目次
前書き
2024年10月に行われた宅地建物取引士資格試験(以下、宅建試験)を受験して、無事に合格することが出来ました。
去年も受けたので受験自体は2回目です。
僕が今までやってきた資格勉強の中では一番長い期間に渡って勉強したことになるので、大きな達成感がありました。
今回の挑戦で得られた学び等を記録しておこうと思います。
受けようと思った経緯・目的など
そもそも、なぜ宅建試験を受けようと思ったかというと、理由は複数あります。
まず一つ目は、今働いている会社で資格手当が給与に加算されるからです。
現在の業務で宅建の知識を使うことはほぼ無いのですが、月に数万円プラスされるというのは魅力がありました。
そして二つ目は、今後の自分のキャリアにおいて選択肢が増える等のプラスがあります。
現状、転職したいという希望があるわけではありません。
しかし我慢ならない状況に陥った時に、心身を壊してまで同じ職場に留まる必要はないので、その時の選択肢を増やす意味で意味があると思います。
三つ目に、法律関係の勉強は割と好きだということがあります。
学生時代、法律は学んできたことなので、分かりにくい言い回しにもそれなりに馴染みがあります。
そして最後に、周りに一目置かれるようになりたいという自己承認欲求もあったと思います。
こういった資格を持っていると、社内で関係が深くない相手でも「何だか凄そう」と思ってくれるパターンが多い気がします。
仕事の名刺に取得した資格を載せられるので、顧客に対してもハッタリが効き、信用を得やすいというメリットもあるかと思います。
俗っぽい理由が多いですが、しかし「目標に向かって努力して達成する」という経験は、何物にも代えがたい達成感が得られますし、自信にもなります。
これまでの経験上、目標が困難であればあるほど、達成したときの喜びは大きかったです。
以上のような複数の目的で勉強を始めました。
学習期間・学習時間について
勉強を始めた時期は、2022年11月ごろです。
その頃に挑戦していた資格を無事合格できたため、今回の宅建試験に移りました。
宅建の勉強を終えたのが2024年10月ということになるので、だいたい丸2年勉強していたということになります。
勉強方法としては、テキストと問題集を1冊ずつ購入し、問題集を何周も解くということがベースです。
資格試験に慣れている人は、いきなり過去問からやり始めることをオススメしているケースが多いと思います。
問題を実際に解き、分からない場所をテキストで確認しながら読むと、単にテキストを読むよりも頭に入っていくのは確かです。
しかし僕自身の好みとしては、まずはテキストを一通り読み、出題範囲を大まかに把握しておきたいという気持ちがありました。
そのため、どの資格試験でもまずはテキストを買って、一通り読んでから問題集に進むようにしています。
このとき全てを理解しようとして精読するのではなく、あくまでざっくり読んでいくということが大事だと思います。
内容によって、不思議と頭にすんなり入って来る項目もあれば、全く入ってこない項目もあります。
頭に入ってこない部分は、他の部分を読み進めることで後から理解しやすくなる可能性があるため、とりあえず放っておくことが大事だと思います。
一度通読すると「この試験は大体これくらいの範囲なんだな」と大まかな把握できるので、勉強の終わりが少し見えてきます。
終わりが見えてくると、その後の計画が立てやすく、モチベーションも上がるかと思います。
ただし、あまり理解できない状態でテキストを読み進めていくことが苦痛で、モチベーションの維持が危ぶまれる場合は省略しても良いかと思います。
僕自身は経験上、一度通読する効果がわかっていたので耐えられたのですが、耐えられない場合は無理せず問題集から入れば良いと思います。
ここでテキストを通読する行為は、畑全体をとりあえず耕すようなイメージです。
省略して、後で種を蒔くところだけ耕すという方式でも良いのでしょうが、どこにたくさん種を蒔くのか分からないので、とりあえず全体を軽く準備しておくような意味合いです。
