昔、自分が刑法を専門に学んでいたこともあり、タイトルに惹かれてプレイしてしまいました。
フリーゲームでは珍しく、裁判を題材にした作品です。
とはいっても重苦しい雰囲気ではなく、軽いノリで楽しめる作品です。
軽いながらもプレイヤーに考えさせるテーマ性もあり、コンパクトにまとまっている作品です。
プレイ時間は30分ほどです。
裁判長!どうしますか?
あらすじ
皇帝である勇者より、「特別裁判官」に任命された主人公のトワコが、3つの事件の判決に臨んでいくというストーリーです。
「特別裁判官」とは、現行法も判例も関係なく、思うがままに判決を決められる権限を持った職です。
勇者による国の改革のパフォーマンスの一環として、生真面目で高潔な人物であるトワコに白羽の矢が立ちましたが、果たして・・・。
ゲーム概要
基本的には、文章を読み進めていき、選択肢を選ぶだけのゲームです。
選んだ選択肢によって、エンディングが複数に分岐します。
途中、ミニゲーム的に戦闘はあったりしますが、ゲームの本質とは関係ありません。
少し下ネタが多めの印象がありますので、性的なネタが苦手な人はご注意ください。
分岐によって多少展開が変わりますが、クリア後のオマケ部屋で、別の選択肢を選ぶとどうなるのかすべて試すことができます。
そのため繰り返しのプレイやセーブ・ロードを繰り返すという必要はなく、ストレスフリーに楽しむことができます。
感想
ニュースを見ながら「自分だったらこうするのにな」という裁判官の疑似体験が出来て、とても面白かったです。
実際にあった事件をモチーフに作られており、判断が難しいものもあります。
どの判決を選んでも、誰かしらからは批判を受けるので、人を裁くことの難しさが体験できます。
逆に、どんな滅茶苦茶な判決を下しても、それが許されるゲームなので、権力を振りかざす独裁的な快感も覚えました。
全体的にライトなノリですが、色々と考えさせられるテーマであり、なかなか面白い試みの作品でした。
「逆転裁判シリーズ」などは、裁判が舞台になっている推理アドベンチャーですので、それとはまったく異なるテーマです。
逆転裁判は僕も大好きですが、あのゲームで裁判が分かった気になるのは、少し違うと思っています。
本作と関連して、似たようなタイトルの漫画で「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」(北尾トロ氏)というもの存在します。
この作品も、原作者が実際に起きた事件について裁判を傍聴して作品にしているので、リアルな裁判が感じ取れます。
ハッピーエンドもバッドエンドもない、ただただ淡々とした現実(もちろんエンターテイメントとして多少味付けはされているにせよ)を知ることができ、こちらもお勧めです。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ
コメント