海外発のインディゲーム「7 Days to End with You」をプレイしました。
全く分からない言語を話す相手と過ごしながら、語句の意味を自分なりに推理して、物語を解釈していく体験を味わえる作品です。
他に類を見ないジャンルの作品ですが、熱中して一通りプレイしてしまいました。
最後は攻略サイトに頼るなどして、クリア時間は約６時間でした。
ゲーム概要
「私」がベッドから目覚めると、目の前に女性がいました。
女性は言葉を話しますが、「私」はその言葉が理解できず、家の中にある文章等の文字も理解することが出来ません。
分からないながらも、単語を自分なりに推理してコミュニケーション取り、ストーリーを追っていくゲームです。
プレイヤーの武器は、単語帳に言葉の意味を記していくということです。
単語の意味はプレイヤーが自由にメモすることができ、その単語がゲーム中で出てきたときはルビに表示されます。
厳密が意味が分からない場合は、「机？」「たぶん窓」「おそらく動詞」など、メモ代わりに使うと良いでしょう。
単語をクリックすると、その単語が使われた場面を回想することが出来るため、あとから意味を推測するのに役立ちます。
エンディングを見て、またゲームを最初から初めても、単語帳はそのまま引き継がれていきます。
プレイヤーの言語理解が進めば進むほど、ストーリーの解像度が増していき、ゲーム開始時とは異なる体験が得られます。
感想（ネタバレ無し）
このゲームが最初に発売されたときから興味は持っていたので、存在自体は知っていました。
しかし購入してプレイすることはなく、それから１年ほど過ぎました。
その後、僕がよく視聴しているYoutubeチャンネル『ゆる言語学ラジオ』の中で実況プレイされているのを見て「あ、これは以前気になっていたあのゲームだ」と気付き、再び気になり始めました。
そして最近また別の紹介記事を読み、やっぱり面白そうだなと感じ、ついに購入へと至りました。
さて、本作をプレイした感想はどうだったかというと、「とても得難い体験をすることができた」ということに尽きます。
面白い・面白くないという軸で語れるほど、同様のジャンルの作品をプレイしたことがないため、どうしてもこういう言い方になってしまいます。
楽しめたかどうかで言うなら、楽しめました。
未知の言語を解読していくというゲーム内容は、一種のパズル・推理ゲームとみなすことも可能でしょう。
ある単語が複数のシーンに登場し、それらのシーンを見比べることで意味を推測し、それを足掛かりに他の単語も推理していくというパズルゲームです。
本作の言語は、真の解答が存在しますので、推測した単語が正しいかどうか検証することは可能です。
しかし、ただ単にパズルゲームとして楽しもうとするのであれば他にも良い作品はある気がします。
他の楽しみ方としては、言葉が通じない異国に行った際のシミュレーションゲームとして楽しむこともできるでしょう。
文字も言葉もわからない状態で、相手のジェスチャーや表情などからニュアンスを感じ取り、何となく意図をくみ取るという体験です。
本作は、主人公の記憶がない状態で始まるため特殊なシチュエーションではありますが、言語無しにコミュニケーションを図ることの難しさが味わえます。
しかし逆に、言葉が分からなくても伝わる「何か」というものも、おぼろげながら感じる気がしました。
本作で説明しやすいゲーム性は、段々と言葉の意味が分かるようになっていくのが楽しいという点です。
そして、各単語がどういう意味を持つかは、攻略サイトを見てしまえば正解が分かってしまいます。
しかし僕は、ゲーム開始時の、手探りで何とかコミュニケーションを取ろうとする試行錯誤のもどかしさや、「ひょっとするとこういう意味なのかな？」という不安感こそが、本作の醍醐味なのではないかと感じます。
単語の意味をどう理解するかは、細かいニュアンスも含めるとプレイヤーによって千差万別でしょう。
そういう意味では、各プレイヤーが本作をプレイすることによる体験は唯一のものとなりますし、各人の解釈こそが正解だと言えます。
単語の意味の正解が分かってしまえば、その後の体験は画一的なものとなり、唯一性は失われてしまうかもしれません。
そういうわけで、本作品はまずは自力でプレイし尽くすことを強くお勧めしたいです。
本作は人を選ぶ作品だと思いますが、わからない状態をわからないなりに楽しめる人には、オススメしたいと思う作品でした。
これ以上自力では進展しないと思ったときに、攻略サイトのヒントを見ることをオススメします。
ヒントを見た後にまた行き詰まってしまい、すべてを終わらせたいと思ったのなら、攻略wikiで単語の解答やエンディング条件を見ていくと良いでしょう。
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