1日に勉強した時間は、平均すると大体30分~1時間くらいだと思います。
学習状況によっては、15分~30分で終えることもあります。
時間で決めていたというよりは、どこまでやるかだけを決めていた感じなので、10分で終わる日はラッキーと割り切って終わっていました。
あまり長時間続けて勉強しているわけではありませんでしたが、必ず守っていたことは「勉強時間が0分の日を作らない」ということです。
気分が乗らない日や疲れている日であっても、必ず少しは勉強を進めていました。
試験直前期は、不安から何時間も自然と勉強していた気がします。
何の勉強でもそうだと思うのですが、こういった勉強は習慣化していくことがとても重要だと思います。
1日でもサボってしまうと、その後も理由をつけてサボってしまう日が発生します。
疲れているから、昨日多めに勉強したから、体調が悪いから等々、やらない理由はいくらでも作れます。
しかしそこをグッと堪えて、何とか無理やりにでも習慣化すると、勉強することが当たり前になり、勉強時間を取らないと逆に不安になってしまいます。
こうなればしめたもので、1日に何ページ進めるか決めてしまえば、あと何日で1周終わるのかが見えてきます。
1日にたくさん勉強すれば良いというわけではなく、自分の集中できる時間を把握し、負担にならない時間から始めていけば良いと思います。
少し物足りないと感じるくらいが、継続していく上では大切かもしれません。
ちなみにですが、僕の1回目の挑戦(令和5年の試験)では、自己採点35点で不合格でした。
受かるかどうか確信がない状態での挑戦でしたが、一応勝負できる水準まで持って行けたことは良かったと思います。
しかし、合格ボーダー付近の点数だと合格発表までずっとモヤモヤした気持ちになってしまうため、次の挑戦では、余裕をもって合格できるくらいまで仕上げたいと強く決意しました。
7割を目指しても6割くらいになるのが人間ですから、9割を目指せばいけるだろうという考え方です。
原動力となった力は、一度落ちた悔しさや怒りといった負の感情が大きいです。
あんな気持ちはもう味わいたくない、もう1年勉強はしたくない、と思いながらやっていました。
繰り返しになりますが、効率よく最小限の勉強で合格したいと考える方にとっては、本記事の勉強法はやや過剰な内容となっていると思います。
あくまで、参考程度にお読みください。
学習方法について
使用した教材
宅建の勉強に予備校や通信講座などは使用していないので、基本的にはテキストとネットで勉強しました。
何を使用したのか、具体的に書いていきます。
テキストは宅建学院の「らくらく宅建塾 基本テキスト」、問題集は「らくらく宅建塾 基本問題集」の2冊を使いました。
1年目はTAC出版の「みんなが欲しかった!」シリーズを使っていたのですが、個人的には前述の宅建学院の方が学びやすかった気がします。
特に宅建学院の基本問題集は、その分野の知識を定着させるようなオリジナルの問題集なので、結構ツボを押さえた内容になっているような気がしました。
何冊も違う問題集を買うのではなく、1冊をやり込むことがとても大事だと思います。
その他に利用したのは、宅建試験ドットコムです。
過去問データベースとして圧倒的な量で、過去年度の試験を模試として解く際に非常に有用でした。
分野別で重点的に学習できるようUIが整っていますし、選択肢ごとに正答率・誤答率が判ったり、関連項目へのリンク機能が豊富なのが嬉しいところです。
過去問学習、統計問題対策では特にお世話になりました。
ここより過去問が揃っている教材は無いと思うので、単に過去問を集めているだけの問題集を買う必要はないと思います。
オリジナル問題を集めた問題集(前述の『らくらく宅建塾』など)であれば買う価値はあると思います。
宅建関係のYouTubeチャンネルも、最近では非常に多く存在し、とても有用です。
ただし、全てを動画で学ぼうとすると時間がかかり過ぎますし、時間効率は良くないと思います。
