中日ドラゴンズ2024年のシーズンを終えて思うこと

野球
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前書き

最後に野球の記事を書いたのは、2020年の11月でしたので、約4年ぶりの記事ということになります。

中日ドラゴンズの2024年シーズンが終わり、立浪監督が率いた体制も終わりました。
この3年間、色々と思うところがあったため、問題点や良かった点などを色々吐き出していこうと思います。
不満に対する愚痴などが多くなってしまうと思いますので、ご覧になる場合はご注意ください。

 

一応、どの立場から書いているかの説明として、応援歴を表記いたします。
僕の中日ドラゴンズの応援歴は、2004年からよく観るようになり、毎試合少なくとも結果を確認している程度です。
全試合中継を観られる環境にしているため、家に居る時に試合をやっていればほぼ観戦しています。
(何かをしながら観戦していることが多いです)
現地での観戦は、落合監督から変わって以降はほぼしていない状態です。

問題だと感じた点

いちファンとして、色々と疑問に思ったこと、問題だと思っていることについて書いていきます。
もちろん、現場でしか分からない判断や考え方があることは承知していますが、はたから見ていて感じたことを、出来るだけ正直に書いていこうと思います。
的外れなことを書いている場合もあると思いますが、素人の浅慮であるため大目に見ていただければ幸いです。

2軍との連携が出来ていたのか

シーズン中、1軍の選手だけで戦い抜くことは不可能ですし、若手の突き上げが無ければチーム全体の競争は生まれません。
2軍で結果を出した選手を1軍で使い、全体を競わせることはチームにとって大変重要なことです。
この当たり前のことが出来ていないように見えました。

2軍で結果を出した選手が1軍登録されても、全く起用されずにベンチで干され、しばらく後に2軍に落とされるというのをよく見ました。
下で結果を出しても、1軍監督が全然起用してくれないのでは、下で結果を出そうというモチベーションにはつながりません。
この点がチームとして非常に問題であると思いました。

例えば、打撃がウリの内野手・石垣選手が1軍に上がって来たのに全然起用されないという姿はよく見た気がします。
スタメン出場しても途中で交代させられたり、途中からの守備固めで使われるなど、積極的に使っていこうという姿勢は無かったように思えます。

2軍で結果を出して上がって来た選手に、1軍でもチャンスを与えるという至極当たり前のことをするだけで、それなりにチームが活性化すると思うのですが、そういった姿勢はあまり見られませんでした。
普通に考えて、これではモチベーションは上がらないだろうなと感じました。

采配のまずさ

次に問題だと感じたのは、試合中の采配が不可解だという点です。
立浪監督はセオリーに沿った作戦はあまり採らず、自身の勝負勘に頼るタイプの采配が多いのかなと感じています。
そのため、成功すると盛り上がるのですが、セオリーではないのでかなり失敗の方が多かったという印象です。

例えば、ランナーが1塁に居る場合に、バントをさせることがかなり多いように感じました。
バント自体は状況によっては大事だと思いますが、そもそもバントが上手くない選手が多く、チーム別のバント成功率は下から数えた方が早いです。
得点力に難があるチームだからこそ、安易にアウトを献上するのではなく、相手に楽をさせない作戦をしてほしかったなと思います。
エンドランのサインも多いように思えて、あまりじっとしていられないベンチだというのはずっと感じていました。
(経験が浅い若手が多いため、ベンチで作戦を指示してやる方が効果的だという考え方なのかもしれませんが…)

次に、選手交代の無駄が多いと感じました。
投手に代打を出すのは良いのですが、投手以外の選手にも、割と多く代打を出していました。
その際、同じ守備位置の選手を代打で出せば問題はないのですが、そうではないことが多かったです。
そのため、代打後に守備交代で選手をもう1人使うことになって控えが減り、延長戦で思うような選手起用ができなくなっていたように感じました。
そもそも、相手投手が変わってもいないのに、チャンスだからといって代打を出すのは疑問です。
そして、チャンスでそのまま送り出せないような選手をスタメンにするのはいかがなものかと思います。
(相手先発が変わったのなら、チャンスで代打を出すのはまだわかります)
何となくですが、ベンチの控え選手は出来るだけ使い切らないと勿体ないと考えているような気がします。

他に、中継ぎ投手のマシンガン継投という問題もありました。
延長戦を視野に入れなければならない展開で、1イニングに3人も注ぎ込むような投手交代があり、さすがにおかしいなと思いました。
2024年は投手コーチのお陰か、無茶な連投起用はしないルールができたように思いますが、その前はかなり無法地帯だったと感じています。
あまり得点ができないチームなので、先発を出来るだけ引っ張らず、信頼できる中継ぎに早めにスイッチするのは、戦略としてアリだと思います。
ただ、それだとどうしても登板過多になるため、捨て試合(負けてもしょうがない試合)を作ることで、中継ぎの疲労を分散させることが重要です。
しかし、リードされている展開でも試合を諦めきれず、勝ちパターンの投手を登板させることが多かったと感じます。
こういった采配を諫められないコーチと監督の関係性は、健全ではないと思いました。

