Eternal エターナル(フリー・SFビジュアルノベル)感想

ゲーム
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前書き

もぐらゲームス様の紹介記事を読んで、興味を持ったのでプレイしてみました。
SFビジュアルノベル「Eternal」です。
大きなゲームをクリアした直後でしたので、何か短編のゲームをプレイしたいと思っていたところでした。
とても面白かったので、感想を書こうと思います。
ゲーム紹介に関しては、下記のページが非常に分かりやすいと思います。

ダウンロードはこちら(「ふりーむ!」作品ページ)
Eternal

ゲーム概要

文章を読んでいき、選択肢を選んでいく方式の、オーソドックスなビジュアルノベルです。
クリア時間は1時間もかからないほどでした。
人によっては、もう少し掛かるかもしれません。
メッセージ表示速度、スキップ機能、豊富なセーブファイル数など、基本的な機能はすべて揃っており、快適にプレイできます。

主人公の「ハル」と、宇宙船アムリッタの人工知能である「テラ」の2キャラクターでストーリーが進んでいきます。
地球から30日間の距離がある惑星でサンプルを採取し、レポートを作成しつつ帰還するというミッションを達成するのが目的です。
その帰り道に、繰り返される退屈な日常に潜む違和感を覚えつつ、物語の全容を探っていくゲームということになります。
詳しく書くとネタバレになってしまうので、気になる人はプレイをお勧めします。
短い作品ですので、サクッと読めるはずです。

感想(ネタバレあり)

当初の退屈な目的を遂行しているうちに、少しずつ不穏な雰囲気がにじみ出ていくのが、非常に面白かったです。
序盤でゲームオーバーになっても、また一日目に戻るのが物語のヒントになっていました。
さらに「クビワ」の後に追加した文字「ハズセ」が次の周回にも残っているので、過去に戻っているわけではなく、時間軸はずっとひと続きになっているんだなとも分かりました。

首輪が締まってハルが苦痛の表情を浮かべるのは恐ろしかったです。
あの表情で、ハルが死んでしまったように思わせるのが目的なのかもしれません。
実際は薬物で眠らされているようですが。

それにしても、あれほど長い年月が経過しているとは、まさか思いませんでした。
エンディングはプレイヤーの意思で選ぶことが出来ますが、どれを選択するかは好みだと思います。
エンディングは「Accept」・「Blind」・「Connect」と分かれており、頭文字でABCという並びになっています。

Aは、今まで繰り返してきたことを受け入れ(Accept)、また元のループに戻る選択です。
テラが望んだ展開であり、永遠の繰り返しに再び戻る展開です。
永遠とはいえ、アムリッタの自然劣化もあるため、その選択は停滞であり、緩やかな死と言っても良いでしょう。
Acceptとは銘打たれていても、事実を受け入れられないからこそ選んでしまうエンディングだと思います。
悪い選択ではありませんが、自らループに戻るにはかなりの勇気がいるはずです。

Bは、絶望的な予想に目を瞑り、地球に戻る選択です。
テラの言う通り、不確定要素が多く、まったく推奨できない選択でしょう。
そしてそのエンディングも、おそらくは失敗に終わり、暗闇と共に記憶は途切れてしまいます。
これもある意味、Aの選択と同じような思考停止と言えるのかもしれません。
時間がかかる自殺か、時間がかからない自殺か、その違いだけのような気もします。
人類が滅亡したというのなら、自らもその一員として運命を共にするという感情は理解できます。


Cは、外宇宙に出る選択です。
エターナル計画という非人道的な計画の被検体にされたものの、自らがその計画を継ぎ、別の銀河への旅に出るという展開です。
一番前向きな選択に感じますし、最後に何者かと遭遇するのも、期待と不安が感じられて良かったです。

文書の中で登場した役人である「コバヤシ」の雑記については、大義のために人間を犠牲にするやり方で、肯定できるものではありません。
しかしあの文書を読んだ上でハルが下した決断であれば、プレイヤーとしての僕は、何も言うことはありません。
私利私欲のためではなく、人類のためを思って実行した計画なのだということは、きっと真実なのだと思います。

「Connect」は、最後に電波を受信し、何者かと繋がったことを示しているのでしょうか。
この計画を引き継ぐ事で両親の遺志を継ぎ、他人との繋がりを取り戻したということを暗示しているのかもしれません。
何にせよ、このCエンディングが、個人的にはトゥルーエンドであると感じられました。

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