精神と身体の入れ替わりを題材にしたSRPG「クロスチェンジリング」に関する記事です。
「ふりーむ!」で公開されているのを見て、興味を惹かれプレイしました。
主要キャラクターが4人の冒険者ということもあり、シミュレーションRPGというよりはRPG的な雰囲気で楽しめる作品でした。
全15章で、クリア時間は約7時間でした(難易度ノーマル)。
ゲーム概要
「クロスチェンジリング」は、とある宝玉の力によって体が入れ替わってしまった冒険者4人が、陰謀に巻き込まれていくストーリーの作品です。
性格も戦法も違う4人が意図せず入れ替わってしまうことによる、様々な問題点などが描写されています。
異なる身体で戦うことの難しさや、身体と精神という本来不可分なものが分かれてしまったことによるアイデンティティが揺らぐ場面など、読みやすい文章で書かれています。
難易度はノーマル・イージー・ムテキと3段階が用意されています。
ほとんどの人には難易度ノーマルがオススメですが、SRPGが苦手な人や、ストーリーだけ楽しみたい人はイージーやムテキを選ぶと良いでしょう。
ノーマルでの難しさはやや易しい~普通くらいの印象です。
主要メンバー4人が倒されると即ゲームオーバーですが、それ以外のユニットが倒されてもロストはしません。
ただしクリア後に治療費1000Gが必要となります。
ゲームとしては、オーソドックスなSRPGです。
ゲーム中盤までは、誰の精神がどの身体に入るかでユニットのタイプが変わり、違った戦い方を求められます。
9章以降は自由に入れ替わりが可能となりますが、それまではストーリーに沿った組み合わせとなります。
3すくみが無かったり、飛行ユニットが弓と魔法以外の攻撃を半減させるスキルを持つなど、独自の仕様になっている点も多くあります。
他のSRPGとの違いに注意してプレイしていきましょう。
感想(ネタバレ無し)
最後まで非常に楽しくプレイすることができました。
入れ替わりを駆使して攻略するというよりは、入れ替わりによりタイプが変わったユニットを使いこなしてそのステージを切り抜けていくのが楽しいという印象でした。
主要人物4人だけだと戦い方が決まってきてしまいますが、入れ替わりがあることで新たなユニットを使っているようなプレイ感があり、マンネリ感を感じにくく新鮮にプレイできました。
全体的な難易度としては、それほど高くありません。
SRPGに慣れている人であれば問題なくクリアできるでしょう。
しかしそれなりに手強く感じるマップがあるので、気楽にプレイできる難易度ながらも簡単過ぎない作りという印象です。
9章からは入れ替わるユニットの組み合わせを好きなタイミングで変えられますが、僕の場合はほとんど決まった組み合わせで進め行きました。
というのも精神と身体の組み合わせによっては、どうしても中途半端な性能になってしまうものがあるので、一番使いやすいと思う組み合わせで固定して戦うのが楽に感じられました。
入れ替わりがあると使用できる武器が変わってくるため、そのたびに武器を持ち替える必要があります。
頻繁に入れ替わって戦おうとすると、アイテム交換の手間がネックになってしまうため、組み合わせを固定して戦いがちになるのは仕方ないかなと思います。
ただ、1ユニットのアイテム所持数が8個と多めに設定されている点と、主要4ユニットは常時ストックが利用できるという点で、その手間はある程度緩和されていると感じました。
入れ替わりそのものはゲームの攻略難易度に大きくは関わってきませんが、本作の一番の魅力はストーリーにあると感じました。
読みやすく分かりやすいテキストで、身体が入れ替わることによる戸惑いや不安など心情が描かれています。
同じ見た目であっても、誰の精神が入っているのか口調だけで分かる工夫も感じられました。
また、全体的に短過ぎず長過ぎずの文章量で、作品のテンポが良かったと感じました。
初めて製作したゲームと書かれていましたが、全体的なテキストやゲームバランスはとても良いと感じました。
グラフィックはデフォルトの素材ではありますが、表情差分がふんだんに使われており、見慣れているはずの素材顔でも豊かな表情で素材感が和らいでいました。
表情を場面ごとに細かく変更するのは大変だと思うので、その点の作り込みのこだわりを感じました。
少し気になる点は、作中のBGM音量が非常に小さく設定されているような気がしました。
パソコン自体の全体音量を大きくすれば問題なく聞こえるのですが、そのまま他のことをしようとすると非常に大きな音量になってしまうので、そこが少し気になりました。
ひょっとすると僕の環境だけなのかもしれませんが、その点はご注意ください。
