雑味とうがらし様によるSRPG Studio製の作品『匙は投げられた』の紹介記事です。
乱数が一切関わらない、こだわりのある仕様が特徴のSRPGです。
明るいノリで敵を叩き潰していく、爽快感のあるシナリオとゲーム性が特徴です。
(2025年1月時点で、10章まで遊べる体験版が公開されています)
10章+クエスト5つでクリア時間は約3時間でした。
目次
ゲーム概要
本作は斧娘・マリエッタが主人公のシミュレーションRPGです。
通常のSRPGとは異なる仕様が多い作品なので、ReadMeを読まない主義の人でも、一読することをお勧めします。
主要なシステムについて、順番に紹介していきます。
本作には、一切の乱数要素がありません。
例えば、攻撃側の命中が、相手側の回避より1でも少なければ、命中率は0%となります。
逆に、同値以上ではあれば100%攻撃が命中します。
同様に、攻撃側の必殺が、相手の必回(必殺回避)を上回っていれば、必ずクリティカルが発生します。
他のSRPGのように微妙な命中率の際に、当たらなかったのでロードしてやり直すという作業の必要がないため、ある意味潔い作りとなっています。
レベルアップについても、特別な稼ぎ行為は必要ありません。
ステージクリア時に、レベルに応じた経験値が与えられます。
これによって、個々の成長に遅れが生じることはほぼないため、育成について頭を悩ませることはないでしょう。
また、本作には難易度自動調整機能が搭載されています。
負傷者を出さず、より少ないターンでクリアすることによって隠しパラメータ「熟練度」が溜まっていき、この値に応じてステージが難しくなったりします。
プレイヤーのストレス要因とならないよう、この値は作中では可視化されない予定だそうです。
(体験版では一定のタイミングで表示されます)
他の特徴としては、3すくみ無し、ロスト無し、稼ぎ用クエストマップなどがあります。
オーソドックスなSRPGとは一味違うプレイ感なので、少し変わった作品をプレイしたい人にとっては新鮮に感じられるかもしれません。
感想(ネタバレ無し)
体験版の最後である10章までクリアしました。
乱数要素が無い作品ということで、詰め将棋的なパズルをイメージしていたのですが、その予想は裏切られました。
相手より対応するステータスが勝っていれば、全て命中、全て回避、全てクリティカルという仕様なので、非常に爽快感が得られました。
1撃で倒せる敵を選びながら、サクサク数を減らしていけるのが快感でした。
出撃ユニットは固定で、クリア時に全員に経験値がガンガン入るため、ユニット育成の自由度は低めです。
作品の仕様上、プレイヤーがどんな進め方をしても戦力に大きな差が付きにくいはずなので、そのぶん攻略に集中できるゲームデザインとなっています。
攻略前の情報収集はかなり充実しているため、短いターンで効率良く攻略する際の大きなヒントとなるでしょう。
拠点から行ける「音楽室」では、作中で使用されているBGMのタイトルやリンクが確認できます。
本作ではかなり色々な曲が使用されているため、詳細がチェックできるのは地味に嬉しい機能だと思います。
本作はライトなプレイヤーでも、やり込みプレイヤーでも満足させられるような懐の深さがあると思います。
ユニット育成が楽しいオーソドックスなSRPGとは違い、ユニットの特性を十分活用してステージを攻略することに焦点を当てている作品だと感じました。
重厚な戦記物ではなく、色々なネタ(映画・アニメ・ゲーム含む)が仕込まれている作品です。
『タクティクスオウガ』などの作品とは180度ほど違うので注意しましょう。
攻略メモ(ネタバレ注意)
※熟練度獲得は全く気にしていません。
序章 栄光の落日
初回プレイ時クリアターン:敵5ターン目
北側はマリエッタ、南側はスミレに任せました。
スミレは3体のゴブリンを片付けたら、北上しつつ薬草で回復させました。
マリエッタは情報収集で貰えるアドバイスの通り、地形効果を得られるポイントで待機し、残りの敵を迎撃します。
ボスは強敵ですが、マリエッタのHPが少なくなるとスキルにより強化されるので、問題なく倒せると思います。
一応、スミレも参加させて二人で倒しましょう。
第2章 邪悪な森
初回プレイ時クリアターン:味方13ターン目
右上の黄色い花を調べるとレイピアが手に入るので、スミレに持たせるようにしましょう。
レイピアであればクリティカルと追撃が出やすくなります。
全員で北側から回り込むようなイメージで移動し、マリエッタはしんがりで敵の追撃を押さえるような感じで進みました。
増援はいちいち相手にしているとキリがないので、無視して追ってきてもらいましょう。
森地形では、敵も味方も進軍が遅くなるので、囲まれて危険になることはあまりないでしょう。
ドロシーのヒールの杖(射程3)を有効活用すると便利です。
鶴姫は敵を撃破すると確定再行動できるので、一人でトドメを刺せない場合は、ドロシーやスミレで削ってから倒していました。
