破天鬼姫永羅伝(RPG・R-18)紹介・感想・攻略メモ

ゲーム
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「破天鬼姫永羅伝」は、独自の和風ファンタジー世界を舞台にしたノンフィールドRPGの同人作品です。
ストーリー部分はよく練られた舞台設定により、ノベルゲーム並のボリュームがあり、濃い内容になっています。
RPG部分は、プレイヤーによって様々な戦い方が可能なゲームシステムになっているため、歯応えがあります。
フリーゲームとして公開されている「剣閃神姫誅伐伝」と同じ舞台ですし、共通したゲームシステムになっているため、興味がある人はそちらからプレイしてみても良いと思います。

なお性的な描写については、選択肢によるスキップが可能です。
さらに、最初から収録していない全年齢対象版も用意されているため、お好みの方を選択できます。

本編クリア時間は約10時間でした。

ダウンロードはこちら(DLsite.com作品ページ)
2021年6月時点で税込880円です。
R-18版も全年齢対象版も価格に違いはありません。
製品版にセーブデータを引き継げる体験版もダウンロード可能です。



上の画像リンクから購入すると、私にいくらかの報酬が発生してしまいます。
アフィリエイトが嫌いな方はご注意ください。

ゲーム概要(ネタバレ無し)

「剣の修羅」と呼ばれている永羅阿令為(ながら・あれい)が、人間たちに嬲られている鬼族の少女イェル・アイナを助ける場面から、物語が始まります。
この世界で「羅刹」として差別されている者達が、世界に対して怒り抗うストーリーの作品です。

本作は、ストーリーパートとダンジョンパートによってゲームが進んでいきます。
ダンジョンはノンフィールド形式となっており、基本的に前進と後退で進めていきます。
最奥ではたいていの場合ボスが配置されており、倒すとストーリーが進んでいき、新たな目的地が出現していきます。

敵の配置はダンジョンごとに固定となっているため、ランダムエンカウントはありません。
ただし、一度ダンジョンから出ると再配置されているため、ボスが強ければレベル上げを行うことは可能です。
また、配置されている敵とは別で、フィールド上で←ボタンを押すことにより、任意で戦闘することが可能です。


戦闘は、敏捷に応じて行動順が回ってくるコマンドバトル形式です。
行動順は画面左上で確認可能です。

各キャラクターが採り得る行動としては、攻撃・防御・練技・神術・アイテムとなっています。
攻撃や防御で「気魄」(きはく)を溜めつつ、気魄を消費する練技で畳みかけるというのが基本的な流れです。
連続して敵に攻撃を行うと、攻撃数がコンボのようにカウントされていき、少しずつダメージが増えていきます。
練技は、気魄が続く限りターンを消費せずに繰り出すことができます。
したがって理論上は、出来るだけ気魄を溜めてから、一気に練技を繰り出していくのが最も効果的ということになります。

神術は、心力(いわゆるMP)を消費しますが、練技に匹敵する効果を持ったものが多いです。
ただし神術を使っても、基本的には気魄が溜まらないので注意が必要です。

各キャラクターは武器の他に、神玉を複数装備することができます。
神玉には、ステータスを上昇させるもの、新たな神術を使用可能にするものなどが存在します。
探索で手に入るもののほか、店で購入可能です。

お金が少ない序盤は気軽に購入できませんが、様々な種類の神玉を組み合わせて装備することで、思い通りの戦術で戦っていくことが可能です。

感想(ネタバレ無し)

本編を最後までクリアすることができました。
ゲーム部分であるRPGとストーリーの一方がメインというわけではなく、どちらもしっかり両立したプレイしがいのある作品です。

RPG部分は「剣閃神姫誅伐伝」同様、通常戦闘を含めて歯応えがあります。
普通のRPGと同じ感覚で漫然と戦っていては、勝ち抜いていくのは難しいでしょう。
攻撃役・回復役などの役割を意識して分担させ、気魄をここぞというタイミングで開放するのが快感です。
かなり格下相手との戦闘でない限り、サクサクとした戦闘はあまりないので、戦闘が苦手なプレイヤーは大変かもしれません。
全滅してしまっても、敗北時の再戦はしやすい仕組みとなっています。

序盤はお金が少ないため、好きな神玉を揃えられず大変でしょう。
しかしある程度お金が溜まってきてからは、各キャラの練技と神玉を組み合わせて、自分なりの必勝パターンを構築するのが楽しくなってきます。
神玉の装備枠が多い分、プレイヤーの考えを反映させやすいと思います。

本作での独特な要素「羅刹深化」は、戦闘中の強力な切り札となりますが、そのキャラに対して不可逆的なステータス効果が永続的に付与されることになります。
必ずしも有利な効果ばかりではないため、気軽に使用するのは控えたいところです。
強敵相手に詰まった時に使うというよりは、あと少しで倒せるというときに使うのがハマると感じました。

