前書き
本作は、フリーのアドベンチャーゲームである「細胞神曲 -Cell of Empireo-」の無料ダウンロードコンテンツです。
本編をSランクでクリアすることで遊ぶことができる公式の追加要素です。
そのため、細胞神曲本編をクリアしていないと遊ぶことはできませんし、何より楽しむことができません。
したがって、「細胞神曲」をプレイしていない人がこのページを読むのは無意味どころか、将来のネタバレの危険性がありますので、ご注意ください。
細胞神曲 -Cell of Empireo-(フリー・探索×情報収集型サスペンス)紹介・感想
ゲーム概要
ゲームの内容は、基本的には文章を読んでいくことで進行していくアドベンチャー形式です。
途中、自分でマップ上を操作するシーンもありますが、ほとんどは、指定された場所を調べるとか人と会話するといった内容です。
主に細胞神曲に登場したキャラクターの過去に焦点を当てて、それぞれを深く掘り下げていきます。
基本視点は磯井実光でストーリーが進んでいき、要所要所で、各キャラクターのエピソードが挿入されるという流れになっています。
キャラクターによって、そのエピソードがどれくらい昔なのかは変わってきます。
そのため、一人目のエピソードは5年前で、二人目のエピソードは10年前ということもあります。
時系列がバラバラなので、多少分かりにくいところもありますが、ストーリーを理解していれば大体は分かるはずです。
感想(ネタバレあり)
単なるダウンロードコンテンツではなく、細胞新曲の世界をさらに深く掘り下げた内容だったと思います。
特にセオドア・リドル、原田・宇津木の・ルメルトなどの祖父時代の話、因子、アカシック・レコードなど、新たな謎のオンパレードです。
本編で亡くなったキャラクター達を掘り下げつつ、作品の世界を新たな段階へと移行させた追加コンテンツだったと思います。
スタッフロールやリドルと宇津木の会話が暗示しているように、DLCのDはDownloadではなく、Dawnのことだったとすると、この作品はオマケのダウンロードコンテンツのように見せかけて、実はそうではなかったということになります。
以下、各レコードの一言感想です。
#ReCord.01「蛇淵陽」
本編でも元々好きなキャラクターでした。
一人目ということで、それほど長くない内容です。
元教師とのことでしたが、真面目なごく普通の若い教師という感じでした。
本編の、もう少しイライラしている感じの彼には直接つながっていない印象でした。
#ReCord.02「榎本のあ」
本来であれば、天真爛漫で素直な女の子だったのでしょう。
しかし学校にも通えさせてもらえずに、こういった閉鎖的な環境の中で育つとこうなってしまうのか、と同情しました。
のあと会話しているときに磯井の表情が、段々曇っていくところに、磯井の同情とやるせない気持ちが感じられました。
#ReCord.03「磯井来」
まさか、昔はこんな極端なヤンキーキャラだとは思っていませんでした。
実光との馴れ初めなどは不明だったので、そのあたりが明かされるのは良かったです。
普通の家族に憧れた者同士が、結局普通にはなれなかった辺り、心が揺さぶられました。
そして最後、唐突に始まるジェノサイドミニゲームがショッキングで辛かったです。
#ReCord.04「磯井麗慈」
本編では推測するしかなかった、麗慈の日常や育ちが分かるエピソードです。
父と子の話単体としても、胸に来るものがあります。
途中、少しだけ謎解き要素がありますが、すぐわかる日付です。
セオドアの正体の謎が深まるばかりのエピソードです。
最後は本編でSランクをとったご褒美と言わんばかりに、バッドエンドが回避されて本当に良かったです。
#ReCord.05「初鳥創」
あまり明らかにされていない初鳥の過去が少しわかるエピソードでした、
そしてセオドアの底知れなさや、二人の因縁めいたものが感じられました。
#ReCord.06「原田実」
原田自身の過去や、現在の彼の状況など色々と描かれます。
この辺りから、新たな謎である「因子」の話や、セオドア、原田・宇津木の祖父時代の話など、クローズアップされていきます。
#ReCord.07「宇津木徳幸」
すっかり本編との印象が変わってしまった宇津木の、過去が分かる話です。
最後の、中心に向かって渦状に歩きながら、色々な出来事を時系列で復習できるシーンは、頭の整理に役立ちました。
#ReCord.08「磯井実光」
ようやく時系列が最新に戻ってきた感じです。
この時点で、新たな謎が増えすぎて、かなりわからないことだらけになってきました。
この作品はここでとりあえず、「続く」という感じで終わるようです。
本作をプレイすることで得られる感情は「何かが分かったようで、実はほとんど何も分かっていない」というものであり、アメリカの海外ドラマ「LOST」を観ているかのような気持ちでした(褒め言葉です)。
隠者の間
本作をクリアしたデータを、本編最新版で読み込むことによって、「隠者の間」というエリアに入ることができます。
ここでは、本編中で閲覧できたすべての資料を順番に読み返したり、登場人物の記録を確認したりできます。
資料を読み返すと、「ああ、こんな序盤の資料にこんなことまで載ってたんだな」という驚きを得ることができます。
また、人物の肖像画の間では、その人物についての客観的な事実などの情報が得られるため、頭の整理に役立ちます。
最後、数字を入力する人物が一人だけいますが、これは隠者の間クリア後に得られるパスワードを入力することで、閲覧が可能です。
細胞神曲 -Cell of Empireo-(フリー・探索×情報収集型サスペンス)紹介・感想
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