十二ヶ邸(フリー・推理サウンドノベル)紹介・感想・攻略メモ

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ナカラボ様によるフリーのミステリーノベルゲーム「十二ヶ邸」を紹介する記事です。
サウンドノベルゲームの名作「かまいたちの夜」を彷彿とさせる、正統派クローズドサークルものです。
ミステリー系の作品が好きなので、「ふりーむ!」の新着作品で見かけた際に興味を惹かれてプレイしました。
プレイ後に気付いたのですが、以前プレイして記事を書いた「深海 – Shinkai」と同じ作者様ということを知って驚きました。

クリア時間は約3時間でした。

プレイはこちら

ふりーむ!(ダウンロード)

ゲーム概要+感想(ネタバレ無し)

「十二ヶ邸」は、外部から隔絶された館で起きる殺人事件を題材にしたミステリーノベルゲームです。
選択肢によって事件の展開や結末が変化していきます。

主人公の新聞記者・小宮あがさが、神戸の山奥にある異人館「ベイカー邸」へ取材に訪れるところから物語は始まります。
次期当主を決めるために一族が集まっているという情報を頼りに、突撃取材を敢行しますが執事から断られてしまいます。
諦めて引き返そうとする小宮でしたが、悪天候により下山が難しくなってしまったため、館に雨宿りをさせてもらえるよう頼みます。
何とか館に入れてもらえた小宮ですが、遺産相続の遺言状の公開待ちのため、一族の相続候補者たちが張りつめた空気で過ごしていました。
そして遺言状が発表されたその晩、殺人事件が発生します。
果たして小宮は遺言状の謎を解明し、犯人を見つけることができるのでしょうか。
推理モノのサウンドノベルとして、とてもオーソドックスかつフェアな作品で楽しめました。
人物のシルエットは「かまいたちの夜2」を思わせる質感で存在感があり、読みやすいフォントでした。
グラフィックも豊富で凝っており、物足りなさはありません。
機能面では通常のセーブに加え、クイックセーブ(短期記憶)とクイックロード(迅速回想)、そしてオートセーブも兼ね備えています。
文字表示速度の調整、既読スキップなども完備されており快適だった思います。
欲を言うなら、閲覧したエンディングリストが見られると嬉しかったと思います。

本編となるメインルートは、犯人を指名できるチャンスがありますが、初回プレイでそこに到達するには難しいと思います。
そのチャンスを逃してしまうと、後半はどんどん犠牲者が増えていく本家「かまいたちの夜」を思わせるサバイバルルートに突入してしまいます。
間違った選択肢を選んでしまうと推理ルートから外れてしまうので、少しシビアかもしれません。
事件に関係ある重要な選択肢を確実に抑え、正解を選んでいく必要があります。

本編クリア後には新しい選択肢が出現し、脇道に逸れた展開を楽しむことができます。
ストーリー、トリック、グラフィック、SE・BGMなどしっかり作られており、推理モノが好きな人にはぜひプレイして欲しい作品だと感じます。

攻略メモ(ネタバレ配慮)

まずは普通にプレイして、色々なルートを進んでいくのが楽しむコツだと思います。
基本的には選択肢ごとにセーブして、エンディングへ到達するたびに別の選択肢を辿っていくと良いでしょう。
犯人の名前を入力できるシーンは何度かありますが、場面によっては真犯人を指名できたとしても解決できるとは限りません。
事件に関わる重要な選択肢を取りこぼさず、きちんと押さえていけるかが重要になってくると思います。

以下の項目では、本編の事件解決のために必要な選択肢をいくつかピックアップして記載しています。
犯人の名前等の直接的なネタバレはありませんが、自力でプレイしたい人はご注意ください。

ED2に到達するためのヒント

犯人のトリックを解明するうえで、おそらく重要だと思われる選択肢を記載します。
中盤以降、犯人本指名のための推理ルートに入るには下記の選択が重要になると思われます。
(省略している選択肢は何を選んでも良いと思われますが、抜けがありましたらすみません)

・藤堂が三田村の部屋を調べに行く際に一緒に行くこと
犯人が使用したトリックを解明するうえで、調べに行くことは必要なはずです。
また調査の際に出る選択肢についても、正しい疑問を選択することが必要だと思われます。

