カザクラ風魔伝(フリー・忍びの里運営シミュレーション)紹介・感想

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同人ゲーム制作サークル「773」(ななみ)様による、忍びの里運営シミュレーション『カザクラ風魔伝』の紹介記事です。
僕の中で同サークルは、Nintendo Switchで販売されたシミュレーションRPG『PIRATES 7 -パイレーツセブン-』を作ったサークルとして印象に残っていました。
本作『カザクラ風魔伝』は無料で公開されているフリーゲームですが、フリーとは思えないような豪華なグラフィックとBGMで、サクサク楽しむことができます。

システムを理解すれば難易度は高くなく、クリア時間は約5時間でした。

ダウンロードはこちら

同人ゲーム制作サークル「773」(ななみ)ホームページ

※ダウンロードページでは英語で『このゲームは無料ですが、開発者は、ゲームに対して公正だと思われる金額を支払うことでサポートを受け入れます。』というメッセージが表示されます。
いわゆる投げ銭が可能ですが、まずは遊びたいという人は、下記の赤丸部分をクリックすればダウンロードに進めます。

ゲーム概要

本作は、忍びの里を運営してリソースを貯めていき、襲撃してくる敵を迎撃するという流れのシミュレーションゲームです。
ゲームの進行としては「里仕事」→「忍評定」→「迎撃」(敵襲撃時)→「里仕事」…という流れを繰り返していきます。
やれることが少しずつ増えていくので、こういったシミュレーションが苦手な人でも取っつきやすいと思います。

 

主君を失って敗走する忍びの集団・風魔衆は、「果たすべき務め」を全うするために、里に潜伏して立て立て直しを図ります。
まずは建築で拠点を作り、食料を確保しつつ、任務をこなして建築材料等を獲得していくことになります。

 

まずは食料を獲得するための施設を建築し、そこにメンバーを配置して食料を獲得します。
最初に選択できる食料獲得施設は「味噌蔵」「狩猟小屋」「採取小屋」の3種類で、メンバーによって得意な仕事が異なります。
各メンバーに適した仕事に配置することで獲得量が変わります。

食料は毎ターン消費していき、足りなくなると全員の士気が下がりパフォーマンスが落ちてしまいます。
パフォーマンスが落ちると、後述する「忍務」の成功率が悪くなりますし、怪我や病気により仕事をこなすことが難しくなってしまいます。
また、食料の種類に偏りがあっても悪影響を及ぼすため、各種類の食料をバランスよく獲得していく必要があります。

 

「里仕事」パートと交互にやって来るのが、「忍評定」パートです。
このパートでは、忍務(いわゆる依頼)に対してメンバーを派遣し、報酬として建築材料等を獲得していきます。

 

忍務の性質により必要とされる能力が違うため、適性を考慮して配置することが肝要です。
忍務に失敗すると、怪我をしてパフォーマンスが下がる場合があります。

食料に余裕がない場合は里仕事で忙しいので、ある程度余裕が生まれてから依頼を受けるのが良いでしょう。
汎用的な忍務の他に、ストーリー進行に関わる忍務や、新たなキャラが仲間になる特別な忍務もあったりします。

 

ストーリーが進むと、里に攻めてくる敵を迎撃するRTS(リアルタイムストラテジー)パートがあります。
出撃準備では、味方を組ませて部隊を作成します。
それほど複雑なシステムではなく、何となくフィーリングでプレイしていてもクリアできるくらいの難易度です。
ただし、基本的なシステムは押さえておかないと段々クリアが難しくなっていきます。

 

プレイヤーが出来ることは、部隊の配置、部隊の退却、援護スキルの発動の3つだけです。
敵は定められた道に沿って動くため、その道中に味方部隊を通せんぼするように配置して、自動で戦わせます。

部隊が倒されてしまうと出撃が解除され、画面右下にリザーブされます。
体力が全回復するまで再出撃が出来なくなるので、敵の進軍を遅らせられるように戦うのが重要です。
近距離攻撃型のメンバーと遠距離攻撃型のメンバーがいるので、近距離攻撃型が敵を食い止めながら、後方で遠距離攻撃型が援護し続けるという形が基本隊形になるでしょう。

そのほか、画面右上の顔アイコンのゲージが満タンになると、援護スキルが発動できます。
「味方全体を回復させる」や「敵全員にダメージを与える」などの効果があり、タイミングよく使うことで戦況を変えることが出来ます。

 

物語が進むと、戦闘パートを有利に進められる建築物が作れるようになってきます。
戦闘よりも食料等を重視したい序盤ではあまり重要ではないかもしれませんが、中盤以降は戦闘の鍵を握る要素になり得ます。

 

忍務や仕事をこなすことでメンバーのレベルが上がっていき、能力値が成長していきます。
また、特殊な条件を満たすことで、新たなスキルを習得することがあります。

色々な要素が組み込まれている本作ですが、運営シミュレーションゲームらしく、やりたいことが多いため、ゲームの止めどきがなく中毒性が高いです。

感想(ネタバレ無し)

特にゲームオーバーになることなく、最後までクリアすることが出来ました。
仕組みを理解してベターな選択をし続けていれば、自然と楽になっていくバランスだと思いました。

ゲームの流れに沿って大まかな説明はしてくれるのですが、細かなところまで説明してくれるわけではありません。
わからないところはマニュアルに書いてあるので、そちらを読むことがとても大事です。
(少し気になった点としては、RTSパートで、ユニットが遠距離タイプか近距離タイプか見分けがつかないので、どこかに表示されていると助かるなと思いました。)

最初はとにかく食料が不足しがちで、どのように安定させれば良いのか試行錯誤していました。
仲間が増えると出来ることの幅がぐっと広がるので、賑やかになっていく楽しみが大きかったです。
ただし、人数が増えると食料消費が増えますし、民家の数が足りていないと士気が下がってしまうので、手放しで喜べることばかりではないのが良いバランスでした。
怪我や病気、火事や地震といったネガティブなイベントがそこそこ発生して、タイミングによっては結構厳しくなります。
全体的にはライトめな作りなのですが、決してぬるくはないという印象です。

物語の内容については複雑なものではなくオーソドックスなものでした。
ゲームパートに集中しやすい作りになっているのだと思います。
キャラクターのビジュアルは豪華なイメージが強く、画面映えする華やかなものでした。
キャラクターだけでなくBGMやUIも全体的にリッチなデザインで、プレイヤーを贅沢な気分にしてくれると思います。

長編作品ではありませんが、運営系シミュレーションゲームの面白さのエッセンスが存分に味わえる作品だと感じました。
こういったジャンルをプレイしたことがない人に、入門用としてプレイをオススメしたいなと思う作品でした。

 

ちなみに一番好きなキャラクターはシズナでした。
最初は感情が希薄な無口タイプ(綾波レイ的な)かなと思っていたのですが、全然そんなことは無くてかわいかったです。
忍務の報告内容で、いつもあんこ餅を食べまくっているのが面白かったです。

 

次点として、ハルナもビジュアルと性格が好きでした。
RTSパートでは、シズナと二人で櫓(やぐら)の上から遠距離攻撃で敵の体力をゴリゴリ削ってくれました。

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