最終的にはレイピアを装備させたスミレをボスに隣接させて倒しました。
第3章 救援
初回プレイ時クリアターン:味方12ターン目
ボスを倒せばクリアですが、分霊(ドム)を倒すことで弱体化していくので、穴の上に陣取るドルイドを倒すことを目指しましょう。
鶴姫は手槍による攻撃が便利で、敵を撃破することで再行動ができます。
使いやすいユニットだと思うので、ショップで予備の手槍を購入しておくと安心です。
スピネルは魔法剣を使わせると、なかなかの火力が出ます。
情報収集でもいじられているように、魔法剣を使わない場合はやや非力なので注意しましょう。
スターリーはメディテーションをしてからの魔法が強力なので、なるべく手が空いた時はメディテーションを使っておきましょう。
フローラはターン開始時に、周りのユニットのHPを少量回復するスキルを持っています。
ただし移動力が非常に低いので、出来るだけ道を歩かせて護衛しましょう。
このステージで使われているBGMは個人的にお気に入りです。
(m-art様:エピステーメー)
第4章 玉座の間
ここまでのターン数:30
各キャラと会話するだけのマップです。
戦闘はありません。
QA1 畑仕事
雑草は積極的に向かってきますが、でかい草は動いてきません。
まずは雑草からむしりましょう。
ただしでかい草は先制スキルにより、必ず先に攻撃してきます。
残りHPには注意して攻撃を仕掛けましょう。
※マリエッタがでかい草に攻撃したところ、対樹クリティカルが発動し2倍ほどのダメージを与えられました。
QA2 倉庫番
敵の数が多いので、なるべく相手の弱点を突いて一撃で倒せるユニットを出撃させると良いでしょう。
ポルターガイストは、ドロシーのライトやスターリーのウィンドカッターで楽に倒せます。
ドルイドやスカルホニーは、ヒスイのクリティカルで一撃で倒せます。
集中攻撃を受けないようにだけ気を付けて進んでいきましょう。
QA3 ペットの世話
キマイラは強力ですが、1ターン目から囲んで殴れるので、物理攻撃が強いユニットを出撃させて倒しましょう。
お金を稼ぐには一番時間効率が良いクエストかもしれません。
第5章 オーバーロード作戦
初回プレイ時クリアターン:味方12ターン
敵のティラナス伯爵を倒せばクリアとなるマップです。
スタート地点近くの河を越えた向こうにあるスイッチを操作すると、跳ね橋が動いて通れるようになります。
ヒスイの再移動を利用して、スイッチを守るアーマーナイトらを排除すれば、すぐに跳ね橋が使えることとなります。
ボスの所まで距離的には近いので、南から回り込んでいくよりはだいぶ楽なはずです。
ただ、ロングボウをを装備した敵など、迎撃が激しいルートではあるので、突っ込み過ぎないように注意はいると思います。
スパロボの一般兵のようなセリフを言う敵
第6章 続・オーバーロード作戦
初回プレイ時クリアターン:15ターン(クリア条件が15ターン終了時まで防衛)
迎撃が結構大変なマップです。
出撃準備画面でヒスイをグリフォンから降ろし、ランサーにクラスチェンジしておきましょう。
パイクを持たせれば、敵飛行兵は全て反撃でなぎ払ってくれます。
とにかく敵の数が多いので、橋を塞ぐようにして守りましょう。
ちなみにこの画像の状態だと手遅れです
自13ターン目には、本陣付近にアサシンが3体現れます。
放っておくとティラナス伯爵がめった刺しにされて終わるので、前のターンくらいまでには南側のメンバーを周囲に集めておきましょう。
塞いでいる橋を解放すると、もちろん敵がなだれ込んできますが、クリアの15ターンは目前です。
森の中を退却していけば、敵も容易に追ってこられないはずです。
大隊長を倒すパターンでのクリアはやり込みの部類になると思います。
第7章 TRINITY IDOL
誤字ではないことがおじさんにはわかる
初回プレイ時クリアターン:味方4ターン目
アドバイス通り、まずはメイを集中攻撃して倒しましょう。
対空特攻で攻撃できるマリエッタを中心に攻撃します。
アリスやフラウは倒されそうなユニットは攻撃して来ないので、メイから反撃で受けるダメージは気にせず攻撃しましょう。
メイさえ倒してしまえば、あとは反撃で倒されないようにしながら削っていくだけです。
味方が倒されてユニット数が減ると、クリアターンが遅くなってしまうので注意しましょう。
第8章 玉座の間・再び
ここまでのターン数:61
各キャラと会話するだけのマップです。
戦闘はありません。
QA4 ファイトクラブ
敵の数が圧倒的なので、こちらもタフなメンバーを出撃させましょう。
シンプルなぶつかり合いになりますが、なるべくこちらからは反撃を受けないように攻撃し、かつ敵の数を減らしていけるように心掛けましょう。
スキルにより、HPが2以上ある敵を反撃で撃破することはできないので、敵のターンで削り、自ターンで撃破する方針で戦えば問題ないでしょう。
QA5 くだものだいすき
ゴリラもくまもまともに戦うと強敵です。
しかし、回避の高いマリエッタを森の上に待機させれば、くまからの攻撃は回避できるはずです。
