ブリーフ&トランクスと言えば、非常にコミカルな歌を歌うことで有名な、2人組のアーティストです。
僕も学生時代に友人に薦められ、かなりハマッてしまいました。
「青のり」「さなだ虫」「コンビニ」などが代表作です。
そんなブリトラですが、一度解散してしまい、しばらくは伊藤多賀之さんのソロ活動が続いていました。
しかし2012年に再結成され、今に至るまで曲を作り続けています。
再結成後の曲について、紹介しているサイトが少ないように感じたので、今回記事を書いてみようと思います。
余談ですが、公式ホームページの「プロフィール」をクリックしたら、ウィキペディアに飛ばされたのは笑いました。
ブリトラ道中膝栗毛(2015年3月25日)
オダギリ的人生ラジオA
このアルバムは、「オダギリジョージ」というラジオ司会者が、ブリトラから届いた新アルバムをラジオで全部流してしまう、という形を取っています。
そのためこのトラックは歌ではなく、オダギリジョーの声真似をした伊藤氏の語りが収録されています。
似ているかどうかはわかりませんが、良い声をしているのは間違いありません。
発砲スチロール
ふわっとした和やかな歌と思いきや、発砲スチロールをこするのが好きな彼への愛が段々冷めていく歌です。
最後の『発泡スチロールの98%は空気で出来ている 僕の愛の密度みたいだ』という歌詞の切れ味はさすがブリトラだと思います。
洗濯機
間奏のキャッチーなメロディが耳に残る格好良い曲です。
洗濯機、その他の家電などをまともに使えない彼女をディスっています。
途中ラップのような早口もあり、最後の怒涛の勢いはカラオケで歌いたくなること間違い無しです。
メラメラスクリーム
終始裏声で歌い続ける曲です。
不安げな気持ちにさせるメロディーが非常にクセになります。
残念な彼女たちの衝撃エピソードを公開し続ける内容です。
ブリトラの曲は、奇特な彼女を歌った曲が多いですが、このアルバムは特にそんなのばっかりな気がします。
下痢気味
弦楽器が重厚な雰囲気を醸し出している曲です。
エコーのように繰り返される「下痢気味」という言葉が妙なリズムを生み出しています。
ズッキーニ
リズミカル&コミカルな雰囲気で、面白い響きの食べ物にツッコミを入れる歌です。
ズッキーニ、ニョッキ、ムケッカと、怪しげな名称の食べ物がたくさん出てきます。
僕は「ムケッカ」はこの歌で始めて知りました。
別売りの悲しみ
「別売り」で悲しい思いをした、あるあるネタを歌ったものです。
誰でも似たような経験があるだろうという共感を呼ぶ歌です。
オダギリ的人生ラジオB
ラジオの体裁を取ったトラックその2です。
最初のトラックに引き続き、架空のパーソナリティ「オダギリジョージ」が引き続き紹介を続けます。
番組途中に入るCMを模した謎の宣伝や、ファンからの手紙を読んだりするコーナーがあります。
このアルバム聞いていると、そんなにオダギリジョーを知らなくても、「こういう喋り方なんだろうな」と思ってしまうのが怖いところです。
水族館
勢いがあって印象的なメロディーの間奏が特徴的な歌です。
歌詞も早口で勢いがあるため、つい口ずさんでしまいます。
水族館に来た人たちが、みんな一様に同じ反応なのを揶揄しています。
このアルバムの中ではかなり好きな曲で、おすすめです。
渋滞37キロ
スウィングさせた弾みのあるリズムに哀愁の漂うメロディーを乗せた曲です。
女性目線で、渋滞で尿意を我慢する辛さを歌っています。
「ああ もれ(ちゃうよ)」と「Amore(アモーレ)」を掛けた言葉遊びなどが楽しい一曲です。
最後の効果音からすると、最後は漏れてしまったのでしょう。
引きこもリズム
初期の楽曲「かたくり粉」に似た雰囲気で、淡々と歌い上げます。
リアルな内容で、聞く人の心を抉ってきます。
変わりゆく街で
稀にある真面目な曲です。
いつも「今度はどんなコミカルな歌なんだろう」と身構えて聴くので、真面目な曲だったのだと気付くのは結局最後になってしまいます。
禁断の恋唄
タイトルの通り、報われない恋のパターンを題材にした歌です。
