長編シミュレーションRPG「ガードンの道」をプレイさせていただきました。
数あるシミュレーションRPGの中でも、主人公が禿頭のおじさんという作品は、かつて無かったのではないでしょうか。
本作の特徴の一つとして、渋いおじさま達が大勢登場し、活躍するという点があります。
本作の主人公・ガードンは勇者のように世界を救ったり、強大な帝国を打倒するわけではありません。
受ける依頼はひたすら、人々を苦しめる山賊や盗賊を討伐するという内容です。
賊の被害に苦しむ人々を助けていくのは、地道でも、必ず誰かがやらなければいけない仕事です。
本作「ガードンの道」は、華々しいヒーローとは一味違った「英雄」の姿を描いている作品だと思います。
クリア時間は約23時間でした。
難易度はそれほど高くないと感じました。
ダウンロードはこちら(「ふりーむ!」作品ページ)
ゲーム概要
あらすじ
セズベルという国に海路でやってきた戦士ガードンは、この国の治安が、賊によって非常に悪くなっていることを知ります。
その膨大な数の討伐依頼を見たガードンは、冒険者として、これらの依頼を受けていくことを決めます。
ギルドで、同じように依頼を受けようとしている冒険者・ハーミーと出会い、二人はパーティを組むことになります。
様々な冒険者たちと協力しながら、セズベル国の賊を根絶やしにするため、ガードンの長い道が始まります。
作品の特徴
本作の特に大きな特徴は、以下の点だと思います。
・主要キャラは4人であるという点
・ゲストユニットやNPCが多いという点
・全体的に敵の数が多いという点
本作は、シミュレーションRPGですが、いくつか特徴があります。
まず、自軍ユニットについてです。
基本的に、メインユニットは4人だけですので、この4人を育てていけば問題ありません。
誰を育てるか迷いながら進めていくのはSRPGの醍醐味の一つですが、本作では選択の余地はありません。
迷わなくて良いという意味では、思い切ったゲームデザインだと思います。
ちなみに、あまり意識する必要はありませんが、本作のストーリーは「章」という大きな区分と、「話」という小さな区分で分けられています。
依頼ごとに「話」が割り振られ、「話」には3~4マップほどの内容があるイメージです。
依頼を果たすにあたって、一緒に協力する冒険者たちや、たまたま同じタイミングで賊討伐に向かった王国軍など、ゲストユニットが多く登場します。
大体は「話」で一区切りするので、話が変わるとゲストも変わることが多いです。
ゲストユニットのレベルが上がっても、しばらく後に再登場する際には、また新たなレベルに再設定されて登場します。
したがって、ゲストユニットに経験値を与えるのは、あまり意味がないということになります。
しかし、メインユニットは自然と育っていくバランスなので、わざわざ手間をかけて、メインユニットにトドメを刺させるということまではしなくても良いでしょう。
ゲストユニットは、それぞれ強力な武器を持っていることが多いです。
武器を使い切って壊してしまっても、再登場するときには復活しているので、節約をする必要はありません。
存分に専用武器を使わせましょう。
そのほかの特徴としては、敵の数が総じて多いということです。
増援もそれなりに多く、ゲームを進めていけば進めていくほど、マップ攻略にはそれなりの時間が掛かると思います。
ただし、ボス以外の敵はそれほど強くなく、囲まれたりしなければ、あまり恐れることはありません。
基本的にはサクサク倒せるので、敵の数がどんどん減っていくのを見るのは、気持ち良いものがあります。
こちら側のユニットが、1対1で負けることはあまりありませんが、敵の集団に囲まれると危険です。
そういう意味では、群れると恐ろしい賊の怖さがよくわかるゲームだと思います。
敵は秩序のある軍隊ではないので、わらわらと無軌道に向かってくることが多いです。
そのため、こちらは陣形や戦術などで工夫して、賢く戦うことで数的有利をひっくり返していくのが面白い点です。
ユニットが多いマップでは、PCの性能により、処理が遅くなる場合もあります。
不用意にスキップをすると、見た目上、画面が停まってしまうこともあるので、注意が必要です。
