アルカンシエルの魔獣(フリー・RPG)紹介・感想・攻略メモ

ゲーム
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本作「アルカンシエルの魔獣」は、登場キャラクターがすべて動物のRPGです。
キャラクターグラフィックや、ゲーム画面のデザインもこだわられており、その点に惹かれてプレイし始めました。
最近プレイした、可愛らしいキャラクターが多数登場するRPG「ミマモロール!」に感化されたわけではないですが、すんなり本作の世界に入っていくことができました。
グラフィックはほのぼのした雰囲気ですが、王道の熱いストーリーが見所です。
クリア時間は、約10時間でした。

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ゲーム概要


本作は、オーソドックスな正統派RPGです。
ライオンのラディアが、記憶喪失のオオカミ・オボロを見つける所から、物語は始まります。
ストーリーの進行とともに、仲間が加入・離脱しながら、ダンジョンを攻略し、ボスを倒していくという流れです。
本作での特徴的なシステムについて、いくつか紹介しようと思います。

戦闘について


戦闘は、敏捷の高さによって多く行動順が回ってくる方式の、コマンドバトルです。
敵味方の行動順は画面に表示されているため、行動が回ってきそうな敵を先に倒す、などの戦術も可能です。

バトルメンバーは4人で、戦闘中は控えメンバーとの交代はできません。
そのため、ボス戦はある程度バランスを考えた組み合わせにしないと、苦戦を強いられることになります。

控えのメンバーは戦闘には参加できませんが、「パーティアビリティ」によって、戦闘メンバーのサポートをすることが可能です。

優秀なパーティアビリティを持つメンバーは、あえて控えにしておいた方がよいこともあるでしょう。

エンチャント

キャラクターはそれぞれ個別に、戦闘中に使えるスキルを持っています。
EP(エンチャントポイント)というものを消費することで、スキルを一時的に強化することができます。

例えば「味方一匹の毒・眠り・麻痺を回復する」という効果の「リカバー」というスキルがあります。
EPを費やしてエンチャントすると、「味方一匹のあらゆる状態を回復する」という効果に強化されます。

エンチャントすると、消費MPも大きくなりますが、このように効果が大きくなります。
よく使用するであろうスキルは、エンチャントしておくと良いでしょう。

中には、効果範囲が全体になるなど、使い勝手が大きく変わるものもあります。
エンチャントを解除すればEPは戻るため、臨機応変にエンチャントを設定することが重要です。

戦闘中であっても、エンチャントの設定を変えることは可能です。
ただしその場合は1ターンを消費するため、注意が必要です。

イベントスキップ

本作では、ボス戦に敗北すると、タイトル画面に戻って、最後にセーブしたポイントからのやり直しとなります。
その際、ボス戦前のイベントなどはスキップする機能が付いています。

割と長いイベント後にボス戦という場面の少なくない本作では、親切な機能と言えます。
イベントスキップ機能が付いている作品は、やり直すことを考慮されているので、総じて手強い作品というイメージがあります。
ただし、本作のボス戦は、そこまで難易度は高いわけではないと思います。

感想(ネタバレ無し)

とても楽しく最後までプレイすることができました。
本作の面白さは何かと言われると、一言では説明がしにくいです。
というのは、何か尖ったポイントがあるというよりは、全体的に質が高く、バランスがとれているタイプの作品だと感じるからです。

まずストーリーとしては、ラディアが、記憶喪失のオボロと出会う所から始まり、旅がスタートしていきます。
割とよくある入り方ではありますが、物語の牽引力は確かにあります。
展開についても、自然で納得する流れが多く、伏線の回収や、過去の回想なども丁寧だと感じました。
王道的な流れを汲みながら、意外性のある展開も多いです。
時に熱く、時に悲しく、そしてメンバーそれぞれに見せ場があり、キャラクターたちが生き生きと動いているのが印象的でした。

キャラクターについては、「みんな動物である」という、明確なコンセプトがあります。
物語の内容的に、動物である必然性は無いと思いますが、だからこそケモノへの愛がとても感じられました。
会話文のテキストも、「二人とも」と言いそうなところを「二匹とも」と表現したり、「子」と表記するところを「仔」(動物のこども)という漢字にしていたり、細かいこだわりが感じられます。
「神は細部に宿る」という言葉がありますが、このようなきめ細かなこだわりによって、面白いと感じるのだと思いました。