その他では、日替わりの打順が多すぎるという問題点がありました。
前日に打線がつながって機能した試合であっても、次の日にあっさりと打順や守備位置を変えて、コロコロと変え続ける起用が多かったです。
器用な打者であれば、前後の打者によって色々と繋がりを考えながら打席に臨めると思います。
しかしそうではない経験の浅い選手が多いので、試合の度に、自分の前後の顔触れが変わるのはやりにくかっただろうと思います。

また、キャンプでも練習していないような守備位置を、当日急にやらせるという行為は、守備を軽視しすぎなのではと思います。
これは私見ですが、立浪監督自身は1年目から遊撃手でゴールデングラブ賞を取り、二塁手、三塁手等どこでも素晴らしい守備が出来たので、他の人でも容易に出来ると思っていたのかもしれません。
ただでさえ打てない状態なのに、慣れない守備位置でそちらに思考のキャパを取られてしまうのは良くないと思います。

偏ったドラフト

ここ数年のドラフトで、野手偏重ドラフトをしてきたのは問題だと思います。
自ら京田、阿部といった主力クラスの内野手を放出しておいて、そのあと二遊間を多く獲得するというのは疑問です。
3年目の今でこそ、ようやくスタメンに定着しそうな選手が出てきたのは収穫ですが、上位指名の多くを野手が占めたせいで、先発投手の層が危機的状態にあるのが現実です。

僕はアマチュア選手については詳しくないのですが、投手が良く野手が悪いと言われている年に、わざわざ野手を多く指名していると聞くので、その点は不安です。
優秀な中継ぎで何とか誤魔化せている(?)ように見えますが、先発の足りなさは今後非常に問題だと感じています。
ここ数年、ドラフト1位で獲得した投手が働いていないという状況があるので、今年のドラフトでその辺りをどのように指名していくか注目しています。

どういうチームを目指すのか見えてこない

結局この3年間で、立浪監督がどういうチームにしたいのかというのが見えてきませんでした。
「立浪監督が目指していた野球はこれだ!」と示すことができる人はいるのでしょうか。
例えば、打撃はある程度諦めて、投手と守備の力で逃げ切るチーム作りをするというなら、起用法もそれに沿ったものとなるでしょう。
逆に、守備にある程度目をつぶって打撃を重視していくというなら、それもアリだとは思います。(もっとも、広いバンテリンドームでその野球を目指すのは疑問ですが…)

「打つ方は何とかする」ということで、打撃で結果を出した選手をしっかり使ったかと言えば、特別そうは感じません。
福永、石川昂といった打撃で結果を出した選手を、なぜか使わない時期が見られました。
また、二軍で全く結果を出せていない中島選手をずっと一軍に置いておくという不可解なこともありました。
ただ、よく打つということで、カリステ選手をセンターで起用するという思い切ったことはやっていたので、部分的には打撃重視の起用法を感じることはありました。
(個人的には、やるならもっとファイヤーフォーメーションに振り切ってもらっても良かった)

では守備を重視するチームかと言えば、特別そう感じることはありませんでした。
守備を重視するのであれば、センター・カリステという起用法はあり得ないでしょうし、守備位置をコロコロ変える起用も疑問です。

打てない分、走塁に力を入れたのかと言えばそれも無く、それどころか非常に悪かったと思います。
打者がヒットを打った際の進塁は各駅停車が多いですし、牽制死・走塁死が非常に多かったように思えます。
もちろん選手の経験が浅いが故のミスというのもあるでしょうが、チームとして走塁はあまり重視しておらず、むしろ軽視しているようにさえ感じました。
ただでさえ打てない上に、盗塁数が少なく走塁も上手くないのであれば、得点が増える訳はありません。

要するに、どこかに特化した分かりやすいチーム作りではなく、走攻守のバランスを考えながらやっていくという方針だったのでしょう。
ただ、もしそうなのであれば、どういった部分を評価していくのか、監督・コーチ陣と選手間のコミュニケーションが大事です。
選手は監督・コーチ陣が何を求めているのかを考えてプレーしていかなければならない立場なので、首脳陣がそのメッセージをしっかり送っていたのか、気になる所でした。
首脳陣が守備を求めるのであれば選手はそこを磨くでしょうし、好き嫌いで起用を決めるのであれば、気に入ってもらえるように振舞うのが正解となるでしょう。

僭越ながら、現状のドラゴンズが強いチームになるための方針を自分なりに考えてみました。
中継ぎ・抑えの層の厚さという強みを活かすなら、やはり1点を守る野球しかないかと思います。
打つ方よりも守備が上手な選手を起用し、1点のリードを確実に守っていくというチーム作りがマッチしていたのではないかと思います。
そして、打撃による得点力が低いのであれば、走塁・盗塁による練習や、サインプレーの練習を重視し、足りない打撃を補っていく必要があったと思います。
どちらにせよ、バンテリンドームという広い球場をホームに置くチームなので、突き抜けたホームランバッター以外は、本塁打数は伸びません。
であれば、投手力と守備を重視しつつ、ホームランに頼らないスモールベースボールを目指すのが自然な流れであると言えそうです。

