刺激的なタイトルに心惹かれる、育成シミュレーションゲーム「勇者をブッ潰せ」の紹介です。
名作SRPG「グレイメルカ」を生んだサークル「シニカルとレトリック」の作品だけに、かなり楽しむことができました。
勇者を目指して育てる訳ではなく、勇者を倒すために育てるという、少し変わった目的のゲームです。
本作はリメイク作品で、自分も昔、プレイしたことがありました。
その時とはキャラクターやグラフィックも一新されているので、非常に新鮮な気持ちで楽しめました。
勇者をブッ潰せ(「ふりーむ!」作品ページ)
目次
ゲーム概要
幼馴染である勇者ルサリから、もう一人の幼馴染・トシンを奪う(振り向かせる)ため、凡人であるエトを育て上げていく育成シミュレーションゲームです。
謎の人物・ギルフィートの指導のもと、限られた期間で各種パラメータを上げていくことになります。
最終的にはルサリを倒すことが目的ですが、途中知り合う人物によっては、個別ルートに入ったりします。
最初のプレイのクリア時間は2~3時間程度ですが、様々なルートやエンディングを見るためには、何度か繰り返しプレイする必要があります。
物語全体の謎を解明するためには、すべてのキャラクターの個別エンディングまでは見ておきたいところです。
メイン画面は、必要な情報が一目でわかるようになっています。
基本的なゲームの流れとしては、月~金の訓練をしてパラメータを上げ、土日は街に出てイベントを発生させる、という感じです。
適度に休養をしないと病気状態になり、休養しかできない状態になってしまいます。
無理せず、計画的にスケジュールを組んでいくことが大事です。
各種訓練は、あるパラメータが上がれば別のパラメータが下がるというものばかりです。
そのため、上手いこと補い合うような組み合わせをして、全体としてはプラスになるように育てていく必要があります。
ギルドを訪問すると「魅力」の値に応じて、色々な種類のスウラ(モンスター)と戦うことができます。
スウラを倒すとで報酬のお金を得ることができます。
お金によって、武器や盾を購入したり、有用なアイテムを購入することができます。
武器や盾は、購入時の値段も売却時の値段が変わらないため、気軽に買い替えることができます。
アイテムはどれも役立つものばかりなので、お金の重要性は割と高いと言えるでしょう。
戦闘は、半リアルタイムのコマンドバトルに、タイミング要素を組みこんだものになっています。
素早さが高ければ高いほど行動ゲージが溜まるのが早く、スピードが大事な要素になっています。
そして相手に攻撃する際に表示される、大きい円が小さくなるエフェクトが出現し、出来るだけ小さな円の時にクリックすることで、より大きなダメージを与えることができます。
パラメータの高さがダイレクトに物を言う戦闘バランスなので、強い敵にはまったく歯が立たないですが、自分自身の成長も感じやすい印象を受けました。
感想(ネタバレ無し)
よくあるタイプの育成シミュレーションでしたが、全体的にクオリティはかなり高く、とても面白かったです。
エンディングの数は多いですが、取ってつけたようなものではなく、それぞれが一つのシナリオとして完成されており、ボリュームもありました。
登場する人物(主に女性陣)も、個性的で魅力がありました。
個別ルートでは「あれ、これって恋愛シミュレーションだっけ?」と思うような、顔がニヤけてしまうような展開もあり、久しぶりの感覚でした。
ゲーム自体は、慣れればサクサク進めることができるので、ストレスも少なめでした。
ルートによってはギルドにたくさん通って、モンスター狩りをしなくてはいけないのですが、それが少し面倒です。
しかし、一部のルートを回収する際に必要なだけなので、許容範囲内ではあります。
少しでも気になった人は、プレイしてみてはいかがでしょうか。
キャラクター別の感想(ネタバレ有り)
・エト
鬱屈したタイプの主人公ですが共感することができました。
ルートによっては狂気に囚われたりしますが、基本的にはお人よしで優しい青年です。
凡人が物凄い力を身に付けていく過程は、ありふれた展開ながらも、爽快感がありました。
ギルフィートとの掛け合いなど、笑わせてもらう部分も多かったです。
・ルサリ
エトから見れば、そりゃ嫌な奴だよなという感じです。
しかし本人はそこまで悪いわけでもないですし、ある意味可哀想な役回りが多いキャラという感じでした。