メインはテキストベースで学習し、理解しにくい苦手分野に絞って、別角度から理解を深めるために利用するのが良いかなと思います。
イメージしづらい部分を視覚的に説明してくれる場合があるため、利用する価値は大きいと思います。
個人的によく使っていたのは「棚田行政書士の不動産大学」です。
覚えにくい箇所を、強い言葉や極端な言葉で、脳に残るよう工夫してくれています。
他は、ちょっとした息抜きに「たくだん」というPodcastをラジオとしてよく聴いていました。
通勤時間や移動時間などに「動画は観づらいけど聴くくらいなら…」という方にとてもお勧めです。
宅建試験対策ど真ん中という番組ではありませんが、宅建試験に関わる話題について、様々な角度から楽しめます。
勉強が大変でダレてきた時期に聴いていると、だんだんとモチベーションが上がってきます。
大げさに不安を煽ったり、安心させようとする宅建YouTuberと違い、受験者寄りの目線でフラットに話してくれている媒体は貴重だと思います。
LINEのオープンチャットでは同じ試験仲間が大勢いるので、独学で勉強している人でも寂しくなくなるのではないでしょうか。
投稿したお便りを読み上げられたこともあるので、聞いていると「あ、losspassやんけ!」となるかもしれません。
自分だけでモチベーションを上げるのが難しい場合は、予備校等を活用するのも手だと思います。
しかし、予備校に行けば合格するというものでもないので、自分に合ったやり方を考えていくのが良いでしょう。
特に、家では誘惑が多く勉強に集中できない人もいるかと思います。
図書館やカフェを使うのも手ですが、そこでないと勉強できない体になってしまう恐れがありますし、時間やお金が勿体ないです。
そこに向かう移動時間があるのなら、その移動時間の分だけ問題を多く解く方が良いわけなので、結局は、家で勉強できる習慣を作るのが最強だと考えています。
可能であれば、まずは5分だけでも家で学習できるよう慣らしていくと、ライバルに差をつけられると思います。
具体的な勉強法(あくまで自分の場合です)
テキスト1周読破を目指す
まず最初は、テキストを1周読むことを目指します。
習慣作りのため嫌にならない程度に、毎日大体15分~20分くらいしか勉強していませんでした。
集中が途切れてきたと感じるタイミングで、かつ切りの良いところで終了していました。
1章ごとだとページ数が多いので、章の中の1節ごとで切っていたこともあります。
逆に、気分が乗って面白いと思ったときは、多めに読み進めることもあります。
ただし前述したように、毎日継続するという習慣作りがとても大事だと感じています。
「明日の分も先に勉強して、明日は休もう」という考え方はお勧めしません。
また前述のとおり、テキストを読み進めていくことが苦痛な場合は、次の項目に進んでください。
問題集を2周解くことを目指す
テキストを1周読み終えたら、問題集に取り掛かります。
(前述したように、ここから始めても良いと思います)
僕の場合は毎日必ず6問解くと決めて、集中して解いていました。
問題集に解けたかどうかのチェック欄があるので、必ずチェックを記入します。
このチェックをテキストに蓄積させていくことで、自分が得意な問題・苦手な問題のデータになるので、必ず記録するようにしていました。
何周も解くことを想定しているので、問題文に線を引いたり、あれこれ書き込みをするのは避けました。
色々書き込むと、たくさん勉強した気になり、それだけで満足してしまう場合があります。
間違えたところは何故間違えたかをチェックし、解説文で理解できなければテキストの該当箇所を必ず読むようにしていました。
3周目は苦手箇所を潰していく
問題集の3周目は、2回連続で確信をもって解けた問題はひとまず飛ばします。
そして正解数が0~1回の問題のみを解いていきます。
この3周目で、苦手箇所については、徹底的に理解するつもりで臨んでいました。
特定の分野が苦手であるなら、テキスト・YouTube・宅建試験ドットコムを利用し、ピンポイントにに潰していきます。