曲調自体は勢いがあってコミカルなので悲壮感は無く、コメディードラマのような雰囲気です。
ついつい口ずさんでしまいそうなメロディーばかり作るのは、本当に凄いと思います。
ホルモンを飲む瞬間
ソロのアルバムでも収録されていたと思います。
なかなか噛み切れないホルモンを通して、彼女への愛を歌います。
焼肉デートの曲とも呼べますが、僕はホルモンは苦手です。
マザーコンピューター
母との親子の絆を歌った歌です。
いつも不意に涙腺を揺さぶる歌が来るので参ります。
オダギリ的人生ラジオC
ラジオパートその3。
「お湯」のCMのあと、お別れと共に「せき オダギリMIX」という曲が流れます。
「咳」を楽器のように使う、かなり前衛的な曲と言えます。
ブリトラ依存症(2016年3月2日)
さなだ虫~リターンズ~
ブリトラの往年の名曲「さなだ虫」が、アルバムのオーバーチュアとして蘇ります。
聴き始めたファンに、さあ始まるぞという気持ちにさせてくれます。
ケータイ依存症
現代人特有の病とも言える、ケータイ(スマホ)依存症を題材にした明るめの歌です。
ケータイに対して警鐘を鳴らすとかそういうものではなく、依存している人を面白おかしく歌う内容です。
共感できる内容が多く、「なんだ 番号変更メールか 本当にお手数だよ」というフレーズが好きです。
幻の宝
亡くなったおじいちゃんの遺産を探して、親族が醜く家中を引っ掻き回す歌です。
伊藤氏自身、こういう体験をしたのか創作なのか分かりませんが、ストーリー性に溢れた内容です。
最後は良くありがちな終わり方ですが、僕はハッピーエンドでよかったのだと感じます。
パチンコ
パチンコに依存する危険な状態の女性を歌った、短めの曲です。
ブリトラがお得意の、単語の区切り方で下ネタワードを言いたいだけの歌です。
「まんげつ」程のセンスは感じませんでしたが、小学生には大ウケしそうです(褒め言葉です)。
良くなくない?
この後に紹介する「逆に」と通じる所がある歌です。
曲のノリと共に、サビのフレーズの語感の良さで聞いていて気持ちよくなります。
ブリトラの、歌詞そのものの音(おん)を利用して音楽を作り出す技法は、かなり良くなくない?
雑草のうた
むしられるだけの雑草にも命があるんだ、という内容の歌・・・に見えますが、草むしりが嫌なのに屁理屈をつけているだけにも解釈できます。
最終的には雑草に侵略されているところが、ホラーのようにも感じられます。
曲自体は穏やかでポジティブに聞こえます。
独裁政権
部活の3年生での横暴を歌っています。
ここでも擬音によるリズムが惜しみなく使われており、抑圧された内容の歌詞なのに、軽妙な雰囲気を作り出しています。
「松下さん(カズくん)」を告発する曲にも感じます。
思えば昔、「となりの柳橋」という曲もありました。
サラリーマン
聴いている人間の心を抉ってくる歌です。
勤め人であれば共感できる部分は多いと思います。
この曲に共感できるような大人になりたくなかったという意味では、嫌いな曲の一つです。
剃毛
ブリトラは実体験をもとに歌を作っていることが多いと前から思っていたのですが、この歌もおそらくそうでしょう。
実体験でないのなら、誰が「剃毛」を題材に歌を作るのでしょうか。
ロック風の勢いがある曲で、毛を剃られる体験を赤裸々に歌い上げます。
月とワンルーム
ブリトラには珍しく、細根氏が作曲・作詞した歌です。
らしくもないふわふわした愛を、しつこいほど韻を踏む歌詞で歌います。
タイムカプセル
割と真面目な内容を、飾らない歌詞で歌います。
シンプルなギターサウンドで、流れ落ちるようなメロディーが奏でられます。
後半は決意を新たにしたのか、メロディーが新しく展開していって完結します。
悪魔の家
特異な彼女について歌うシリーズの曲です。
不安をかきたてるヘビメタ風な歌で、劣悪なゴミ屋敷の惨状を歌います。
叫び声などのエフェクトが効果的に使われ、恐怖心を煽ります。
最後に取って付けたように「彼女のことを愛してる」と言っていますが、どう考えてもヒモです。
ガーゼ
やさしい歌詞と雰囲気の曲です。
独特の視点で、大切な彼女を守りたいという内容を歌います。
