さて、ディーラーの仕事について、これまでいくつか記事を書いてきました。
今回はその中で、整形外科分野について、具体的に書いていこうと思います。
医学的に正確なことを書いているわけではなく、ディーラーの仕事内容として、この部位の症例についてはこういうことをイメージするという内容です。
今回は上肢、つまり上半身の手術で準備する可能性があるものなどを書いていこうと思います。
鎖骨
鎖骨の骨折の手術は、ワイヤー固定などで終わるものが多いですが、中にはプレートでの骨接合が必要になる場合があります。
遠位であればフックプレートなど、骨幹部であればプレートを使うことがあります。
どちらも左右の区別があることが多いので、注意が必要です。
上腕骨
上腕骨近位端骨折は高齢女性に多い骨折で、保存療法が中心ですが、近位端骨折用の髄内釘が必要になる場合があります。
上腕近位骨幹部であれば、髄内釘あるいは上腕近位用プレートの場合もあります。
病院ごとに手術適応となる場合の方針が定まっていると思いますので、それほど迷うことはないのかなと思います。
肘
肘と一言で言っても、上腕遠位・肘頭・尺骨近位なども指すことがあります。
この部位の骨折は様々なパターンがあり、特に骨片が細かく散らばっている場合は、色々な種類の準備が要求されることが多いです。
上腕遠位であれば、専用のプレート、または3.0/3.5mmくらいのCCS(キャニュレイテッド・キャンセラス・スクリュー)などを使用します。
肘頭骨折であれば、小児はワイヤー固定で終わりますが、高齢者などではワイヤーでうまくいかない場合に、プレート固定を行うこともあります。
また、これらのプレートを使用せず、ハーバードスクリュー(両端ネジ)やCCS、ワイヤーなどの組み合わせ、あるいは創外固定なども行う場合があります。
靱帯縫合なども同時に行うのであれば、2.8mm~3.5mmくらいのアンカー(錨付きの糸)なども必要となることもあります。
肘の部位は、病院の方針、ドクターの考え方、骨折の状態によって、ケースバイケースになることが多く、予備的な手配も多くなりがちな印象があります。
準備する物品も多くなりがちですが、頑張りどころです。
前腕
具体的には、橈骨遠位端骨折が圧倒的な割合を占めます。
転倒して手を突いてしまった場合、手首に荷重が掛かって折れてしまいます。
不安定型骨折(骨折部が転位してしまう)の場合や関節内骨折の場合、橈骨遠位端用のプレートを使用します。
かなり多い骨折のため、受傷後早い段階で行うことが多く、割と緊急度合がやや高く手配頻度も多いです。
他に、橈骨骨幹部と尺骨骨幹部の骨折も、緊急手術で行うことは多いです。
その場合は、まっすぐのストレートタイプのプレートを使用する場合が多いです。
若年者などで抜釘が前提なら、ロッキングスクリューではなくコーティカルスクリューで固定することが多いように感じます。
舟状骨
手首と各手指を繋ぐ辺りに位置する、舟のような形の骨です。
捻挫と思っていて、本人も見逃して偽関節化することが多い部分です。
血行が悪く直りにくい場所のため、程度に応じてハーバードタイプのスクリュー(両端ネジ)で治療します。
元中日ドラゴンズの和田選手が、デッドボールでこの部位を骨折したことが、記憶に新しいです。
手指
指の骨折は、ほとんどワイヤーなどで行うことが多いですが、ミニスクリューやプレートを使用することがあります。
しかし近年、指用スクリューやプレートの貸出を行う大手メーカーが少なくなってきているため、購入していない病院への貸出は、かなり難しくなってきています。
指の靱帯縫合などを行う際に、アンカーの依頼がある場合もあります。
まとめ
整形外科の症例は、ほぼパターン化している部位と、ケースバイケースの部位があります。
先入観や思い込みで判断せず、ドクターにきちんと必要になりそうなものを聞き出す力が求められると思います。
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