問題を6問ずつ解いていくというペースは乱さずに、その6問に関連することを別媒体で肉付けしていきました。
問題を解く時間は10分程度ですが、その問題の関連項目の確認等に20~30分費やしていたのではないかと思います。
ちなみにですが1年目はこの段階で試験日が来て、35点で1点足らず不合格でした。
合格チャンスはあったと感じるだけに、とても悔しい思いをしました。
しかしこの悔しさが2年目のエネルギーになったと思います。
4周目~5周目は定着確認
問題集の4周目~5周目を解く際は、全て正解を目指していきました。
3回続けて正解できている問題は、とりあえず理解できているとみなして飛ばしていました。
それ以外の問題については2~3回目と同じように繰り返しました。
間違えた問題の中で定着していない知識はノートなどに簡潔にまとめておくと、苦手な場所を個別に復習する際に便利です。
たまに、「問題集を何度も解いていると解答を覚えてしまうから意味がない」という意見を耳にすることがあります。
確かに、正答の番号という意味のない数字を暗記しているのなら意味はありません。
しかし、その正しい選択肢の文を覚えているのなら、そこに書いてある事項を暗記していることになります。
丸暗記は結構大変なので範囲を絞らないと僕はキツいのですが、問題を何周も解いていく過程で自然と覚えられる分には楽なので、実はそれこそが問題集周回の狙いだったりします。
一定期間過ぎた後に、正解した問題でも再度解くことで、より記憶を強固に定着させられます。
過去問による模擬試験の活用
問題集の4~5周目と並行して、年度別の過去問を解くことにチャレンジします。
宅建試験ドットコムに、過去20年以上の問題と解答・解説があるので、これを解き始めました。
ここでは、1問ごとに答え合わせをするのではなく、本番と同じように50問を一気に解き、試験形式に慣れることを重視していました。
ここで大事なのは、学習達成度の確認・苦手分野の洗い出し・試験への慣れです。
まずはフラットな状態で全問解いて、どれくらい時間がかかるか把握しておくことはとても大事です。
他は、曖昧に記憶している箇所や、消去法で2択まで絞れるものの、正解に辿り着けない箇所も把握して、確実に潰していきます。
採点時には、どういう理由で間違えたのか把握することが重要です。
単に記憶が曖昧なだけなら、このあと覚えれば良いので全く問題ないです。
しかし意外と厄介なのが、問題文の見落としや勘違いによる間違いです。
宅建業法では、「自ら貸主となり」とか「買主の宅地建物取引業者Aが」という単語が、早とちりしやすいワードのトップ2という気がします。
この辺りを読み落とす癖がある場合は、知識不足以上に厄介かもしれません。
こういった勘違いで痛い経験をすれば、だんだん注意力が高くなると思います(自分がそうでした)。
また、誤りが書いてある選択肢であれば、誤っている箇所に線を引き、正しくはどうなのか書き込んでいました。
何が間違っているかを正確に答えられるのなら、逆のことを問われる問題が出来たときにも対応できます。
僕はこの段階まで、苦手な丸暗記を出来るだけ避けてきたのですが、どうしても定着しない部分に関しては、腹をくくって真剣に暗記しました。
暗記方法については、オリジナルの語呂合わせや、自分で絵・図にまとめて画像として思い出す、ということをやっていました。
それと、問題を解く順番は非常に大事だと思います。
僕は、宅建業法→免除問題→法令上の制限→権利という順番で解いていました。
最初から時間がかかる権利と解いてしまうと、得点しやすい後半の宅建業法等が疎かになってしまうため、宅建業法を先に解いておくことをお勧めしたいです。
僕は最後の権利に取り掛かる段階で、残り時間は50分ほど残っているペースでした(残り14問)。
過去20年分くらいの試験を解き、それぞれその年の合格点くらいとれるようになってくると、モチベーションが上がってくるのではないでしょうか。
過去問を模試形式でやり始めたのは、試験2か月前くらいからでした。
一応、当時の合格点を割ったことはないくらいまで仕上げられていたので、気持ち的には落ち着いてきました。
