでみると、非常に丁寧に作られていることが分かる作品でした。
どこが際立っていたかを説明することは難しいのですが、なぜか面白く、ついつい先へ進めてしまうゲームです。
クリア時間は本編が約5時間でした。
ゲーム概要
見た感じでは、普通のRPGです。
キャラクターグラフィックは、可愛らしいデフォルメされたもので、柔らかい雰囲気です。
しかしストーリーは真面目な王道モノであり、中編ながらしっかりと丁寧に描かれています。
本作で特徴的なのは、主人公たちのパーティメンバーと戦闘システムです。
主人公は、50年前に魔界の門を封印した英雄の一人、アルフレドです。
ゲームを開始すると、その50年前の英雄パーティ・アルフレド一行を操作するところから始まります。
敵とのエンカウントを繰り返しながら、戦闘のルールの説明が行われていき、オープニングイベントは終わります。
そして場面は現在に移り、再び世界を異変が覆い、アルフレドが動き出すという流れです。
多くの作品では、プレイヤーが操作するキャラクターは若者であることが多いですが、本作はパーティキャラのほとんどが老人です。
昔、世界を救った英雄というポジションで物語が進んでいくので、話が早く新鮮な気分でした。
そしてもう一点、戦闘も少し独特な部分があります。
戦闘は、敏捷が早いキャラほど多くの行動順が回ってくるタイプの方式です。
戦闘画面の右上に、ある程度先までの行動順が表示されています。
この順番に注意しながら戦うことが重要です。
既定のターンまでに倒すとFB(ファストブレイク)となり、経験値などにボーナスが加算されます。
ちなみに戦闘後はHPなどは全回復するため、全力で戦いましょう。
戦闘不能のキャラにも経験値は入ります。
戦闘で使えるコマンドは、装備しているスキルに限定されます。
アイテムですら「アイテム袋」という装備をしないと、戦闘中にアイテムを使うことはできません。
武器と防具以外の装備品、すなわちスキルと装飾品は同じ枠なので、スキルを充実させるか、装飾品で防御などを上昇させるか、取捨選択が重要となります。
戦闘では、時間の経過とともにSPが溜まっていきます。
このSPを使用してスキルを使います。
本作では、レベルアップしてもHPしか成長しません。
パラメータを成長させるには、ステータスアップアイテムを使用するか、戦闘中に色々な行動をすることによって、リアルタイムで成長していきます。
攻撃系のスキルであれば攻撃力が上がりますし、防御系の行動なら防御力が上がります。
そのため、通常戦闘こそがパラメータを成長させられるチャンスであるため、戦闘のモチベーションが上がります。
また、本作では本編とは別で、エクストラモードが存在します。
こちらはパーティを自由に編成して育てながら、ダンジョンを攻略していくハクスラ的なモードです。
最初から選択することもできますが、本編が進行するにつれて、使用できるキャラクターが増えていきます。
そのため、ある程度本編を進めるか、クリア後に挑戦する方が良いと思います。
本編に比べて、登場するスキルの数が非常に豊富です。
感想
そつなくまとまっている作品で、ついつい一気にプレイしてしまいました。
ストーリーの進行やキャラクター同士の会話などに不自然なところは無く、安心して楽しむことができました。
飛びぬけて素晴らしいところがあるわけではありませんが、おそらく、すべての部分において失敗や穴がないというタイプの作品のように感じました。
シナリオ展開はやや王道で、展開の予想ができるものの、泣かせに来る場面の描写はしっかり作られており、久々にゲームで涙してしまいました。
老人同士ばかりのパーティだからこその掛け合いや、味のあるやり取りが良かったです。
戦闘バランスは、戦闘終了後に全回復する仕様のせいか、比較的シビアでした。
攻撃一辺倒ではなく、回復や状態異常などの対策をしっかりしないと、余裕では勝てません。
回復アイテムを効果的に使用すれば、割と楽に攻略できるかなと感じます。
本編では技の種類はそれほど多くないので、取捨選択にそれほど悩むことはなかったのですが、エクストラモードはかなり多くのスキルが登場します。
戦闘中の行動によってリアルタイムに成長するシステムは、正直なところ、それほど劇的な影響は感じませんでした。
再序盤のボス戦では、防御中心で耐えていると段々成長して楽になっていくという実感がありました。
