SRPG Studioで作成された、フリーの長編シミュレーションRPGです。
昔、シミュレーションRPGツクール95で作成された「魔法少女」のリメイク版とのことです。
同作者のSRPG Studioでの作品「Heartium」が非常に楽しめたので、今回この作品を手にとってみました。
クリア時間は約40時間です。
(僕は難易度「リアル」で75時間でした)
新説魔法少女
新説魔法少女+ 難易度:パラレル(アドレナ戦記)紹介・攻略・感想
目次
ストーリーなど
街を襲う謎の怪物からみんなを守るため、猫型の宇宙人に力を与えられて戦っていくというお話です(嘘は言っていない)。
シミュレーションRPGにしては珍しく、現代が舞台です。
キャラクターはほぼ全員が中学生で、「魔法少女」という看板に偽りはありません(一部男性もいますが)。
「魔法少女」といっても、ファンタジックな内容のストーリーではなく、SFに近いです。
超常現象に見えるだけで、フィクションと言えども、きちんと論理付けがされているのは、面白いと感じます。
登場人物たちも聖人君子ではなく、子供らしくワガママなところがあり、リアルな人間の生々しさが等身大で描かれています。
一部メンタルお化けなキャラクターもいますが・・・
このあたりの、キャラクターをひとりひとり掘り下げていくシナリオに関しては、非常に丁寧に描かれています。
登場人物がどんどん増えていきますが、決して使い捨てにするわけではなく、ちゃんと関係性が描かれて、生き生きとしてます。
「Heartium」もそうでしたが、物語そのものが非常に魅力的で、つい先が気になりプレイしたくなります。
本ブログで紹介しているゲーム系の記事まとめ
ハードな展開や内容はありますが、全編通してドラマティックで惹きつけられます。
伏線回収や理由付けなどもしっかりなされており、作者のきっちりとしたこだわりが窺い知れます。
戦闘パート
戦闘パートの感想
さて、戦闘パートですが、オーソドックスなシミュレーションRPGです。
序盤は常にフルメンバーで戦うわけではなく、大体はそのステージで指定されたキャラクターで戦います。
みんなそれぞれ学校に通っているわけですし、メンバーが都合よく全員揃っている状況などはあまりありません。
最初は数人で戦闘が始まり、ターンが進むにつれてメンバーが揃っていくことも多いです。
その辺りがリアルですし、様々なシチュエーションで戦うことになるため、戦闘パートのマンネリ化をうまく防いでいると思います。
素早い攻略が求められるステージはメンバーを分けざるを得ない場面があったり、強敵の出現や敵ユニットの配置なども、作者のこだわりが見られます。
後半はほぼフルメンバーで戦うことが多くなります。
誰を育てても損をすることはないバランスなので、変に育成を考えず、攻略に集中できます。
シミュレーションRPGとして総合的に考えて、大変よく出来ていると感じます。
序盤の戦法
基本は、回避率が上がる地形効果の場所で待つ戦法で問題ないでしょう。
ただし、敵の攻撃を回避することが少ないゲームバランスなので、集中攻撃を受けない位置取りが大事です。
メンバーが分断されている場合は、分断されているメンバー同士をまず近づけて、そこから迎撃しましょう。
鉄則は「反撃されない間接攻撃で削り、直接攻撃でトドメを刺す」ことです。
ゲーム内のヘルプでは、序盤の追加技能はサブ・ヒールなどの回復手段がおすすめされていますが、間接攻撃できる「サブ・フレア」「サブ・アイス」などをオススメします。
回復手段の確保は大事ですが、反撃を受けない攻撃手段を持っていれば、そもそも回復の必要はありません。
射程が1しかないキャラに優先的に装備させることで、敵からの間接攻撃も反撃できるようになり、殲滅力が上がります。
中盤の戦法
人型が出てきてからは、対応できる攻撃手段がある千代子と遥の価値が上がります。
この二人以外でダメージが通るのは琴音の技くらいです。
二人で削って瀕死になった人型を、琴音などでトドメを刺すといいでしょう。
ほか、敵ユニットの数が増えてきますので、集中攻撃を受けないように敵の攻撃をコントロールする必要がありますので、千代子の挑発を有効活用しましょう。