現状の良い点

悪いことばかりこれまで書いてきましたが、良い点についても書いていこうと思います。

まず、スタメンの若返りが出来たのは結果として良かったと思います。
福永・石川昂・細川・岡林といった選手たちでレギュラーが固まりつつあるのは収穫だと言えます。

また、中継ぎ投手陣は、かなり層が厚くなってきており、今のところは安心できそうです。
松山・清水・マルティネスといったセットアッパー陣に、便利屋の藤島、貴重な左の福・斎藤、ロングで頼れる橋本と、安定した面々が並びます。
この3年間でかなり酷使されていると思うので、彼らが元気なうちに先発陣の立て直しを図りたいところです。

悪いところに比べて簡素な内容となりましたが、それくらい良い点は少なかったという印象です。

これからの課題

さて、今後のチームとして課題だと思う点について書いていきます。
ほとんどは、前項までで書いてきたことの裏返しになる内容だと思います。

先発陣の整備

まず、先発陣を整備するということです。
これはどのチームでも永遠の課題であり、おそらくずっと課題であり続けるものだと思うのですが、緊急度としては高めであると思います。
高橋宏人とというエースはいるものの、その他に100イニング以上投げた投手は小笠原だけです。
そして、その小笠原もポスティングでメジャーにいくとなれば、ますます先発の駒が足りません。
柳・大野といったベテランが思うように働けなかった今季のことを考えると、引き続き先発候補をどんどん指名していかないとやりくりできません。
福谷、梅津、松木平、松葉、涌井といった先発候補はいますが、1年ローテーションを守れるかと言われると不安が大きいです。
即戦力になるような大卒以上の投手を引き続き獲得していくことが重要だと思います。

外野手の育成

次に重要なのは、外野手の育成です。
岡林・細川の二人はほぼレギュラー確定で良いと思いますが、ポジションが1つ空いています。
もちろんカリステでも埋められるのですが、彼は出来れば内外野全て含めたユーティリティプレイヤーとしてベンチに置いておく方が、使い勝手が良いと思います。
現状、外野のレギュラー候補の筆頭は、ブライト健太・鵜飼の二人だと思います。
年齢的に二人とも、そろそろレギュラーを取ることが求められる時期でしょう。
鵜飼は一発が魅力なので、7番・8番あたりに置くと魅力的ですが、ずっと変化球で同じやられ方をしているので、少し難しいのかなと感じています。
対してブライト健太は、打率は.239ながら、代打成績は25打数8安打.320と、ブレイクの兆しを見せています。
彼が外野手として1軍に定着するようになると、かなりスタメンが定まって来るのではないかと思います。

とはいえ、どこのポジションも層の薄さが問題です。
誰かがケガをしたときに、代わりに入る選手がガクッと落ちるような状況では、強いチームとはいえません。
レギュラーを取ったと言える選手であっても、競争相手となるような相手がいて、さらに成長していくものだと思います。

補強選手の獲得について

強いチームはどこでも、効果的な補強を行ってチームを強化しています。
中日の弱点と言えば長距離打者であるため、ホームランを打てる助っ人外国人、あるいはFA選手が必要だと言えます。

残念ながら、ここ数年獲得した外国人選手はあまり当たっていると言えませんでした。
カリステはバックアップ選手として当たりだと思いますが、一番求めているホームランバッターではありません。
ここに補強資金を投下して、ホームランバッターを獲得する必要があると思います。
ホームランを期待できる選手が細川1人だけだと、その1人だけ勝負を避ければ良いということになります。
しかしホームランバッターが2人、3人と並べるほど、四球で逃げにくくなりますし、マークも薄れていきます。
あと一人だけホームランバッターを獲得することは非常に重要な課題だと思います。

ホームランを期待した選手として、中田翔選手が期待外れに終わりました。
近年の状態から見ても、1年間フルで働けるとは思えない選手に3億円という高額な年棒を払うのは失敗だったと思います。
この金額を出すのであれば、他にもっとやれることがあったのではとどうしても感じてしまいます。
中田翔選手は2025年も契約は続いているので、ここで爆発的な活躍をしてくれるのであれば、ファンも獲得して良かったと思うのではないでしょうか。

補強に関しては、球団そのものの動きも絡んでくる話なので、簡単に変わることはないでしょう。
お前変わったな、とファンが感じるようになる日はいつか来るのでしょうか。

後書き

立浪監督による中日ドラゴンズの3年間が終わりました。
ここ最近、試合をフルで観る頻度は大きく減り、端的に言えばつまらない試合が増えました。
負け越しているのですから、観戦すれば負ける確率の方が高いことになります。

試合を見るとストレスになるのなら、観なければ良いのです。
しかし、それでも観てしまうのは、おそらく僕がファンであり、選手たちに愛着を持っているからだと思います。
好きだからこそ無関心ではいられず、不満を言ってしまうことも多いと思います。
しかしなるべく、プレイしている選手へのリスペクトを忘れないようにして、見守っていこうと思っています。

以上、長文をお読みいただきありがとうございました。

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