ストーリーとしては、描かれていること自体はシンプルで、わかりやすいと思います。
敵も味方も、自分自身の悪い部分を認識した上で、覚悟をもって行動している者が多いという印象があります。
自分自身の矛盾を認識し、批判に対して先回りしているような物言いが多いので、プレイヤーから突っ込みたくなるような発言はあまりなく、会話の進行がスムーズでした。
本作は、お互いの主張に対して対話で歩み寄っていくなどとというストーリーではありません。
「自分の考えを通したいなら力で示して見せろ、そうすればより意志の強い方が勝者となる」というような、お互いの覚悟をぶつけ合うようなものだと感じました。

攻略メモ(ネタバレ有り)

本作をプレイして、攻略の役に立った点について書いていこうと思います。
たくさんの戦法を採り得る作品ですので、一つの意見として読んでもらえれば幸いです。

・状態異常「火炎」は強力
序盤から手に入る神玉「攻撃神言:火」で使用できる神言は、高確率で相手を「火炎」状態にすることができます。
火炎状態になった敵は、行動ごとにダメージを受けるため、ボス戦では非常に有効です。
相手の体力が大きいほど与えるダメージも大きくなるため、終盤まで有用な状態異常です。

・道具の有用性
「道具」は、誰でも使用できるコマンドです。
回復や蘇生の神玉を装備させなくても使うことができるので、非常に便利です。
消耗品でお金を消費するため、ガンガン消費するのは抵抗があるかもしれませんが、備えておくと非常に有用です。
神玉の装備枠を限界まで詰めるのであれば、回復はアイテムだけでまかなうのも一手です。

・阿令為の稼ぎコンボ
本作は通常敵も手強いため、通常敵もそれなりに時間が掛かります。
しかし阿令為にある程度の神玉を装備させることにより、効率よく敵を一掃できるようになります。

第3章で魅呼を倒した後くらいに、この装備での稼ぎを実施しました。
必要なものは、「常在神言:練気」(戦闘開始時、気魄+2)、「常在神言:迅速」(戦闘開始時、気魄+4、攻性上昇、敏捷上昇)、常在神言「健筋」(体力が90%以上の時、基礎武力+50%、防御力+30%)、「常在神言:力制」(体力が50%以上なら基礎武力+30%)、「乱撃神言」「吸命刃」などです。
常在神言:練気+迅速により気魄の初期値を高め、戦闘開始時に「心剣」⇒「風迅」連打⇒フィニッシュに「乱撃咒」を使用し、敵全員をほぼ壊滅させることができます。
乱撃咒による体力の低下は「吸命刃」でカバーします。
短期決戦に特化しているため、通常戦では無類の殲滅スピードを発揮します。

・探索済みのエリアも再挑戦する
一度クリアしたエリアでも、最奥のボスが新たに設置されています。
そのボスを倒せば、高価な神玉が手に入ることがありますし、さらに奥の追加ダンジョンがあるエリアもあります。
単純に敵を倒してお金を稼ぐより、神玉を集めた方が効率が良いときもあるので、覚えておきましょう。

キャラクターについての感想(ネタバレ有り)

本作をプレイした後に「剣閃神姫誅伐伝」をプレイすると、なかなか感慨深いものがあります。
以下、何人かのキャラクターについて、思ったことを書いていこうと思います。
今回はあまり難しく考えず、なるべくシンプルに思ったことを書いています。

・阿令為
レギュラーメンバーのアタッカーとして最後まで活躍しました。
「心剣」で自身の気魄を上昇させつつ攻性バフをかけられるのは便利でした。
初期練技の「二段絶」は、神玉「看破」などを付けて、会心を出しやすくカスタムすれば、強力な連撃を刻めます。
武力が高いアタッカーなので、神言を使用させても強いですし、攻撃の要として役に立ちます。

「剣閃神姫誅伐伝」の主人公の高嶺より、行動原理が分かりやすいと感じました。
困っている人は誰でも放っておけない点や、虐げられている弱者からの依頼であれば、見合った報酬でなくても受けるなど、最初はどこか危うい正義の味方というイメージでした。
アライメントで言うなら、ニュートラル・グッドなイメージです。
ただし本人は割と冷静に、やれること・やれないことを分かっているので、最初に感じていた危ういイメージは無くなっていきました。
物語を通して、ずっと達観したような冷静な振舞いでしたが、ラストではようやく阿令為の激しい感情を感じられたように思えます。