自分の場合、一瞬、ウィンドウに「応答なし」と出たことはありますが、ごちゃごちゃ触れずにいれば、ちゃんと動き出します。
ゲームの進行が止まってしまったことはありません。
感想(ネタバレあり)
久々に、がっつりとしたシミュレーションRPGを、腰を据えてプレイしました。
魔王や邪悪な竜を倒すわけでもなく、ひたすら山賊たちを倒していくストーリーは、華やかではなくても、新鮮に感じられました。
ガードンの過去は断片的に推測できる部分がありますが、大枠では謎が多いです。
続編へと続く流れのエンディングなので、もし次回作が作られるなら、そこで語られるかもしれません。
基本は物静かで紳士なガードンですが、怒りを見せるときはその分、凄みが感じられます。
傭兵団はまだしも、賊は基本的に清々しいほどの悪人が多いので、気持ちよかったです。
各キャラのエピローグはあっさり目ですが、普段から出会いと別れが多い冒険者たちなので、その辺りの割り切りは出来ているのかな、と感じられました。
依頼ごとに、新たなゲストに変わることが多いので、顔ぶれが変わって新鮮な気持ちでプレイすることができたと思います。
組む相手のパーティーも、ストーリーの進行に従って、離脱や加入などにより顔ぶれが変わっていたりするので、別のパーティの背景も想像が掻き立てられて良かったです。
例えるなら「サガ・フロンティア2」のウィル編のように、基本的な顔ぶれは一緒でも、少しずつ顔ぶれが変わったりします。
他の冒険者たちも、それぞれ色々と仕事を頑張っているんだな、という気持ちになりました。
ゲームの難易度としては、それほど高くはないと思います。
ゲストユニットも大勢いますし、傭兵団が登場するまでは、こちらの方が個々の能力は高いため、サクサク無双できるのが快感でした。
中盤以降になると、さすがに、こちらも考え無しでは手こずるようになっていきます。
後半は、操作可能ユニットやNPCが多くなっていくにつれて、敵の数も膨大に増えていきます。
そうなると、ユニットを操作するのも大変で、面倒になってくる場面もありました。
しかし、NPCも数が多く頼りになるので、放っておいても勝手に敵の数を結構減らしてくれたりします。
そういう意味で、少々雑な進め方をしても攻略できるのは、ある意味良かったと思います。
このユニット数で緻密な進軍を求められると、さすがに1マップのクリア時間が掛かりすぎてしまうので、そこは助かりました。
以下、特に印象に残ったゲストユニットについて、気ままに書いていきます。
・コノーキ
多分、髪形がキノコっぽいから、この名前なのかなと思います。
別段、強いユニットではありませんが、かなり序盤から最終盤まで登場するので、妙な愛着がありました。
賊の討伐に行くたびに登場してくるので、当初は、王国軍と賊が繋がっているのかなと勘繰ってしまいましたが、そんなことはありませんでした。
悪人面なので、どうやら誤解してしまったようです。
・オーズ
序盤に登場するキャラは、やはり印象にも強く残るようです。
こちらも取り立てて強力なユニットという訳ではありませんが、ベテラン冒険者の筆頭というイメージで記憶に残っています。
たまに出る防御力無視のスキルが、後半の硬い敵には有効でした。
・ナタリー
この作品での、数少ないキレイどころ。
スピードを重視した戦闘スタイルで、たまに出る連撃がありがたかったです。
・ヨラスビー
この殺伐とした世界設定で、齢70まで冒険者として生き残り続けたベテランです。
ドワーフのような風貌と同様、専用の戦槌による攻撃が強力で、タフなステータスです。
オーズと同じく、防御無視のスキルが発動すると固い敵に有効なので、後半でも割と有用でした。
・フォーザ
バロック音楽時代の作曲家のような風貌ですが、おそらく全味方ユニットの中では最強の存在です。
その実力のせいか、不思議と格好良く見えてくるのが面白いところです。
攻撃力、防御力ともに優れており、ピンチに陥った記憶はありませんでした。
・ノーラ
グレンと共に登場する魔法系ユニットです。
貴重な射程5の長距離魔法に、近距離の強力な魔法、そして杖による回復までこなせる、有能なユニットです。