統計問題・民法改正で削除された問題を除いての点数なので、1~2点のハンデがあっても合格点を取れていると考えれば、より気楽になりました。
過去問を解く目的は、実際の試験の体感を掴むということと、自分の苦手分野を発見するということのためです。
答える際に迷いが生じる分野や、知識の定着が曖昧な問題は、伸びしろがあるポイントです。
そこの苦手意識が無くなるよう徹底的につぶしていけば、実力が向上していくと思います。
宅建ドットコムでダウンロードできるpdfの問題用紙であれば、専用ビューアーやEdgeなどのブラウザ上でもそのまま書き込みできます。
いちいち紙に印刷しなくても、解くのに支障はないと思います。
誤りだと思う場所に線を引いたり、曖昧なところに「?」マークを付けるなどして書き込んでおくと、どうして間違えたのか採点時にわかるので役立ちます。
直前1~2週間前
この辺りまで来ると、苦手なところよりも、得意なところの復習を行うのが良いと思います。
得点源となる宅建業法のおさらい、直前で記憶が残りやすい法令上の制限、統計問題あたりをさらっていくと良いと思います。
民法は直前でじたばたしても即効性がありませんし、どうせ解けない問題が出てくるという意味で、気にしない方が良いと思います。
それよりは必ず出題される借地借家法・区分所有法などに絞って、よりブラッシュアップしていくのが良いでしょう。
本試験
本試験で大事なのは、「ちゃんと理解できているところを落とさない」だと思います。
解ける知識を持っているはずなのに、引っ掛けや見落としで失点するのは勿体ないです。
よく見かける決まりきったような問題文でもしっかり目を通し、正しいものを選ぶのか誤っているものを選ぶのか、線を引いて確認しておきましょう。
あと、全く知らない問題が出てきたときは、慌てないことが大事です。
その肢の正誤はみんな分からないのだとすれば、その肢は正解の決め手とならない場合が多いです。
その他の選択肢をよく読み、消去法で確定できないか諦めず読み込みましょう。
最後に、見直しの時間を必ずとっておきましょう。
すべて見直すことは難しくても、宅建業法の問題だけでも見直すと良いです。
迷った問題よりも、サクッと解けた問題の方が見落としがある確率が高いので、そちらを優先的に見直すことをお勧めします。
僕は見直しで3問ケアレスミスを発見して回答を変えて、結果的に2点プラスになりました。
きちんと気付けたのはラッキーでしかありませんが、これは見直した人間にだけ与えられる幸運だったと思います。
解き終えた後は何も考えたくない気持ちになると思いますが、最後の瞬間まで粘ると何かご褒美があるかもしれません。
各分野の勉強の方針
点数配分の考え方
宅建試験は50点満点です。
合格点は、おおよそ34点~38点ほどで推移している印象ですが、過去最高の合格点である38点を取ることが出来れば、ひとまず安心と言えます。
この38点を目標にするのが良いと思います。
宅建業法で18点取れれば、その他の出来が並くらいでも、だいぶ楽になります。
最低でも16点が合格ラインで、これより低いと他で挽回することが難しくなると思います。
権利関係が得意であれば他で楽が出来ると思いますが、出題内容が読めないため、権利関係で他と差をつける戦略はやや難しいと思われます。
※僕が受けた際は、自己採点で、権利関係12点・宅建業法19点・法令上の制限5点・税その他3点・免除問題5点でした。
宅建業法でよく得点できたため、やや失敗した法令上の制限をカバーできました。
権利関係は、運よく難問以外はしっかり得点できました。
権利関係
短期的には点数が伸びない分野なので、勉強開始時から継続的に理解を深めていく必要があると思います。
法律系特有のわかりにくい言い回し・用語について馴染みが無い場合は、拒否反応に我慢して向き合う必要があるでしょう。
丸暗記というよりは、論点ごとの大原則を覚えて、それをきちんと個別事例に適用できるかという点が重要だと感じました。