戦闘難易度については「普通~やや難しい」といったところだと思います。
序盤は、通常戦・ボス戦ともに、それほど苦労しません。
しかし中盤からは、通常戦がやや難しく感じ、それなりにスキルを駆使して、しっかりと戦わなければいけないようになります。
終盤に関しては、ボス戦よりも、むしろ通常戦の方が手強いと感じることもありました。
エンカウント率が若干高めな点も、そう感じることに拍車をかけているのかもしれません。
ただし、特定のボスで詰まって、レベル上げを強いられるということは特にありませんでした。
大抵の場合は、装備変更とエンチャント設定、回復アイテムの買いだめでなんとかなると思います。

以上のように、本作では、全体的に良いところがあり、完成度やバランスがとても素晴らしい作品と感じました。
久しぶりに正統派な雰囲気のRPGをプレイしたこともあり、最後まで楽しくプレイすることができました。

攻略メモ(ネタバレ有り)

本作の通常戦闘は、序盤を除いて、ただ物理攻撃を選択していれば勝てるというものではありません。
通常戦闘では通常戦闘なりに、スキルをエンチャントして戦っていくことが大事です。
弱点属性を意識することと、全体攻撃スキルをエンチャントすることがポイントかなと思います。

ボス戦では、回復アイテムが重要だと感じます。
HPを回復するリーフ系はもちろん、MPを回復するナッツ系は大変有用です。
中盤以降、ラディアの破壊闘気を積極的に使っていくとだいぶ楽になるので、アイテムは有効活用していきたいところです。
戦闘不能を回復させるスキルは少ないので、ライフシードの準備も重要です。


以下、キャラクターの使用感について書いていきます。

・ラディア
クリティカル率が高く、アタッカーとして有用です。
「連撃」を覚えれば、クリティカルのチャンスも2倍になるのでお勧めです。
「咆哮」も通常戦闘では意外と役に立ちます。
敵の残りHPが分かる「見抜く」は、通常戦でもボス戦でも便利です。
後半は、ひたすら破壊闘気を使うことで、ボス戦を短縮させるのに一役買いました。

・オボロ
攻撃もできますが、主に「キュアオール」役として活躍しました。
リカバーも使えるので、単独で回復役を一通りこなせる便利なキャラクターです。
攻撃スキルもありますが、攻撃役よりも回復役をしている状況の方が多かった印象です。

・アグニ
物理アタッカーです。
「ためる」からの物理攻撃だけで、かなりのダメージを与えられます。
ラディアほどではありませんが、クリティカル率もそこそこあり、ためる使用後のクリティカルは相当な破壊力です。
ハイエンチャントした「かばう」でダメージを一手に引き受ける壁役にもなれます。
複数攻撃する手段がありませんが、少数の強敵相手には頼れるメンバーです。

・イナホ
アイテム全体化などのサポートできなスキルが多いですが、「ライトニングエッジ」を覚えれば、素早い攻撃役としても運用できます。
手持ちアイテム次第で、敵への状態異常など色々とやれるので、運用次第では面白い使い方ができそうです。

・ベリル
攻撃魔法アタッカーとして活躍しました。
ハイエンチャントしたウォータースプラッシュは、弱点ではない敵へも大ダメージを与えられます。
また、全体攻撃魔法や即死魔法なども使えるため、通常戦闘でも活躍できます。
ただしハイエンチャントすると燃費は悪くなるので、MP残量には注意が必要です。

・ネム
攻撃も回復もこなせる賢者ポジションの強キャラという印象です。
アビリティの「マジックエキスパート」のお陰で、MPの減りはかなり遅く、継戦能力に優れます。
非常に有用な「キュアオール」をはじめ、各種攻撃魔法にも長けています。
常にパーティに入れておいて損はないキャラだと思います。

・ヴュステ
トリッキーなラインナップのスキルが特徴的なキャラクターです。
全体攻撃魔法の「アースシェイク」が使えるので、攻撃手段には困りません。
ハイエンチャントした「ディフェンスアップ」は非常に使い勝手が良く、これだけでパーティの安定感がグッと増します。
バフ役として運用するのが吉だと思います。
リヴァイヴが使えるのも地味に安心です。

水流の迷宮

手強いなと感じ始めた以降のボス戦について、攻略メモを記載していきます。

・ベリル
デッドリーソングでの即死が脅威です。
ネムのセイントアローが良く効くので、回復はオボロと、ネムのキュアオールに頼りながら戦いましょう。

・インヴィディア
ベリルからの連戦となります。
バリアコンパリゾン、パワーコンパリゾンなどで、それぞれ自身より防御力が高いメンバー、攻撃力が高いメンバーに大ダメージを与えてきます。
ダメージを防ぐため、武器や防具を外しておき、こちらのメイン攻撃を魔法に絞れば、あまり気にしなくてよくなります。
メンバーにはベリルとネムを入れておき、単体魔法攻撃をエンチャントで強化しておきましょう。