唯一耐久が低いのが弱点ですが、常に何かしら出来ることがあるので、とても忙しいです。
・ミラー
登場回数は多くありませんが、弓が使える王国軍のゲストとして印象に残っています。
それほど攻撃力が高いわけではありませんが、やはり射程が長いユニットがいると、色々なところで役に立ちます。
・セルス
隊がいつも全滅してしまうという、死神サンダースのような設定を持つキャラです。
騎馬ユニットという点と、非常に高い攻撃力の突撃槍で、ガードン級に頼れるユニットでした。
・レシェリス
最初は性別不明で、おばさんかとも思いましたが、口調などから推測すると、男なのだろうと思います(確証はありませんが)。
セルスと同じように、高い攻撃力と機動力を兼ね備えた優秀なアタッカーで、頼りになりました。
やや撃たれ弱いのがネックです。
・マーベイ
特別強いわけではなく平凡なユニットですが、苦労している場面が多く、かなり感情移入してしまい、印象に残っているユニットです。
最初は敵に囲まれてピンチでしたが、ガードンと同行して、最終的には報酬も得られました。
途中で死んでしまってもおかしくないと感じていましたが、生き延びることができて良かったです。
攻略メモ(ネタバレ注意)
本作は、それほど難しい作品ではありません。
ターン制限があるマップは基本的にありませんし、じっくり好きなように進軍を考えることができます。
友軍と歩調を合わせながら、大勢の敵に囲まれないように進めていけば、問題ないと思います。
・マップ数について
本作のマップ数はかなり多いです。
章や話の数をまとめたので、ゲームの進行状況の目安にしてください。
セーブデータを見ながら数えていったので、ひょっとすると抜けがあるかもしれません。
・専用武器について
各ユニットは、専用武器を最初から所持しており、どれもかなり強力です。
耐久力を回復させるアイテムもぼちぼち手に入るので、出し惜しみせずに使っていくと良いと思います。
具体的には、あと少しの攻撃でその敵を撃破できるというタイミングであれば、積極的に使っていきましょう。
仮に使い切ってしまっても、壊れた武器として手元に残ります。
さらに、終盤に購入できる「良質」シリーズの武器は、そこそこ強いです。
早々に専用武器を使い切ってしまっても、詰んでしまうということは全くないので、安心して使いましょう。
・第9章 第十一話-6(ラスト直前ステージ)
最終マップの一つ前のステージです。
このマップは、全てのマップの中で、唯一手強いと感じました。
この白い円で囲っている範囲に、味方操作ユニットが侵入すると、脇から増援が大勢出てきます。
自分で操作できないNPCであれば、侵入しても増援のスイッチは入りません。
そのため、ここに侵入する直前に味方を集めて立て直し、そのあと一気にボスまで全員で向かいましょう。
階段を昇るとさらに増援が現れますが、気にせずボスのもとに向かって倒してしまいましょう。
さすがに全部倒しながら進めていくのは大変ですし、NPCの武器も持たなくなってきます。
ここをクリアすれば、次のマップは少数同士の戦いなので、かなり楽です。
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コメント
おおー、推そうかと思って止めておいた作品でしたがやはりプレイしておられましたか
ググっても記事が無いから合計で何マップあるかわからないのでキツイことキツイこと。 気力と時間の兼ね合いで少しづつプレイして今は大きめの農村辺りです
40%でボスをもバッサリやっちゃうフォーザさん素敵、抱いて!
硬派っぽい内容で好みだったので、面白そうだなと思いプレイしました。
華やかさは控えめなので、万人向けではないかもしれませんね。
マップ開始時は敵の数が多くうんざりすることもありますが、いざ始まってしまうと、パズルゲームのように没頭してしまうことが多いです。
フォーザさんは本当に素敵ですよね。
セリフにも歴戦の勇士感が出ていて好きです。
一時期公開停止されておりましたが、再び落とせるようになっておりますね
情報ありがとうございます、確認いたしました。
早速修正しました!