凄くテクニカルな問題が出るわけではありませんが、出題範囲が広いので、知らない分野が出たら常識で解くことも重要です。
「もしこのAの主張が通るなら、たくさん悪いことが出来てしまう。頭の良い人たちが作った法律がそれを許しているとは思えないので、これは誤り」みたいな考え方をすると、割と解きやすいのではないかと思います。
あと、若干メタ読みっぽい解き方ですが、以下の文章の赤線部のように、親切に理由を説明している選択肢は間違いであることが多いような気がします。
いかにもそれっぽい理由を書いて説明し、引っ掛けてやろうという感じがします。
これが正解肢であるなら、赤線部はごそっと抜いて書いている気がします。
他にも「~場合がある」「~ことがある」という慎重な言い回しは正解のことが多く、「~ことはない」「~しさえすれば」という断言系は不正解の場合が多いと思います。
色々書きましたが、とりあえず権利関係はこのような感じです。
定番テーマの過去問をしっかり押さえておけば、半分以上の7点~10点くらいは十分狙えると思います。
宅建業法
扱われる題材はほぼ決まっているのですが、基本的な問題・応用問題・引っ掛け問題と、問われ方のバリエーションが多い分野です。
かなり細かい数字も正確に記憶しておく必要がありますが、やった分だけ報われる分野だと思います。
同じテーマの問題でも、過去問と微妙に違う聞き方をされるので、きちんと正確に理解しているかが重要です。
どの分野が出ても得意だと思えるようにまで勉強すると安心です。
法令上の制限
重要数字と用語の暗記をしておけば、安定して点が取れる分野だと思います。
都市計画法・区画整理あたりはふわっとした内容ですが、ふわっとした理解で割と得点できます。
国土利用計画法・開発許可・宅地造成等規制法辺りは、数値の暗記と正確な適用が出来れば安心です。
建築基準法も、やはり暗記がモノを言う分野で、ハマる人はハマって楽だと思います。
税・その他
問われる項目は大体決まっているので、過去問を抑えておけば大丈夫だと思います。
所得税は結構ややこしいところがありますが、数値とルールを覚えれば問題ないです。
印紙法はクセがありますが、個人的には好きな分野でした(絶対課税されたくない企業側と、絶対課税してやる国側の攻防のようで面白かったです)。
不動産取得税と固定資産税辺りは混同しやすく、引っ掛けてくるので、雑に覚えるのではなく丁寧に整理して覚えたい箇所です。
課税主体、免税点、課税標準、税率など、それぞれ自分で表にしておくと分かりやすいです。
免除問題
統計問題は直前期に傾向だけ抑えれば十分だと思います。
数値もざっくりとは覚えておくと安心ですが、直前期にYouTubeの対策動画をいくつか見ておけば良いと思います。
広告関係はちょっとだけルールを覚えておく必要があります。
新築と呼べるのは何年前かとか、徒歩は1分何メートル、名称が使えるのは直線距離何メートルかとか、数字が絡む部分は覚えておく必要があるでしょう。
それ以外は、とにかく消費者に優しく接すれば大丈夫だと思います。
その他の工法・土地は常識で解けると思います。
常識で解けない問題は、他の人も解けず差が付かないので問題ありません。
オリジナルで語呂合わせを作った部分やその他もろもろ
最終的に力技で暗記した箇所について、一部だけ記載していきます。
「らくらく宅建塾」の語呂合わせは、自分には馴染みにくいものがそこそこあったので、ある程度は自分で作ったりしていました。
37条書面
「頭部菌ジジ(イ)退会、ローソン式タンタン(麺)危険(だ)ぜい」
①頭→当事者の住所氏名
②部→物件の表示
③金→お金関係(代金・支払いの時期・支払い方法)
④ジ→物件の引き渡し時期
⑤ジ→移転登記の申請時期
⑥退→(構造)耐力上主要な部分等の状況について双方が確認した事項
(ここまでは定めが無くても記載する必要的記載事項。ここの区別の精度は上げておきたい)
(以下、定めがある時だけ記載する任意的記載事項。)
⑦会→(契約)解除に関する事項
⑧ロー→ローン(金銭貸借)の斡旋を定めた場合の、貸借不成立の措置
