私が医療機器商社の営業からの退職を決意した6つの理由

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僕は大学を卒業した後、新卒で就職し、そのまま同じ会社で10年以上働きました。
仕事内容はというと、医療機器の専門商社です。
もしどんな仕事なのか興味があれば、別の記事で紹介しています。

今回僕は、今の職場を退職し、他の企業へ転職することにしました。
今までにも転職しようと活動したことはありましたが、その際は結局転職には至りませんでした。
それは入社6年目のときのことでしたが、転職しなくても解決し得ることだったので、まずは社内で解決してみようと踏みとどまった経緯があります。

今回転職を決意した理由について、自分自身の考えをまとめるためにも書き出してみようと思います。
あくまで自分が経験したことなので、この業界のすべてがこうであるとは限りません。
ちゃんとしている会社もあると、一応は信じています。

医療機器商社の営業を退職を決意した6つの理由

業務内容が営業個人に大きく依存している

まず最初の問題点は、仕事のやり方・進め方が、営業個人によって大きく違いがあるという点です。
これは、捉えようによっては良い点に感じるかもしれません。
仕事に慣れてくることで、自分がやりやすいように自由にやれるからです。

しかしこれは、自分以外の人間に仕事を頼めなくなってしまうという危険性を孕んでいます。
営業それぞれのやり方を、定期的に会社が吸い上げるような仕組みがあれば、まだ安全なのかもしれません。
もしそういう仕組みがないのなら、自分以外の人間に業務を頼みにくくなり、有給を使って休むということもしにくくなってしまいます。
自主的にそういった引き継ぎ書のようなものを作成して更新していれば、そういった問題は少ないかもしれません。
ただ普段の仕事量が多いと、そういった書類の作成をこまめに行うことは難しいと感じます。

残業時間が非常に長い

これは、大多数の企業が抱えている問題だと思います。
僕が、なぜ残業が多いのだろうとしっかり考えてみたとき、いくつかの理由がわかってきました。

まず一番大きいのは、個々の社員の意識です。
「定時に帰られるわけがない」という意識で初めから考えているため、間延びしたスケジュールで仕事を組んでしまいがちです。
また、管理職などの上の人間も率先して帰らず、帰りづらい空気を作っています。
相談したいことがあるのに遅くしか帰ってこないため、相談したければ遅くまで待っているしかないという状況もありました。

次に、「今やれる仕事は片づけてしまいたい」という気持ちがありました。
本当は明日の朝にでもやればいい仕事なのに、明日急ぎの用事が入ってしまうと出来なくなってしまうかも、という意識で残業してしまいます。
これは、緊急の仕事が多い医療業界特有の意識なのかもしれません。

他には、「勉強会が多い」という理由があります。
メーカーから物を仕入れる商社(卸)ですので、新製品が発売されたりすると、メーカーが勉強会を開きたがります。
会社としても邪険にするわけにはいかないので、どんどん勉強会が入ってきてしまいます。
これは大抵、夕方19時からなどの遅い時間から始まるので、その分、残業は長引くことになります。
さらに、「どうせ今日は勉強会があるから遅くなってしまう」という意識が働くので、ますます早く帰ろうという意識が少なくなっていきます。

最後に、顧客との面会時間の問題もあります。
医療機関での管理職クラスの方やドクターなどは、日中は通常業務で働いています。
そのため面会できる時間帯は、夕方17時ごろの時間に偏ることが多いと感じます(施設により差はあると思います)。
このため17時からの予定が多くなり、日中の仕事に空きが出てきてしまうこともあります。
これは、会社がフレックスタイム制を導入するなどすれば、ある程度緩和できることだとは思います。

残業時間が多いのは色々な理由がありますが、どうしても仕方がない残業も多くあります。
ですが、会社としての姿勢や仕組みによって変えられる部分も大きいと思います。

休日対応の多さ

医療業界は、土日も祝日も関係ありません。
卸が休みであっても、緊急は発生します。
そんなことは分かり切ったことなので、会社として緊急対応の仕組みを作っておくべきなのですが、自分の会社はこれが不十分だと感じました。
厳密にいえば、緊急受付用の電話番号はあるのですが、そこでの電話受付は、基本、営業担当へつなぐための役割でしかありません。
そして、営業担当は休みの日でも携帯を肌身離さず持ち続けることを強要され、連絡に出られないものなら、上司からも強く責められます。
結局、その施設の緊急対応は、そこの担当営業が対応することには変わらないのです。
これに関しては、前項でも述べた「営業個人に業務内容が依存している」ということに関連した弊害でもあります。

大事な情報の共有の仕組みがない

商社にとって、どの品物をどの施設にいくらで販売しているかという情報は、非常に重要な情報です。
新しい製品を納入する際、近隣の同規模の施設であれば、同じくらいの価格を入れるのがオーソドックスな方法です。
しかし自分の会社では、施設別の納入価格などを調べる手段が、通常では存在しておりません。
事務の人間に依頼してデータを抽出し、ようやく手に入れることが出来ます。
これでは、急ぎで見積もり依頼があった時など、適正な価格を素早く作ることができません。

せっかく多くの得意先を持っている会社なのに、その価格に関するデータを利用しにくい状況は勿体ないと思います。
こういったデータを利用できれば、本来ならもっと高く入れることが可能だったものもありますし、見積もりの出し合いで負けなかったものもあります。
会社が手間をかけて整備すべき点だと思いますが、改善は見られませんでした。

書類や提出物が非常に多い

これも自分の職場独自の傾向なのかもしれませんが、社内の提出物や書類が非常に多く、何の役に立っているか分からないものも多いです。
ISOを取得している事業所もあるため、それに関連して書類が多いというのはわかりますが、社員の負担は増大するばかりです。
そもそもISOを取得しているからといって、今のご時世、対外的な信頼度が増すとは思えません(個人の感想ですが)。
信頼が増すとしても、書類保管などの手間に見合ったメリットがあるかと言われると、その効果は疑問です。
これらの書類がしっかり役立てられているならいいですが、いち社員の目からは、そう感じられませんでした。

直属の上司が尊敬できない

おそらく星の数ほどあるあるな内容ですが、上司が尊敬できませんでした。
これに関しては人間関係の問題なので、メインの転職理由にするつもりはありません。
人間関係の問題は、どんな職場でも起こりうることなので、これを理由に転職していては、いつまでも転職し続けることになってしまいます。

それでもあえて、この理由も何パーセントかはあるということを言いたいと思います。
具体的にどう尊敬できなかったかは、ここに記すことはもうしません。
僕も最初から拒絶していたわけではなく、数年前までは僕も自分から歩み寄ったり、上司の足りないところは自分がフォローしてきました。
しかし一向に改善しない上司のそばで働いていると、「この人の面倒を、この先自分がずっと見ていかなければいけないのか?」という疑念が生じてきました。
そういった経験を経て、怒りよりもむしろ諦めの気持ちが強くなっていきました。
上司に対してというよりも、その上司を管理職に居させ続ける会社そのものに、大きな疑念を抱くことになりました。

終わりに

今回は、自分が医療機器商社の営業を退職を決意した6つの理由についてまとめました。
この業界に限った内容ではないと思いますが、これから先、自分が続けていくには厳しく感じました。

そのほか、本ブログで紹介している仕事系の記事をまとめたページはこちらです。
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