・彩音
心力消費を抑える統率効果が好きで、よく先頭で使っていました。
敏捷がやや低いですが、練技で回復をまかなえるため、豊富な心力を生かして神言メインで戦っていました。
起源覚醒により練技が攻撃型に反転しますが、モードチェンジで気魄を2消費するのが勿体なく感じていたので、ほとんど攻撃は神言で行っていました。

姉キャラですが、「ReIn∽Alter」の主人公の姉・高嶺優利と比べ、過干渉なところが無いため、個人的にはより好ましく思えました。
本当は心優しい阿令為に対して、戦って欲しくない気持ちをなかなか言い出せなかった辺りは、姉のように振舞っていても、優しすぎるところがあるのかもしれません。
最終的には、阿令為を覚醒させる最後の引き金となってしまいました。

・アイナ
HPが高くタフなタンク役です。
確かにタフなのですが、本作は敵の攻撃が苛烈なので、盾役がパーティを守るよりも、先に倒してしまう方が楽に思えて、僕はあまり生かすことができませんでした。
しっかりと神玉を整えられれば安定するのかもしれません。

最初から最後まで一貫して考え方が変わらず、そして阿令為の味方であり続けました。
本作のヒロインは誰かと言われればアイナなのでしょうが、あまりヒロインらしいキャラではありません。
しかし、全くブレずに主人公である阿令為を支え続けて励ましたのは、よく出来た伴侶のように思えてきます。
最終的には制服姿を披露してくれて、見た目でもヒロインらしいところを見せつけてきます。

・白羽
タフさはありませんが、敏捷と回避が高い回避盾的な役割です。
少し癖のあるキャラクターなので、使いこなすには工夫が必要です。
回避率を十分上げてから「落花啼鳥」が強力ですが、そこまで持っていくのに手数が多く必要です。
「行雲流水」は、敵の強力な攻撃をスルー出来る練技なので、使い方によっては非常に役立ちます。

何かと可哀想な境遇のキャラですが、噂でしか聞いたことのない「剣の修羅」に恋い焦がれて待ち続けるのは、かなり精神的に危うい状態にあったのではないかと思います。
本当に阿令為が助けに来てくれたのは、幸運という他ありません。
加入のきっかけとしてはアイナと同じような理由ですが、こちらはあまりメインストーリーには絡みません。

・香乃
アイテムを消費することで高いパフォーマンスを発揮する、会心率の高い万能キャラです。
加入時はお金に不安があり、アイテムを消耗する練技は敬遠していました。
しかし弾丸による攻撃は軒並み性能が高く、高性能な神言のような使い方で役立ちます。
ただ、ボスクラスと戦う時には、爆発力が物足りないため、あまり使用しませんでした。
全体的に、弾丸使用時の気魄消費量がもう少し低ければ、かなり強力だったでしょう。

キャラ的には、最初はサポートキャラ枠だと思っていたので、仲間になったときには意外でした。
少々腰が引けながらも、やる時はやるお嬢様のような雰囲気で、パーティ(唯一?)の常識人枠だと感じました。

・結衣
全体的に能力値が高く、加入時から最後までレギュラーメンバーとして役に立ちました。
練技よりも神言での攻撃と回復をメインに活躍しました。
羅刹深化を持っていないので、それを切り札とした畳みかけは出来ませんが、高いHPと武力で頼りになる存在でした。

表の主役が阿令為だとするなら、裏の主役は結衣と言えるのではないでしょうか。
シニカルで達観したような言動でありながら、根底の行動原理が「愛する妹のため」というギャップがあるのが好きでした。
「剣閃神姫誅伐伝」をプレイしていることで、結衣の行動や計画について、より深く楽しむことができました。
また「神々の遺跡」を阿令為と二人で探索する際に語られるSF設定に関しては、同作者による別作品「ReIn∽Alter」とも共通しており、色々と繋がりを感じることができました。

・睦月

敵方のキャラクターですが、2度戦うということもあって存在感がありました。
真名宣告がある敵は、強敵感があって良いですよね。
登場時から只者ではなさそうな物腰の強者感があり、白羽に少しだけ親切で、政人がどのような人物であろうとも忠を尽くす姿勢は、個人的には好ましく感じました。

阿令為と対峙したときに、政人のような外道に臣従していることを非難されますが、睦月の立場からすると仕方ないよな、とついつい思ってしまう僕は、サラリーマン的考え方なのかもしれません。

・魅呼

位置付け的には、序盤のちょっとした強敵枠だと思うのですが、妙に主張が強かったので、印象に残っています。
弱者であることを盾にウジウジしているなら可愛げがあるのですが、アグレッシブに他者を害してくるので、面倒くさく危険な性格であると感じられました。
何となく直感的にですが、「ReIn∽Alter」の登場人物である佐咲煌華ちゃんと存在の在り方が似ているような印象を覚えました。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
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