HPが減ってくると、ライフコンパリゾンで、HP割合が自身よりも高いメンバーに大ダメージを与えてきます(つまりパーティーはほぼ全員が大ダメージ)。
さらに敏捷も増えて、攻撃も激化してきます。
攻撃のスキも少なくなるので、回復を絶やさないように戦いましょう。

日輪のピラミッド

・ヴュステ
テンプテーションで魅了状態にしてくるので、ベリルとオボロのリカバーをエンチャントしておき、すぐに回復できるようにしておきましょう。
アースシェイクなどの全体攻撃も激しいため、キュアオールをエンチャントしたオボロとネムを入れておきたいところです。

・グリーズ、シュタイン、フェルゼン
シュタインにはラディアの「咆哮」が効いて怯ませられる場合があります。
エンチャントした上で咆哮を使えば、そこそこの確率で行動をさせずに済みます。

グリーズはキュアオールを使って全員を回復させることがありますが、頻度としては高くありません。
倒しやすいフェルゼンあたりから攻撃を集中させると良いでしょう。
回復は、主にオボロのキュアオール頼みになると思うので、MP残量には注意しましょう。

賢者の庵

・ブックガーディアン
サイレントシールで沈黙にされると辛いので、オボロには、地下で手に入る沈黙を防ぐ装飾品を装備させましょう。
あとはオボロを回復役にして、余裕のある時は攻撃させていきます。
ラディアは破壊闘気で一気にMPを使い切って、あとは通常攻撃で戦っていきましょう。
跳躍より通常攻撃の方が、クリティカルが出る可能性があるため、効率が良いと感じます。

迷いの森

・旅獣の小屋の後の道の進み方
赤、橙、黄、緑、水色、青、紫、の順で進むと先に進めます。

・なんかカワイイやつ
オボロを回復役にして、ラディアを攻撃に徹しさせます。
回復が間に合わない場合は、ラディアがアイテムで回復させることも大事です。

雲海の山

・アンティスライム×4
物理攻撃は一切効かないため、
ラディアの獅子烈破と、オボロの氷牙突で攻撃しましょう。
短期決戦で倒せるはずです。

・グリーズ
呪いを使ってくるので、事前にカースチェックを装備しておくと良いでしょう。
これを装備していないと、呪いのダメージが非常にキツいです。
さらにダークガードもあるなら、付けておくと闇属性の攻撃を軽減でき、かなり楽になります。

ヒーリングにエンチャント、遠吠えにハイエンチャントして戦いましょう。
灰色の霧を使われると、ステータス上昇はすべて解除されますが、頻繁に使ってくるわけではないので、解除されたらかけ直しましょう。
上昇効果が続いている限りは、かなり安定して戦えます。

虹の神殿

・ヴァイス
レベル30で撃破しましたが、かなりの長期戦になりました。
まずラディアの獅子烈破を使わないと、ダメージが通らないので、獅子烈破を使って結界を破りましょう。
その後はハイエンチャントした破壊闘気と、アビリティの連撃を利用してクリティカルを狙っていきましょう。
リジェネレイトで毎ターン回復してくるため、なるべく攻撃の手を緩めないようにします。

オボロは、ヒーリングとキュアオールにエンチャントして、回復に専念させましょう。
手が空いた時に、攻撃したりMP回復を行いましょう。
MP回復薬をラディアに費やして、破壊闘気で短期決戦を狙うのも良いかもしれません。

・コクヨウ
「自分を信じる」を使えば、ノーコストでHP・MPが回復できます。
HPを高く保ちつつ、慎重に攻撃をしていきましょう。
攻撃は、ハイエンチャントした破壊闘気で問題ありません。

世界の中心

・終末の獣オボロ
沈黙を使ってくるので、全体回復を持つネムはサイレントチェックなどで防護しておきましょう。
HPが66666と多いため、ラディアの破壊闘気やベリルのウォータースプラッシュなど、高威力の技をガンガン使っていきましょう。
高威力の技を数多く使ってくるので、ライフシードやMP回復ナッツ系はたくさん買いだめしておきましょう。

・ノワール
レベル34で撃破です。
HP70000と、非常に多いです。
沈黙を使ってくるため、回復役になるオボロやネムのどちらかでも対策をしておきましょう。
厄介な攻撃を色々としてきますが、火力自体はそれほどでもありません。
オボロとネムのキュアオールでしっかりと回復していきましょう。
攻撃の方は、ネムの聖属性のセイントアロー、ラディアの破壊闘気でガンガン攻撃していきましょう。
前の戦いと同じく、MP回復薬を惜しみなくジャブジャブ使えば、短期決着も可能です。