入れ替わりをガンガン駆使して攻略していく作品というわけではありませんが、純粋にシナリオ部分の面白さでがっちりと心を掴まれました。
攻略メモ(ネタバレ注意)
全体的な攻略メモ
特に大きく詰まることは無いと思います。
しっかりと武器を用意して、ストックに回復アイテムを用意しておけば、周囲に回復役がいない時でもポーションで回復することができます。
射程が1~2のスローダガーやジャベリンなどは有用なので、常備しておくと便利です。
また魔法は射程が1~3のサンダー系、敏捷がアップするウィンド系が役立つので、こちらも用意すると便利です。
入れ替わりのタイプに関しては、個人的にはBパターンが一番使いやすいという印象でした。
カイルとエレノア、テラとミュウが入れ替わるパターンです。
以下、詳細について述べます。
・カイル@エレノア(ハイランダー)
武器は剣しか使えませんが、高い機動力と自動回復を持つ切り込み隊長として申し分ない強さだと感じます。
・ミュウ@テラ(シューター)
シューターとして長距離射撃できるのが最大の魅力です。
移動力は低いですが、射出機格納や加速の杖を使うことでカバーできます。
・テラ@ミュウ(セイジ)
敏捷が高くて魔法で再攻撃しやすいのが魅力です。
魔法も杖もどちらも使えるのも強力です。
また、森や山でも移動力が落ちずに動けるという点も非常に便利でした。
・エレノア@カイル
腕力と守備がやや低いエレノアの体ですが、カイルの魂でその点を補えるため、安定した歩兵ユニットとして使えました。
剣だけでなく槍も使えるので、直間両用のジャベリンなどで戦いやすいのがメリットです。
第7章 乙女騎士隊
敵4ターン目に、崖下に並んだ乙女騎士隊が落石で20ダメージを受けてしまいます。
彼女らを倒されないように、川を挟んで陣取るインプをミュウ@テラのシューターで倒しましょう。
また、森を素早く移動できるテラ@ミュウに回復杖を持たせて先行させておくと楽になります。
その他のメンバーは、フレアと協力して、南から北上しようとする敵を食い止める役を担えばよいと思います。
森の中では回復させるのが手間なので、各自ストックのポーションを利用して使いましょう。
2022年8月追記:(匿名様からの情報提供)敵4ターン目になる前に岩の破片を調べると、岩のダメージがMISSまたは10になるとのことです。
第8章 潜入捜査
魔封じや毒のステータス異常は浄化の杖で回復させるとスムーズです。
また、敵が所持している財宝や覚醒の兜はヴィレッタで盗めるので、可能な限り盗んでおくと良いでしょう。
ボスの周りの敵たちは、ある程度接近するとボス含めて全員動いてくるようになるので注意しましょう。
第10章 堕ちた翼
キューネを倒さないようにして砦を占拠するのがクリア条件です。
キューネの攻撃範囲に入らないようにして、まずは砦付近以外の敵を排除しましょう。
しばらくはスタート地点近くの村を防衛するために、その付近で敵の迎撃に専念しましょう。
ただし東の村を放っておくと壊されてしまうので、カイル単騎で向かって訪問しておくと安心です。
敵シューターたちは、こちらもミュウ@テラの長距離射撃で排除してしまいましょう。
敵をあらかた排除したら、砦占拠に向けて準備します。
河を挟んだユニットでキューネたちをおびき寄せて、その間にカイルで砦を占拠しましょう。
橋を塞ぐ重装兵は、カイルで攻撃&再移動を使えば、キューネの攻撃範囲に入らないまま排除することが可能です。
防衛対象の村の右上にある民家を調べると生命の秘薬が手に入ります。
東の村を訪れるとシューティンスター(弓)が貰えます。
その左にある民家を訪ねると遠癒の杖が貰えます。
第12章 交錯の丘
クリアするだけならキューネを瀕死にさせて会話するだけです。
キューネを瀕死にした後は動かなくなりますが、キマイラなどの魔物を近くに召喚するので注意しましょう。
可能ならば、南のセイレーンや南東の敵が宝石や秘伝書など貴重なアイテムを所持しているので、ヴィレッタで盗んでおきましょう。
宝箱の中身は、慈光の杖(全体回復)、鉄喰いの剣(重装・ゴーレム系特攻)です。
エンディング分岐について
最後の15章クリア後の分岐で「宝玉を破壊しない」を選ぶとバッドエンド、「宝玉を破壊する」を選ぶと4つのエンドに分岐します。
エンディング分岐は、クリア時の入れ替わり状態によって4種類に分岐します。
すなわちAパターン・Bパターン・Cパターン・元の身体の4種類です。
すべて毛色の違うエンディング内容なので、クリア前にセーブして全て見ると良いでしょう。
個人的にはAパターンのカップルでの入れ替わりエンディング好みでした。
特にカイルとミュウは男女入れ替わった方がしっくりくる気すらしてしまいます。
