医療業界では、一年を通して色々なテーマの学会が開催されます。
メジャーで大きな学会から、分野を絞った専門的なものまで、色々な規模で開催されます。
学会は、主にドクターとメーカーのフィールドではありますが、医療機器商社であるディーラーも参加することがあります。
今まで色々な学会に参加してきたのですが、自分の学会の回り方がようやく確立されてきました。
今回は、参加の目的や活用方法などを、簡単に紹介しようと思います。
目次
学会の参加目的
新製品の情報収集
ディーラーとして一番わかりやすい目的は、この新製品の情報収集という点でしょう。
スポンサー付きのランチョンセミナー(弁当付きの講演)では、発売して間もない新製品の紹介などが行われたりもします。
もちろんスポンサー付きの講演では、スポンサーにとって良い内容を多く言う傾向があるため、すべて鵜呑みにはしないよう注意が必要です。
また、企業ブースでの展示でも、色々な製品の紹介がなされています。
メーカーの知り合いがいるのであれば、普段、あまりしない製品の情報交換などをすることで、より深く勉強することができると思います。
ただし企業ブースは、基本的にはドクターを相手にしたいと思っているので、忙しそうなタイミングで訪問してしまうと、嫌がられることもあります。
ドクターのアテンド
自分が担当している病院のドクターが参加する際など、一緒に学会を回ったりお世話(接待)をすることもあります。
僕自身はこのような経験はありませんが、行っている上司や同僚はいました。
仲の良いドクターであれば、夜にメーカーも含めて飲みに行くなどということもあるようです。
ある程度関係ができている相手だからこそ、成立する目的だと思います。
演題発表の聴講
個人的には、この演題発表の聴講が、学会でしか聞けない貴重な部分だと感じています。
ドクターがどういうことを考えて治療方針を決めているかなど、「考え方」を聞ける場面です。
業者と話す際には見せないドクターの頭の中を、少しでも理解するチャンスです。
自分と同じ専門のドクターへ向けた場だからこそ聞ける本音というものが出てきます。
あらかじめプログラムをチェックし、興味のある演題にはチェックをつけて回るようにしましょう。
もし興味が持てる内容がなければ、なるべく広い会場の隅っこで、座って休憩するのもアリです。
また、聴講中に面白いドクターがいた場合、そのドクターを追いかけて聴講するのも良いと思います。
企業ブースは、聞きたい演題がないタイミングなど、空いた時間で回ればいいと思います。
現在、業界で何が流行りなのか、そして何を求めているのかなど、少しでも理解できるように吸収して行きましょう。
分からない略語や語句が出てくると思いますが、それらをしっかりとメモして意味が分かるようになれば、必ず知識のレベルアップになります。
学会の活用方法
自費で参加するのではない限り、学会参加費用というのは、会社からお金が出ているはずです。
そのため、学会で得られた情報は、会社に還元しなければなりません。
ほとんどの会社であれば、報告書のようなものを作ると思います。
ここでは、学会で得られた情報の生かし方について書いてみます。
新製品の情報共有
参加した学会で話題になっていた新製品などの情報は、共有するべきでしょう。
カタログなどを貰い、社内でデータ化すると誰でも見やすいです。
自分では必要のない情報であっても、うまく活用できる担当者がいるかもしれません。
誰かの役に立つかもしれないという考えは大事な点だと思います。
自分一人の経験を、他人に何割か伝えられるだけで、会社としては相当なプラスになると思います。
現在の流行りや発表内容などの共有
学会に実際に参加した人でなければ、なかなか報告できない内容なので、貴重な情報です。
ただし、あまりに専門的な内容を載せても、活用できる人は少ないと思われます。
何となくでも、現在の流行りの整理をしたり、新製品や既存の製品に絡めて書くと親切だと思います。
個人的には、ここをしっかり書けるような学会参加の仕方を心がるべきだと思っています。
ドクターへの情報提供
学会に参加できなかったドクターなどに、話題になっていた情報を提供してあげると、喜ばれることがあります。
逆に言えば、最初から情報提供したいドクターが欲しそうな演題を狙って聴講するのも手だと思います。
抄録集などが販売されているのなら、それを購入して持参するのも良いと思います。
まとめ
学会参加を十分に生かすには、何度かの学会参加経験が必要だと思います。
同じ学会でなくても、経験が増えてくることで、効率よく回ることが出来るようになっていきます。
人によって様々な目的での参加理由があると思いますが、自分なりの目的意識をもって参加することが大事です。
この記事が、これから学会に参加する人の参考になれば幸いです。
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