決して悪い奴ではないですし、自分の過ちを認めてエトに謝罪したりもしますし、嫌いではありません。
1周目で、勇者って本当に強いんだなと思い知らされました。
周回プレイだと、ルサリを超えて当たり前くらいのハードルになるのが寂しいところです。
・トシン
個人的には好きでも嫌いでもありませんが、嫌われそうなキャラだなとは感じました。
イメージとしては、機動戦士ガンダム0083のニナのような、優柔不断な感じです。
ただ、自分が嫌な女だという自覚があるあたりは好感が持てました。
・ラレイ
キャラクター的には一番好きかもしれません。
先入観を持たず、認めた人間に対しては誠実ですし、不器用な感じも好ポイントです。
ギルフィートにアドバイスを受けてから、エトに対してなるべく素直に振舞うところなど、グッときます。
エトはラレイと結婚するべき。
・クテルシィ
個別ルートに入るためにかなりの戦闘をこなさなければいけないため、結構大変でした。
ラレイと似た感じの性格に思いましたが、こちらの方が素直でした。
ドレスは正直、ちょっと似合わないかなと感じましたが、エンディングの一枚絵では、少女に戻ったように見えて良かったです。
・チェカ
天真爛漫と捉えるか、腹黒いと捉えるかで好き嫌いが変わってきます。
しかしおばあちゃんが亡くなってしまうのは、素直に可哀想だなと感じました。
・キャルスト
トゥルールートととでもいえる個別ルートを担っているだけに、結構関わることが多かったです。
女性キャラとしては、見た目通りな感じです。
・ギルフィート
まさかの正体に驚きました。
ちょくちょくギャグっぽい言動やお茶目なところがあるので、かなり好きです。
ハーレムルートなどの「はい回答でました!」とか唐突で面白いです。
・フィアネル
独りぼっちなのが可哀想で、チェコより庇護欲を掻き立てられます。
個別ルートの最後の選択肢で、大人しく連行されるを選ぶと、かなり後味が悪く悲しい気持ちになってしまいます。
ハーレムルートでは結構押しが強いなと感じました。
というかこの作品の女性陣はみんなクセが凄いのだがそれがいい。
・ジェイル
ザ・裏ボスという感じで、裏ルートの最後を飾ってくれました。
自分の欲に忠実なところと、ルサリを犠牲にした時も「前向きな選択ではないが仕方ない」というあたり、リアルな感情が伝わってきて良かったです。
癒手が凶悪で、タイミングよく畳みかけないと永遠に倒せません。
結構苦労しました。
攻略メモ
公式ホームページ(2024年5月時点では閉鎖中)で、各エンディングの条件やイベントの情報が載っているので、2周目からは参考にするとプレイしやすいと思います。
ただし、具体的な攻略法については書いてないので、個人的なコツをメモしていこうと思います。
あくまで自分はこうやったという方法なので、色々と方法はあるかと思います。
まず知力をMAXにする+ジュピキタシアゲット
あるパラメータが上がる訓練を行うと、別のパラメータは下がります。
しかし、知力だけはどんな訓練を行なっても下がりません。
そこに注目して、自分の場合はまず「文学勉強」と「戦術勉強」の組み合わせを繰り返します。
知力とMP以外は下がりますが、パラメータの下限があるため、1以下にはならないのがミソです。
休憩を適度に織り交ぜて、病気にならないように注意しましょう。
そして、土日は買い物に行き、道具屋と「話をする」を選び続けましょう。
知力とMPも大きく上がりますし、10種類の話を全て聞けば、ジュピキタシアが手に入ります。
これにより頑丈さ+380、魅力+310に底上げされるため、ギルドで選べるモンスターが増え、ある程度の守備力も得ることができます。
自分の場合、残り59週でこの状態になりました。
スウラ狩りでお金稼ぎ+HP回復
次の目標は、お金をある程度稼げるようにして、集中ドリンクを常用できるような状態に持っていくことです。
そのためには腕力と頑丈さ、脚力を上げていく必要があります。
ジュピキタシアで頑丈さはある程度強化されているため、剣術稽古とジョギングの組み合わせをしばらく続けます。
クテルシィのルートを目指すなら、休日はこまめにギルドに通い、まずは倒せるレベルのスウラの撃破数を稼いでいきましょう。
この際、戦闘中に瞑想などでHPを回復させることで、平日に休憩するロスを減らすことができます。
ただし、土日スウラ狩りを続けていると、オーバーワークという病気のような状態になってしまうことがあるため、注意しましょう。
集中ドリンクで効率アップ
