米澤穂信 おすすめ作品 古典部シリーズ

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僕の好きなミステリ作家、米澤穂信さんの古典部シリーズについて、感想や紹介をしていきます。
なるべくネタバレはしないように心がけていきます。

 

 

古典部シリーズ

アニメ化や漫画化されているので、おそらく知名度では1番ではないでしょうか。
他には、「インシテミル」が藤原竜也さん主演で映画化されているくらいだと思います。
実はこの作品が、アニメでやっていたのは知っていたのですが、その時点では米澤穂信さんという作者を知らなかったです。
初めて米澤穂信さんの作品に触れたのは「儚い羊たちの祝宴」で、それを読んで面白かったため、古典部シリーズを手に取ってみました。
「儚い羊たちの祝宴」で、ダークな内容を書いていた人が、あんな可愛らしい絵柄の「氷菓」で、どんなストーリーを書いているのだろうと、それが非常に気になり読んでみました。

結果、内容は非常に楽しめました。
そして「ああ、やっぱりこの人の作品なんだな」と感じたのを覚えています。
舞台は高校、やれやれ系主人公、漫画のような設定のキャラクターなど、材料はよくあるものが揃っているのに、やっていることはしっかりミステリーです。

各作品も、「ああ良かった!めでたしめでたし」という終わりではありません。
別にバッドエンドというわけではありませんが、登場人物たちのどこか諦めたような達観したような考え方が、読み手の心をざわつかせます。

「氷菓」、「愚者のエンドロール」、「クドリャフカの順番」、「遠まわりする雛」と、もし読むのであれば、この順番に読むのがおすすめです。
これらのシリーズでは、キャラクターや設定を使い捨てにせず、後の作品でもしっかり出てくるところがいいです。
漫画やアニメでも製作され、知名度はかなり上がったと思います。
アニメも出来がいいので、小説派の人にも視聴をオススメします。

 

氷菓

「氷菓」は、基本的には1話完結ですが、小さな事件がいくつか続き、最終的に大きな謎を解いていくという流れです。
主人公の折木奉太郎と、ヒロインの千反田えるが出会うエピソードや、そして友人である福部里志、伊原摩耶花らも絡みながら、主要人物の四人が事件に臨む姿が描かれます。
一見何気ない「日常の謎」を、やれやれといいながら解き明かしてみせる主人公は、S&Mシリーズの犀川先生のようです(もっとも、犀川先生ほど闇は深くありませんが)。
一見、学園モノではありますが、笑顔ばかりの話ではありません。
最後まで読み終えたとき、「氷菓」というタイトルに、あなたはどんな感想を抱くでしょうか?

愚者のエンドロール

個人的にはこの2作目である「愚者のエンドロール」が、一番好きでした。
ゲームでいうなら、スタッフロールが流れた後に、まだ続くような、ドキドキ感、不安感がたまらないです。
最初の解決も十分面白かったですが、その後の真の解決に向かう伏線も、非常に論理的で特にお気に入りの作品です。
探偵役である主人公が、鋭いがゆえに、気付かなくてもいいことまで気付いてしまうのが悲劇であると言えます。

クドリャフカの順番

「クドリャフカの順番」は、サウンドノベル「街」「428」を彷彿とさせるような、主要キャラの群像劇になっているのが特徴です。
それぞれの登場人物が得た手がかりや情報が奉太郎に集まっていき、パズルが完成していく様子はとても鮮やかです。
文化祭が舞台なので、一見軽いノリのように見えます。
ご都合主義な展開も多いですが、許容できるレベルだと思います。

まさか犯人も、真相を推理できる人間が出てくるとは思わなかったでしょう。
最後の推理シーンは、まさにミステリーの解決編といった様相です。

 

遠回りする雛

「遠まわりする雛」は、短編集となっており、基本的には1話ずつ解決します。
季節を感じさせるエピソードが多く、作品が始まってからの時間経過を感じさせます。
どの内容も「日常の謎」を中心とした題材となっており、穏やかな気持ちで読めます。
奉太郎とえるの距離が、縮まりそうで縮まらないところが、古典部シリーズの良いところなのかもしれません。

 

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