⑨ソン→損害賠償額の予定・違約金
⑩式→敷金等(代金以外に授受される金銭)の額・授受の時期・目的
⑪タン→(契約不適合)担保責任履行措置
⑫タン→(契約不適合)担保責任の内容
⑬危険→天災等の危険負担
⑭ぜい→租税の負担
用途地域
用途地域は結構大変ですが、面白い所なので頑張って覚えたいです。
だんだん建てられるものが増えていき、商業地域をピークに減っていくイメージです。
何が建てられるようになるかは、前後との差で覚えました。
特に語呂合わせは無いです。
①一低:閑静な住宅街、一番制限が厳しい
②二低:150㎡以下の店舗OK
③田園:上に同じ、農業要素プラス
④一中高:「中」規模(150㎡超~500㎡以下)のお店OK+小さい車庫OK、人が少し集まってもOKなので、大学・病院・高専OK
⑤二中高:「高」規模なお店(500㎡超)OK
※「高規模」は変な日本語ですが、「一中高」という用途地域名と関連付けて覚えました。
⑥一住:さらに人が集まってもOKなので、教習所・ホテル・ボーリングOK
⑦二住:さらにうるさくしてOKなので、パチンコ・カラオケOK
⑧準住居:道路沿いなので自動車関係解禁・小さい自動車修理工場、大きい車庫、営業用倉庫OK(車とかトラックに関係ありそうな建物をイメージ)、小さい映画館OK
⑨近隣商業:大きい映画館OK、10000㎡超の商業施設OK、中規模修理工場OK
⑩商業:最強、キャバレー・ソープOK
(ここから減っていくものと増えていくものがある)
⑪準工業:隠れ最強、キャバレーは良いけどソープは禁止、工業地域ということで大規模自動車修理工場解禁。
⑫工業:空気が悪いので教育系・病院系・ホテル系×、キャバ・映画館・パチンコ×
⑬工業専用:工場・倉庫系は全て○、カラオケ程度の娯楽はOK、教習所もOK、図書館と住宅系はダメ。
※宗教・銭湯・診療所・保育所は、そこで働く人のためにどこであっても必要。
北側斜線制限
北川景子は○→北側計5→上から5番目まで適用
(つまり①一低~⑤二中高まで適用)
隣地斜線制限は、北側斜線制限の逆で3つ、覚えていました。
(つまり①一低~③田園まで適用外)
避雷針とエレベーター
三菱製エレベーター→3つびしエレベーター→31m超え
避雷針はもう一方のほう(20m超え)
上手い具合にに語呂合わせが作れなくても、何とか作ろうと、色々こねくり回していると、結果的に記憶できる場合があります。
どうやったら覚えやすいか、自分なりにカスタマイズしましょう。
どうしても覚えられないことがある場合は、それに関わる問題を自分で作成してみましょう。
同じ勉強仲間がいる場合は、その問題を出し合うことで知識の定着に役立ちます。
今回、僕はそういった仲間はいませんでしたが、経験上、かなり有用な方法だと思います。
余談ですが、権利関係の根抵当権は、最後まで腑に落ちなかった項目で、終盤では捨ててました。
建築基準法における、前面道路の幅員からの容積率計算なども捨てました。
終わりに
宅建試験の勉強を始めてから終えるまで、一通り書き記しました。
これくらいやると、これくらい点数が取れるんだなという、ひとつの指標になれば幸いです。
僕はおそらく、短期記憶が苦手で、中~長期記憶が得意なのだと思います。
そのため、何かを覚えるのは遅いのですが、一度覚えてしまえばなかなか忘れないという特徴があります。
短期記憶が得意な人は、試験が近付いてから暗記項目に力を入れるというように、自分に合った戦略を採るのも重要だと思います。
今回の勉強方法は、資格勉強であれば使える方法だと思うので、今後も役立てていこうと思っています。
今後取っていきたい資格はいくつかあるので、せっかく身に付いた勉強の習慣を引き続き続けていきたいと思っています。
最後に、試験勉強を見守ってくれた家族には感謝したいと思います。
勉強を免罪符にして家庭を疎かにしていたつもりはありませんが(当社比)、おそらく色々気を遣ってくれていただろうと思います。
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