ゴリラは接近されての剛腕パンチは当てられると思いますが、射程2のブーメランなら避けられると思います。
ゴリラを優先して手斧等で倒しましょう。
最悪、グリフォンナイトのヒスイを出撃させて、河に囲まれた拠点を利用して回復していれば、いつかはクリアできると思います。
第9章 襲撃
初回プレイ時クリアターン:味方11ターン目
部隊を左右に分け、それぞれ似た役割の物をバランスよく割り振るようにしましょう。
最低でも、回復役であるロティスとドロシーは分けるのが賢明です。
ネビロスは、敵が多く固まった場所でダークミストを使用すれば、多くの敵を一気に削ることができ、非常に便利です。
ただし、多くの敵を削ろうとすると敵に接近する必要があるため、ダークミスト使用後は速やかに他の味方ユニットで安全を確保するようにしましょう。
城壁を利用して迎撃することになると思いますが、敵ターンでの削った敵によるやっつけ負けに注意しましょう。
ヴィオラの射程3ロングボウ・コンポジットボウや、スターリーのアイスジャベリンが便利なマップです。
友軍のバリスタの攻撃範囲を意識して迎撃ポイントを見定めましょう。
第10章 襲撃・後編
初回プレイ時クリアターン:味方11ターン目(最初のクリア目標達成→味方5ターン目)
まずは南へ全員で向かい、その後は全力で北を目指す目標に変わります。
敵騎兵に追いつかれることは無いと思うので、あまり気にせず進んでいきましょう。
敵の集団はネビロスのダークミストでごそっと削ると気持ち良く殲滅できます。
南の守備兵2体を倒すと、北西にアリス・フラウ・メイが味方増援として現れます。
本隊が到着するまでの間、露払いをさせましょう。
メイは敵を撃破すると確定で再行動できるため、非常に殲滅力が高いです。
1行動目で敵中に突っ込み、2行動目の攻撃後再移動で壁の向こう側へ移動すれば、完全なるヒット&アウェイが可能です。
今回の体験版はここまででした。
熟練度マックスは120とのことですが、途中で捨て駒にした負傷者とか結構いたので、熟練度はかなり伸び悩んでいます。
ここまでのユニット使用感等
・マリエッタ
攻撃力・敏捷が高く、順当に戦闘力が高い斧娘です。
HP満タン時はノーガード戦法、HP50%以下では底力と、どちらかが発動していることが多かったです。
手斧も使いやすい性能であるため間接攻撃にも対応でき、主力として活躍しました。
・スミレ
決して弱くないのですが、何となく地味な印象でした。
幻惑剣を活用すれば強敵に有効なのかもしれませんが、分かりやすい効果の花のワルツを重用していました。
守備力が高めなので、壁役として割と使える気がします。
・スピネル
スミレと似たような性能ですが、魔法剣で攻撃力を底上げすると結構強かったです。
レイピアだとクリティカルや再攻撃が発生しやすく、武器の強さがユニットの強さに直結するタイプかなと思います。
ジュエルシールドはいつも意識していないのですが、発動したときはお得な気分になって嬉しいです。
・ドロシー
基本的には回復役として活躍していましたが、トドメ役として戦うこともありました。
アンデッド相手には強いですが、回復役の方が重要なため、攻撃する場面は限定的でした。
・ヒスイ
オーバーロード作戦では、グリフォンから降りてパイクで活躍しました。
しかしやはり、グリフォンに乗って飛行戦力として使う方が活躍できる場面が多いです。
手槍でチクチクとヒット&アウェイもできますし、遠くからアサルトランスで突撃すると大きなダメージが期待できます。
・ルリ
マリエッタの攻撃特化型というイメージです。
敏捷や命中の面でのバランスは今一つですが、破壊力はかなりのものです。
武器の消耗が激しくなりがちですが、あまり金欠にならないので問題はナシです。
・スターリー
メディテーションを使ってからの魔法攻撃はかなり強力な印象です。
単発の攻撃力が高いフレイボム、追撃しやすいウィンドカッター、射程が長いアイスジャベリンと、場面によって多彩に使い分けられます。
離れた状態で確実に敵を倒し切れるユニットとして非常に重宝します。
・ロティス
待望の2人目のヒーラーです。
周囲の防御を1上げるプロテクションは地味に便利です。
経済的な回復手段・奇跡の手は射程1なので、結局ヒールを使う機会が多いと思います。
・ネビロス
何と言ってもダークミストの広い範囲攻撃が一番のセールスポイントです。
射程が広く、アンデッドが近いと与えられるダメージが上がります。
なるべく多くの敵をダークミストで巻き込むことが重要となるため、使用後に保護する準備は欠かせません。
・ヴィオラ
射程2~3の遠距離攻撃をもこなせるアタッカーです。
武器に恵まれており、スターリーと共に一方的に敵を攻撃できるのが強みです。
本作の弓は射程が1~2のものもあるので、射程に死角が無いのはありがたいところです。
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