まんげつ~ブリトラバージョン~
ソロで出していた衝撃作のブリトラバージョンです。
アコースティックなサウンドだった原曲とは違い、ロックバージョンとなり雰囲気は変わっています。
原曲の方が歌詞が強調される作品でしたので、そちらの方が「らしい」と思います。
手のひらを満月に(2017年5月17日)
へーへーへー
何を言っても無関心な彼女のことを歌った曲です。
後半、どんどんエスカレートしていくので、彼女の冷たさが際立ちます。
アルバムの最初にふさわしく、ノリが良くオススメな曲です。
初めての飛行機
これもノリがよいサウンドの曲で、「ずんば」のようなAメロで始まります。
飛行機へ乗る際の作法について、先輩に騙された思い出でもあるのでしょうか。
ベタベタハウス
マナーがなっていない友達のことを歌った曲です。
子供の頃のエピソードかもしれませんが、色々な人がいる小学校時代などではあるあるです。
奇跡のアレ
タイトルでは「アレ」と言ってくれているのに、曲の中では連呼しているじゃないかという歌です。
逆に
今回イチオシの曲で、歌詞の内容にも共感しました。
耳に残るイントロのメロディーから始まる、疾走感がある曲です。
確かにこういう口癖の人いるよな、と思います。
大寝坊
非常に疾走感がある曲で、誰でも一度はこういう経験をしたことがあるのではないでしょうか。
寝坊したときは妙に頭が冷静で、時間を逆算で計算したりします。
急いでいる雰囲気が良く出ています。
途中、オッフェンバッハの「天国と地獄」のモチーフが使われたりしており、伊藤氏がクラシックにも造詣が深いことが窺えます。
虫女
曲はロマンティックな大人の雰囲気が漂うバラードです。
「石焼イモ」のような歌い方で、メロディーも非常に叙情的です。
それなのに題材がこれという、そのギャップで意表を突かれる曲です。
ジェットコースター
その名の通り、ジェットコースターに乗ったまま歌うという状況を模した、実験的な意味合いが強い曲です。
ブリトラの、従来の発想に囚われない曲作りは面白いなと思います。
教室のパンツ
先生の鋭い推理が光ります。
悪いことをしたわけではないのに、こういうのって言い出しにくいものですよね。
チンポジ
そのまんま、色々な状況でのタイトルについて楽しく明るい雰囲気で歌います。
ベルか何かの楽器の「チンチン!」という音が、歌わずとも歌詞を表現しており面白いです。
好きな子と話す16の方法
硬派な雰囲気のヘビメタ風の曲なのに、小賢しい手段をアドバイスしまくるギャップが、妙なおかしさを生んでいます。
後半の方法はレベルが高くなって行き過ぎて、全然参考になりません。
ソロ曲の「生活の知恵」に通ずるものがあります。
袋とじ
ちっぽけなことについて、壮大に展開して歌っていきます。
僕は週刊誌の袋とじを開けた経験が全然ないので良く分かりません。
ズドドン
重厚な雰囲気で、色々な「ズドドン」を題材に扱います。
同じ一つの言葉から、色々なパターンを創造できるのが凄いなと思います。
合いの手のように入る「ズドドン」のセリフが、小気味良いリズムを生み出しています。
同窓会
「虫女」のように、奥行きのあるメロディーで、同窓会あるあるを歌います。
月日が経つことの残酷さを感じます。
これまた誰にでも一度はある経験だと思います。
散々同級生のことをディスっておいて、最後に無理やり綺麗なことを言ってまとめようとしていますが、無理があります。
月の裏側~ブリトラバージョン~
ソロの曲をまたブリトラでカバーした曲です。
やさしいギターの音色に、真面目な内容の歌詞を乗せて歌っています。
個人的に好きな曲まとめ
さて、曲数も多かったので、駆け足で紹介してしまいました。
最後に、今回紹介した中で僕が特に好きな曲を挙げさせてもらいます。
基本的に、テンポが速めで耳に残る特徴的なメロディーの曲が好きです。
あと、早口な歌詞があると聞いていて楽しいです。
もし興味があれば、ぜひ聴いてみてください。
初めてならハマるかもしれません。
・洗濯機
・メラメラスクリーム
・水族館
・良くなくない?
・へーへーへー
・逆に