エンバンメイズ(田中一行)最高にオススメしたいダーツ(?)漫画

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「エンバンメイズ」という漫画の魅力について、紹介しようと思います。
逆転や裏のかき合いが最高に面白く、非常にオススメする作品です。
ダーツがメインのテーマというわけではなく、ダーツを題材に裏をかき合う漫画です。

概要

もともとはスマホ内に表示される広告が気になり、読んでみたらかなり面白くそのままハマッてしまった漫画です。
全6巻で既に完結しており、一気に読みきれる長さの漫画です。
おすすめダーツ漫画と書いたものの競技モノの漫画ではなく、心理戦メインの漫画です。

対戦内容は特殊なルールのものばかりで、ダーツというゲームの枠内で、いかに常識に捕らわれない考え方ができるか、というのが重要です。
特にルールで禁止されていること以外は基本何をやってもOKなため、そこを柔軟に考えた発想が非常に面白いです。

あらすじ

「地下に広がる巨大なダーツ競技場を舞台に、巨万の富と、時に命を賭けて闘う裏世界のダーツプレイヤーたち!!
“迷路の悪魔”と呼ばれる、すご腕ダーツプレイヤー・烏丸徨は、冷酷非道な借金取り・神谷を相手に一千万円を賭けてダーツで勝負をすることに。
揺らがぬ心が放つ、必中の矢を武器に烏丸は悪辣非道な対戦相手を脱出不能の迷路へと誘い込む。
刺激が突き刺さる爽快ダーツアクション!! 早くも話題沸騰!! 」

このように序盤は個別エピソードとして、色々な対戦相手と戦っていきます。
中盤以降は、烏丸と因縁のある組織が擁するさらに凶悪なダーツプレイヤーと戦い、組織と対峙する展開になっていきます。

見所

見所は、多彩な対戦相手との、騙し合い・駆け引きです。
ルールが発表され、烏丸がそのルールの裏をかき、対戦相手を迷わせ、自分の望む方向へ誘導するのは見ていて非常に気持ちがいいです。
例えば、第1戦目の対戦ルールは次のようなものです。

(wikiより引用)
・賭け金は1000万円、
敗者は追徴金として更に勝者の総得点×100円を支払う。
・3投×8ラウンドの『カウントアップ』によるゲームで、ゲーム終了時に総得点が高い方が勝者となる。
・8ラウンド終了時に両者の総得点が同点だった場合に限り、サドンデスの1ラウンドを追加して決着が付くまで行う。
・ゲームが始まったらいかなる理由があろうとも、ゲームが終了するまで『プレイヤー』『賭け主』共に会場の外に出ることは出来ない(それ以外の者は自由に出入り可能)。

お互いパーフェクトを取れる人間同士ですから、このルールでは普通にプレイしていても
永久に引き分け続けて勝負は終わらないわけです。
それをどうやって終わらせるか?
主人公の烏丸の作り出す「迷宮」に注目して読んでみてください。

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感想・名言集(ネタバレあり)

基本的には、イライラせずに安心して読めます。
主人公の勝利フラグが立った描写がされると、「どういう展開になるんだろう?」という気持ちよりも「主人公はどう勝つんだろう?」という気持ちになってしまいます。
毎回毎回、ルールの抜け穴を利用したり、与えられたルールを利用して勝利する様は、惚れ惚れします。

最後に、本作品内で個人的に心に残ったセリフをチョイスしていきます。
作品での重要度は関係なく、自分が気に入ったセリフのみです。



・「お客様は神様ですが この場では神であろうとも私どもに服従していただきます」

(絹守一馬 1巻)
いきなり最初が主人公のセリフではないですが、
慇懃無礼でも凄みが感じられ、とても印象に残っています。

・「ここが行き止まり(デッドエンド)だ 」

(烏丸徨)
何度も出てくる決めセリフですが、なんだかしっくり来ないような・・・
でも勝利宣言なので、このセリフが出てくるとどこでも気持ち良いです。

・「君達もやるだろ? 自分より劣った奴のことを見て ”アイツに比べれば”って安心したことはない?
僕がやってるのもソレなんだよ 人よりちょっと・・・ 熱心にやってるだけ ・・・わかるよね?」

(空山蒼治 1巻)
対戦相手のヤバさは、序盤の方が上だったような気がします。
このセリフはわからないでもないので、ちょっと共感してしまいました。

・「・・・ご丁寧にどーも 二度と会わねーから 気ィつかわなくていいぞ」

(烏丸徨 1巻)
烏丸の、こういうさらっと言う尊大な返しができるところはかっこいいですよね。

・「ダーツってさ”満点”があるスポーツなんだ 
だから”満点”を取れる人同士で争うと 競うものは一つしかなくなる・・・つまりね 心が揺らいだ奴から順に 負けていくしかなくなっちゃうんだ」
(華原清六 1巻)

このシーンでは、まだ名前が出ていないキャラです。
満点があるスポーツの本質的な部分を言い当てています。
アーチェリーやボーリングなどでも同じと言えるでしょう。

・「では本日の最終問題 崖から落ちかけてる母親と恋人―助けるならどっち?」
「どうしてもって言うなら 軽いほう」

(烏丸徨 謎の目覚ましの問い対して 1巻)
HUNTER×HUNTERのクラピカもびっくりの回答。
烏丸の強い心を表す一言です。
当時はまだ表面的な強さだったわけですが。

・「別に迷ったっていいだろ 道は1本だけじゃないんだ」

(烏丸徨 1巻)
人間味のある言葉。
この漫画では、烏丸が冷徹だというように徹していないので、甘く見えるけど甘くない、みたいな感じに思いました。

・「ようやく気付いたか? アンタ 今 迷路の中だ」

(烏丸徨 2巻)
清六との対戦中。
優位に立っていると思っている相手に、ドヤ顔かまして突き落とすのはやはり気持ちいいです。

・「1回限りとは 誰も言っていませんよね?」
・「ここが ”行き止まり(デッドエンド)”でしょう?」

(絹守一馬 3巻)
絹守さん活躍の回。
彼もまた違う意味で超一流という、見せ場を作ってくれました。

・「でも なーんかおかしいな こんなところで外す腕なら とっくの昔にオレは死んでる」
(烏丸徨 3巻)
自分のダーツが刺さらず、イカサマを確信した烏丸。
凄みを感じさせる格好いいセリフです。

・「アンタは”亀”だ 昔話の話じゃなく そのまんま”ノロマ”って意味だぜ?
今からそれを証明してやるよ」

(烏丸徨 3巻)
この展開はカッコいい。
どうやって勝つのだろうと思ったが、そういうことだったのかと。

・「間違いを認めよう 烏丸徨 お前のくだらん曲芸には価値がある
こんな気持ちは初めてだよ 私は今 とても楽しい」

(志道 都 4巻)
敵ながら、潔い考え方のミヤコ氏。
間違いを反省する敵キャラは味方になるフラグ。

・「負けた相手の勝利を祝うのか 悪くない苦痛だ」
(志道 都 4巻)
心の中では相手を認めているから、こういう言葉が出てくる。
コート姿で髪を下ろしていると、男前でカッコいいです。
みんなでパーティを楽しんでいるのが描かれるいいシーンです。

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