ユニット使用感(ネタバレ注意)
各ユニットについての使用感を書いていこうと思います。
主要4ユニットについては、プレイヤー各々で好みのタイプがあると思いますが、自分が好きなBパターンについて書いています。
・カイル@エレノア
戦闘に関するパラメータが万遍なく高く、安心して単騎でも突っ込ませられる強さでした。
さらに少量ではありますが毎ターンHPが回復するのも心強い点です。
魔法防御に若干不安がありますが、アクセサリや杖で強化すればほとんど問題になりません。
・テラ@ミュウ
魔法の威力が若干低いですが、守備力やHPもそこそこ確保できているので、ある程度突っ込んでも撃たれ弱くない魔道士系ユニットとして頼れました。
杖が使える点も便利です。
森や山の移動制限を無視して移動できるので、マップによっては快適に移動できて進軍スピードが速い点も見逃せません。
・ミュウ@テラ
最大のメリットは、シューターアローによる射程6の長距離射撃です。
腕力は低めですが、シューターアローが2回攻撃という点と攻速の早さ、そして防御無視の鷹の目が発動すれば十分に補える強さです。
移動力は低いですが、加速の杖を使えば射出機を展開したままでもそこそこの進軍スピードを保てます。
・エレノア@カイル
エレノア@カイルと同様、物理攻撃系同士の入れ替わりのため、使い勝手はあまり問題になりません。
近接攻撃系歩兵として十分な活躍をしてくれると思います。
・レワン
ヒーラーとして最後まで手堅く活躍してくれました。
ステータスアップの杖を持たせることで、回復の必要がない時でも味方の強化に役立てることができました。
暇なときは調合でポーションを作り、ストックに入れておくことで他のユニットの回復手段を確保できます。
・リオラ
能力は平均的ですが、スキルによりサンダー系の威力が見た目以上に上がります。
ガンガン突っ込ませられるユニットではありませんが、トドメ役や削り役として、使い勝手の良いサンダーにも助けられて活躍しました。
・オウハ
隣接するユニットの守備力を上げるユニットです。
移動力が低いので前線にはあまり追いつけていませんでした。
敏捷が低く、剣でも斧でも再攻撃は難しいため、結局は一撃が重い斧の方が活躍できると思います。
クラスがロードなので、実はどこかの王家の出身だと勘繰っています。
・ヴィレッタ
盗むのスキルで、敵の貴重品を奪う際に活躍しました。
また宝箱の回収役としても地味に助けられました。
敏捷が高いので、攻撃力の高い武器を持たせることで意外と攻撃役としても頼れる存在になれます。
・グラム
見た目に似合わず高い技量のため、斧であっても比較的安定して攻撃を命中させることができます。
守備や魔防に不安がありますが、その分髙いHPで並くらいの打たれ強さは確保しています。
追撃のスキルによって、1でも高速が髙ければ再攻撃できるため、攻撃能力はかなり高いです。
渾身のスキルも強力なので、守りにさえ注意すればかなり活躍できます。
・キューネ
自軍唯一の飛行ユニットです。
パッとしない能力ではありますが、空中戦のスキルにより能力値よりも打たれ強いです。
ただしそれでも一線級の強さではないので、あまり前に出さないように運用していました。
・ユイファ
騎馬ユニットで弓が使えるという点で、割と役に立つユニットです。
攻撃力が高い武器を持たせれば、スキルによりガンガン追撃してくれます。
・ナスカ
乙女騎士隊の隊長というだけあってなかなかの強さです。
ただし守備力が低いので、魔物以外の敵から集中攻撃を受けると意外と脆いので注意しましょう。
・ウズメ
回避を上昇させるスキルが豊富で、倒されそうな敵の集団に突っ込ませても意外と生き延びてくれます。
スキル「空蝉」による完全回避は、敵の行動範囲に入っておびき寄せる際に非常に便利です。
積極的に活用していきましょう。
・ティエタ
純粋な魔力高さで魔法攻撃が強力ですが、それ以上に魔術結界のスキルが優秀です。
オウハと組み合わせれば、味方ユニットをかなり固くすることができます。
杖による回復も問題なくこなせるため、さすが天才と言われるユニットです。
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コメント
7章では4ターンになる前に「岩の破片」を調べると、岩のダメージがMISSまたは10になります。
情報ありがとうございます。
防ぐ手段があるんですね。
誤解を招く表現でした。正確には「敵の4ターンが始まる前」(自分の4ターン目)です。騎馬でぎりぎり間に合います。
すみません、返信遅れて申し訳ありません。
記事を修正いたしました。
詳細な情報ありがとうございます。