財宝卿の魔窟

・財宝卿ゴルドン
二人だけで戦うため、事前の回復アイテム買いだめは必須です。
特殊な攻撃はしてきませんが、それなりに回復は必要となります。
タイミングが合った方で回復アイテムを使用し、地道に削っていけば倒せるはずです。
ある程度、ラディアの破壊闘気で大きく削らないと、回復アイテムが尽きてしまう可能性もあります。
たくさん使えるように、MP回復アイテムも揃えておきましょう。

退魔迷宮


このフロアは、青い床を踏むと、固定敵との戦闘になります。
右のフロアと鏡映しになっているので、右を見ながら青い床を避けて移動していきましょう。

・ヴァイス
長期戦を覚悟しましょう。
六重の結界の場合はネムのエレメンタルバースト、白い結界の場合はラディアの獅子烈破で破っていきます。
嫌らしい攻撃は少なく、基本的にはダメージだけを与えてくる技ばかりです。
ただし、「白霆・極」は、単体に3000近くの大ダメージを与えてきます。
戦闘不能にされることも多いと思いますので、ライフシードを買い貯めしたり、リヴァイヴが使えるヴュステを入れておきましょう。

世界の中心

途中の中ボスたちは、倒すとパーティは全回復するので、MP温存は考えなくて大丈夫です。

・ノワール
撃破レベルは40です。
ラディア、オボロ、ベリル、ネムで挑みました。

ラディアはひたすらハイエンチャントした破壊闘気で攻撃する役です。
オボロは主にキュアオールや、ナッツ系でのMP回復役です。
ベリルはハイエンチャントしたウォータースプラッシュと、ハイエンチャントしたリカバーでステータス異常を回復します。
ネムはオボロと同じようにキュアオールとMP回復です。

ノワールは強力な全体攻撃が多いですが、都度キュアオールでこまめに回復すれば問題ありません。
敏捷の関係で、2度連続で行動してくるタイミングなどは、あらかじめ防御などで対応しておくと良いでしょう。
ステータス低下や呪い状態にされてしまった際は、ハイエンチャントしたリカバーで速やかに回復させましょう。
オボロかネムの代わりにヴュステを入れて、ハイエンチャントしたディフェンスアップを使い続けると、より安定して戦えると思います。
ライフシード系やナッツ系を十分用意していれば、それほど苦戦はしないと思います。

感想(ネタバレ有り)

最初は全員がケモノキャラということで、少し違和感もありました。
しかし、そのグラフィックの可愛さやラディアの無邪気さに引き込まれていき、どんどんと好きになっていきました。

物語の展開としては、冷静に考えると、なかなか苛烈な展開だったと思います。
世界を救うとオボロ自身が死んでしまうという展開は、「FF10」のユウナを思い出しました。
世界を取るか親友を取るか、非常に難しい選択です。
キャラクターが可愛らしいからこそ、理不尽な運命に翻弄されるラディアやオボロの悲しさが際立ちました。

仮のエンディングでこの一枚絵が表示されるシーンなど、泣きそうになってしまいました。
この後、仲間たちと協力して、オボロ奪還を決意する辺りは、新たな物語の展開を迎えた感じがしてワクワクしました。

それにしても、登場人物それぞれに見せ場があり、素晴らしい作品だなと感じます。
ラディアとオボロ、イナホとアグニ、ネムとベリルというようにペアを考えたとき、ヴュステだけはペア相手がいないなと感じます(弟分がいるから良いのでしょうが)。
イナホとはちょっと違う感じがしますし・・・

オボロがいなくなったあと、失意のラディアを励ましに来たヴュステの役どころは、不思議と納得してしまいました。
姉御肌キャラだけあって、尻を叩く役目は似合います。


普段、「尊い」という言葉はあまり使わないのですが、この画像の一連のシーンは、尊さを感じてしまいました。
ラディアとオボロの関係性には、親友を超えた尊い絆を感じます。

本作のタイトルの一部である「アルカンシエル」は、フランス語で「虹」を意味する言葉です。
「虹」は、パーティメンバーの7人を表しているのは明白です。
一人一人の色だけでは単色に過ぎませんが、特定の七色が揃えば「虹色」となり、特別な意味を持ちます。
本作では、仲間と共に困難を乗り越えていく中で絆が生まれ、最終的にはその絆で、世界をも救います。
エンディングで表示される一枚絵を見ながら、絆の象徴であるアルカンシエル(=虹)の意味をしみじみと感じ、心地よいプレイ感に浸ることができました。

そのほか、本ブログで紹介しているゲームをまとめた記事はこちらです。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ
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