集中ドリンクのメリットは、訓練の効果が2倍になることはもちろんですが、パラメータのマイナスが無くなるという点です。
これにより、訓練が純粋にメリットだけとなるため、効率が非常に上がります。
ただし、毎週飲んでいると「中毒」という状態になってしまうため、常用をしばらく続けた後は、2週間に1度の使用にしましょう。
隔週程度の頻度であれば、中毒にはなりませんでした。
途中、チェコの薬イベントを利用するのも良いでしょう。
魅力を上げるのは最後の仕上げ
ジュピキタシアと武器(デュランダルくらい)で上がる分の魅力で、デスペレナと戦えるくらいになるはずです。
デスペレナを余裕で狩れる腕力・頑丈さになったら、最強の剣・シンデレルを狙って、百合の花を買えるようにお金稼ぎを頑張ります。
魅力は、多くのエンディングの分岐条件に関わっているため、調整しやすいように、上げるのは最後まで残しておくのが便利でしょう。
集中ドリンク込みなら、1週間で80程度上げられる計算になるので、15週ほどあれば、限界まで上げられるでしょう。
大体、これくらいになれば、各種ラスボスを余裕で倒せる強さです。
こういうデータを一つ用意しておけば、エンディング回収が楽になります。
戦闘のコツ
・攻撃の基本は無心円舞
知力が999で習得できる無心円舞は、MP消費無しに4倍攻撃ができます。
攻撃をする際は、これ以外は基本使いません。
・大神速
ボスが回復などをしてなかなか削れない際は、大神速を使用します。
大神速は消費MPが多いので、20ターン効果が持続するスピードイチゴなどの方が便利かもしれません。
・ストレスを活用する
訓練においては効果が下がるストレスですが、戦闘では基礎攻撃力が上昇します。
ボス戦の前などは、敢えてストレスをマックスにしておくことで、非常に楽に戦えることもあります。
ストレスの効果は、地味にオープニングでしか教えてもらえないので、盲点になりがちです。
訓練以外では、街中で「噂を聞く」を選べば、ストレスだけを上昇させやすいです。
・敵の回復を超えて畳みかけろ
本編のラスボスは、HPがある程度減ると「癒手」や「瞑想」などで回復します。
ある程度HPを減らしたら、こちらも耐性を整えた後に、大神速やスピードイチゴで畳みかけましょう。
面倒であれば、お金はかかりますが、「奥義封殺」を習得すれば割と楽には戦えます。
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コメント
あら、これまたリメイクされてたんですね。
ザっと見て覚えてる限りではトシンとクテルシィが名前変更なしでしょうか。
グラフィックは以前の方が好みでしたが…… 気が向いたらプレイしようかな。 紹介有難うございます
(HNも作品から取ってたり)
コメントありがとうございます。
リメイク前の方が、絵柄としてはライトで可愛らしい感じでしたよね。
ゲームのシステムやインターフェースは強化されて快適になっているので、もしよければプレイしてみてください。
ソフィアシリーズもリメイクされると嬉しいですね。
とりあえずエンド埋めましたー。 止めろ親友頬を赤らめるな(ルーカス以外の女性向けは触っておらんのだよ!)
称号は埋めるの無理ですわこれ。 連打が秒間11回位しか反応してくれない……
なんやかんや今回の絵も好きになれた気がします。 1作品目のほっそいファクにそれっぽい装備で伊達男させるのも好きでしたが(2作品目のストーマとかロイスと直接戦える辺りが一番好き)
ソフィアも無印から壱にリメイクされましたからセーフセーフ。 QO時代の選択肢が2×2しかなかったホラーゲーリメイクされないかな……
クリアおめでとうございます。
エンド埋めただけでもご立派だと思います。
自分は途中で満足してしまったので・・・
ソフィア壱ってすでにリメイク後だったんですね、知りませんでしたので驚きです。
一番手間取ったのが各エンド条件を揃え、能力値を上げ切った後の約20週間をどう飛ばすかだったのは内緒です。 休養連打も今作能力落ちるから何もしないをくれ……
町でうろつくのもわりと楽しいですよ。 そこまでパターンはありませんが
「そこにあるもの」だ、タイトル思い出せました<ホラーゲーっぽいの MMとかパロ作品っぽいのとか、楽しかったなあ
ソフィア弐のシナリオ増設途中辺りでノルス分のシナリオを足した感じですね<無印との違い
ぶっ潰せと同じで検索するとまだ新旧どちらの画像も出るかも