草野球の醍醐味のひとつに、道具を買うというのがあります。
グラブやバット、ユニフォームなど、個々人のこだわりというのが出てくる部分だと思います。
今回は、バットの選ぶ際に考慮する点について考えてみようと思います。
素材
バットの素材は細かく分けると色々ありますが、「飛ぶバット」と言われる特殊な素材と、それ以外の2つに分けると分かりやすいと思います。
飛ぶ素材
「ビヨンドマックス」などに代表されるウレタン系の柔らかいタイプと、「カタリスト」などの硬い金属タイプに分けられます。
どちらも価格帯が定価35,000円~40,000円と、かなり高価です。
硬式野球経験者はビヨンドの鈍い打感よりも、カタリストなどの硬い打感の方がフィーリングに合っているという意見をよく聞きます。
ビヨンド系の利点は、打球の勢いの減衰が少ないことにあると思います。
大きなフライを打つタイプのバッターなら、飛距離が伸びることはまず間違いないと感じます。
カタリストなどの金属タイプの利点は、初速の速さにあると思います。
つまりゴロやライナーで打ったときの初速が速く、内野を抜くチャンスが増えると感じます。
それぞれ「飛ぶ」ことには間違いないですが、そのメカニズムには違う点があります。
個人的には、アベレージヒッタータイプは飛ぶ金属系、パワーヒッターはビヨンド系がオススメだと思っています。
その他の素材
カーボン、アルミ合金、超々ジェラルミンなどで出来た金属バットです。
価格帯は定価10,000~20,000くらいのものです。
軽いモデルも多く出ており、とにかく種類が豊富です。
まずはこちらのバットから始めるのも、決して悪くないと思います。
特にアルミ合金は飛距離は出ませんが、軽くて使いやすいものが多いので入門用に適しています。
重さ
バットの重さは、かなり大事なポイントです。
当然ですが、重ければ重いほど飛距離は伸びます。
しかし、スイングスピードが落ちると飛距離が落ちる原因にもなり、インコースの速球に対応できなくなるなどのデメリットもあります。
運動エネルギーは「速さの2乗×重さ」で決まることから、スイングスピード(速さ)の方が、バットの重さより重要であると考えられます。
そのため、やや軽いと思うくらいのものを選ぶほうがメリットが大きいといえます。
スイングスピードを計測する機会はあまりないと思いますが、バットの重さを10g上げて、スイングスピードの減少が約0.85km/h以下であるなら、運動エネルギーとしてはプラスになります。
ただスイングスピードが下がると、ボールを見ていられる時間は必ず減るため、別の要因でのデメリットは増えます。
バランス
トップバランス、ミドルバランス、カウンターバランスと、それぞれバットの先、中ほど、手元と、重心の位置が異なるバランスが存在します。
好みもあると思いますが、基本的には、自分が重いと感じているバットならトップバランス、自分が軽いと思っているならカウンターバランスにしたほうが良いのではと思っています。
理由としては、先端に重心があればあるほど、バット自身の重さで振り抜きやすいからです。
バットコントロールの点から言うと、トップバランスが一番コントロールはしづらいと言えます。
カウンターバランスは、バットコントロールがしやすい分、自分自身の力でしっかりと振りぬくことが必要になってきます。
長さ
長さは、83cmか84cmがほとんどだと思います。
これは一長一短あるので、好みで選んでいいです。
強いて言うなら、長いバットの方がおすすめです。
理由は、長いバットを少し短く持てば短くすることができますが、その逆は出来ないからです。
まとめ
まとめると、バットのほとんどの要素はトレードオフの関係にあります。
すなわち、バットコントロールを取るか、パワーを取るか、ということです。
最初のうちは、どちらかに特化したバットというのはあまりおすすめしません。
バットは使っていくうちに自分なりのこだわりが出てきて、自然に決まっていくものだと思っています。
そしてバットはあくまでも道具であり、一番重要なのは、それを使う人間の技術だということも忘れてはいけません。