しかし物語が進むにつれて、戦闘さえしっかりこなせていれば、意識しなくても問題なく成長していくので、普通の作品との違いはそれほど感じなくなっていきました。
ただしこのシステムがあるからこそ、通常戦闘のモチベーションは、ある程度保たれていたと思います。
本作のエンカウント率は比較的高いため、このシステムが無ければ、戦闘のストレスがもっと溜まっていたかもしれません(しかも通常戦闘も敵がそこそこ強い)。
余談ですが、キャラの名前や技に、ファイナルファンタジータクティクスの影響が感じられた部分がちょくちょくありました。
騎士団のガーネット・「ルグリア」副団長や、「ライオネル」団長、ハーレイスのスキル「聖光爆裂」斬など、FFTにゆかりのあるネーミングが多い気がしました。
ただの偶然かもしれませんが、とても好きな作品でしたので、懐かしい気持ちになりました。
攻略メモ
戦闘のポイント
本作の戦闘何度は、少し高いです。
しかしポイントを抑えればそれほど苦戦はしません。
・通常戦闘は回復より攻撃重視
戦闘が終われば全回復するので、なるべく敵を倒すことに力を注ぎましょう。
行動順が近い敵を倒すことも重要です。
・状態異常を対策する
毒や暗闇、混乱、呪縛などの異常がありますが、暗闇は特に厄介です。
攻撃役だけでも、暗闇を対策しておきましょう。
SPを溜める必要があるスキルを装備するキャラも、対策しておくと楽です。
・ボス戦はアイテムに頼る
セリアの回復スキルだけでは間に合わないことが多いです。
回復アイテムの性能が良いので、積極的に活用しましょう。
状態異常回復アイテムでもHPは多少回復します。
ボス攻略
第一章
・???
事前に店で、アイテム袋と回復アイテムを購入しておきましょう。
大盾と通常攻撃を交互に繰り返せば倒せるはずです。
手強いと感じた場合は森に戻り、少しレベル上げをしてから挑めば倒せます。
第二章
・バルログ
アルフレドは大盾役と回復役に徹し、ブラスはひたすらクールを使用しましょう。
洞窟内で手に入る回復アイテムは惜しまず使用して戦います。
かなりギリギリではありますが、倒せるはずです。
・スターク
スタークはアタックガードで物理防御を上げてきます。
そのため、ブラスにクールを使わせ続けるのが良いでしょう。
アルフレドはひたすら大盾を使い、防御力を上げ続けましょう。
第三章
・シェロブ
ルミナスが弱点ですが、セリアはヒールウィンドやキュアなどやることが多いので、余裕のあるとき以外、攻撃はブラスに任せましょう。
アルフレドは大盾やアイテムでのサポートに回ります。
・スターク
こちらは3人いるので、最初に比べればだいぶ楽になっているはずです。
役割分担をして戦えば問題なく倒せるはずです。
第四章
・スターク
こちらは4人ですが、相手も敏捷が高く攻撃の手数が多いため、苦戦を強いられます。
暗闇にされたらヒールウィンドで速やかに回復させ、攻撃の手を緩めないように、一気に倒した方が良いです。
守ろうとすると回復が間に合わなくなる恐れがあります。
ドロレスの気弾⇒音速拳のコンボを利用して、積極的にダメージを与えていきましょう。
第五章
ハーレイスと二人パーティになるため、戦闘はそこそこ厳しくなります。
ハーレイスの攻撃であれば弱点を突けることが多いので、アルフレドはサポート役にさせましょう。
ブラインガードをハーレイスに装備させておくと楽です。
・アルシエル
呪縛が厄介なので、バインドボトルを多めに持つか、バインドガードを装備させておきましょう。
再生で回復するのも厄介なので、ハーレイスの聖光爆裂斬など、大技を使えるようにSPを溜めていきましょう。
呪縛対策さえしっかりすれば、だいぶ楽になります。
第六章
・スターク
やはり攻撃が苛烈なので、キュアボトルでの回復も必要になると思います。
アルフレドとセリアを回復役に据えて、ブラスとドロレスは攻撃役にすると良いと思います。
ドロレスは気弾⇒音速剣⇒虎口拳のコンボで大きなダメージを与えられるので、なるべくSPを貯めたあとにコンボを放ちましょう。
終章
・ウルグ
全体攻撃がきつく、混乱と毒も放ってきます。
毒はともかく、混乱は厄介なので、パーティの要にはコンフュガードを着けておきましょう。
キュアスプレーを多く購入しておけば、全体攻撃はそれほど怖くなくなります。
回復アイテムを揃えて挑みましょう。
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