・ハーブティーを入れる際、自分に任せて欲しいと申し出る
犯人が使用したトリックに関わる部分なので、自分が関わる必要があると思われます。

・皆が眠りこけてしまった後、佳川さんを疑わない
「そんな!私だって眠っていたんですよ?」を選びましょう。

・犯人が分かったとハッタリをしない
その後の推理シーンで犯人を指名できるチャンスがありますが、まだ絞れない段階では総当たりをしても解決できません。
素直に「これでは犯人を絞れませんね」を選びましょう。

・三田村さんが嘘をついた可能性を指摘する
こちらを選ばないと未解決のエンディングへ進んでいきます。
その後の推理でも、正しいと思われる選択肢を選んでいきましょう。

・卓郎の部屋ではなく別の部屋を調べる、ティーバッグに仕掛けがある
犯人のトリック解明に必要な選択です。
これらを間違えずに選べば、犯人指名画面と進んでいくはずです。
最後の事件のトリックを使える人物が誰になるのかを考えれば、犯人はおのずと明らかになると思われます。

ED1に到達するためのルート

ED2では犯人のトリックなどが完全に解明されますが、動機などに関しては明確ではありませんでした。
ED1を見ることができれば、遺言状の謎や犯人の動機についてもはっきりとします。

・館到着時にトイレを借りる
・右側の扉を開ける
・宝探しの際に双子に都市伝説の話を詳しく聞いておく
・鳥尾さんと雑談をする選択肢が増えているので選ぶ
・「すごくきれいな方ですよね」を選ぶ
・「もしかして理沙さんは・・・」を選ぶ

これらを選ぶとその後、二階堂と協力して暗号を解いていく展開になります。
ルートに入った後は、暗号について正しい選択肢を選んでいくとED1に到達します。
ただし途中で間違えると、本編のルートに戻されてしまうため、セーブをしながら進めて行きましょう。

感想(ネタバレ有り)

この項目では、犯人に関わる記述があります。
クリア前に見てしまうと、作品の面白さを損ねてしまう恐れがあるのでご注意ください。

 

 

手に汗を握る展開で、一気にプレイしてしまいました。
昔にプレイしたスーファミ版「かまいたちの夜」を思い出しながら、それと同じ恐怖を再び感じました。

初回のプレイでは当然犯人が分からないまま後半に突入し、次々にみんなが殺されていく展開になりました。
誰かが死体のフリをしているのだろうと思っていましたが、はっきりとはわかりませんでした。
(本編解決後に改めて読んでみると、確かに真犯人はしっかり検死しておらず、服が赤くなっていたと表現されているだけでした)
「ミステリーで双子を見たら犯人と疑え」と自分の中の格言に従い、真樹か美樹が犯人だと思っていました。
死体は窓から覗いて遠目に確認しただけですし、おそらく死んだフリなのだろうと思っていました。

次のプレイでは、犯人指名シーンに何とか到達できることを意識しながらプレイしました。
そして何とか「なるほど。犯人がわかったかもしれません」まで到達し、双子の名前を入力しました。
推理がそれなりに進んでいくので「これは当たりか?」と思いながら進んでいきましたが、なんと作者が仕掛けた叙述トリックに見事ハマってしまいました。

間違った推理のルートにこんな仕掛けがされているとは思わず、してやられた感が強かったです。
キャラクターがシルエットである点と、おかっぱという髪形、美樹という字面にやられてしまいました。

その後は地道に選択肢を検証していき、何とか別の犯人指名シーンまで辿り着くことができました。
そこに到達する頃には、さすがに卓郎殺しのトリックを使えるのは一人しかいないため、無事に指名して解決することができました(ED2)。

しかし動機や遺言状の宝探しなどが宙ぶらりんになっているため、ED1を求めて色々と探していました。
その後、ようやくED1へのルートを見つけ、興奮しながらプレイしていきました。
遺言状の謎解きも本編に負けず手の込んだ作りになっており、とても満足しました。

その後は新しく追加された選択肢を色々と選びながら、様々なEDを発掘していました。
序盤で分岐できる起業ルート絡みで、主人公の小宮の弟に関する思わせぶりな発言があり、少し気になりました。
本作とは関係ない話なのかもしれませんが、関連した作品が作られればプレイしてみたいなと思います。
そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ
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