具体的には、まず待ち戦法などを使い、近づいてきた敵を間接攻撃などで削り、削った敵にトドメを刺しにいきます。
そうやっていると、トドメを刺しに行くユニットが、自然と突出気味になると思います。
そのまま突出したユニットを放っておくと敵ターンで集中攻撃を受けてしまいます。
そこで、何体かの敵ユニットの攻撃範囲に挑発状態の千代子を配置し、千代子が攻撃を2,3体分引き受けられるようにします。
そうすれば、突出したユニットが5体分の攻撃を受けるはずでも、千代子に2,3体は引き受けてもらうことができます。
この際、千代子を突出させすぎると、すべての攻撃が千代子に集中してやられてしまうので注意しましょう。
オートヒールのススメ
人型が出てくるころから、MPというリソース管理が大事なゲームになってきます。
MPを消費する場面は多いですが、回復させる手段はほとんどありません。
そのためHPを回復できる回数も有限なので、やはり「無駄なダメージを受けない」ことが大事になってきます。
気楽に攻略したいプレイヤーの場合は、できるだけ「オートヒール」を購入すれば、快適に戦っていけることも付け加えておきます。
特に敵が「待ち」タイプなら、こちらのペースで回復を待ちながら進軍させることができます。
千代子・琴音・梢・真央・栞(前線に出る機会が多く、反撃を受けることも多い)、葉子・七海(あれば嬉しいが、移動力が低めで前線に出にくいので、前者よりも優先度は下がる)
後半の戦法
基本的には、オートシールドを持った真央を先行させ、HPと守備力が高めなキャラ(葉子、梢、唯、七海など)を回りに配置し、前線を作ります。
このときに突っ込みすぎて、多くの敵から攻撃を受けないように注意しましょう。
マップ上に、相手の攻撃範囲を表示させる設定にしていれば、よりわかりやすいです。
その前線の少し後ろに、長めの射程を持つユニットを追従させ、前線が反撃で削った敵にトドメを刺したり、これから前線が進むあたりの敵の体力を削りましょう。
射程の長い敵ユニットに対しては無理して突っ込まず、こちらも遠くから強力な長距離攻撃で効率的に倒していくことも重要です。
ボス用にMPを温存することは大事ですが、温存しすぎてしまうと、かえって殲滅スピードが遅くなり、余計なダメージを受けてしまいます。
また、強力なボスに対しては、囮を利用して攻撃を逸らしたりするなども有効です。
MPを使い切ってしまったユニットや、そのマップ限りのゲストユニットは最大限に活用し、そちらに攻撃を引きつけられるように配置しましょう。(少し可哀相ですが・・・)
キャラ使用感
(「中盤」=15話以降くらいのこと、「後半」は仲間が全員揃うころ)
*各キャラの詳細データは、公式ホームページを参照してください。
千代子
タフで自動回復もあるため、反撃を気にせず切り込めるが戦力としてはパッとしない。
挑発でのおとりとしては有用。
中盤で氷核を覚えてからは人型対策の鍵。
後半は使い勝手の良い射程1~3の技、範囲が広く高威力で使いやすいMAP兵器など、使い勝手が格段に上がる。ただし守備力は高くないため、集中砲火に注意。
最終盤は高威力で消費なしの光牙、ボス即死の超光など、やることが多い。
遥
ヒーラーと思いきや、レイガンの射程と威力が強力。
間接重アタッカーとして有用。
中盤も強力な間接攻撃、人型に有効な攻撃持ちと重要な存在に。
後半はタフで前線に出られるエースに。ただしMPを消費する技はボスに費やしたいところ。
朱莉
打たれ弱いが火力はぼちぼち。
サブ系を装着して、プチ削り役・トドメ役に使いたい。
中盤、範囲攻撃を覚えてからは稼ぎやすくなり、ビームを覚えてからは火力も十分になり化ける。
後半もボスのトドメ役、雑魚敵のまとめ焼きなど、何かと有用。
七海
アーマーナイト。
アクアガンを習得すると、移動力の低さも多少補えて使いやすくなる。
中盤、後半共に、安定した戦力になる。
ただし移動力が低く、必殺技がボスに届きづらいため、ボスキラーとしては向かない。
前線で攻撃も回復もできる何でも屋。
梢
キャラとして好き。
近接アタッカーで、MPが切れても火力は高い。
それほど打たれ強くは無いので突出に注意。
中盤、射程が2あるランスを覚えてからは、さらに使い勝手が良くなる。
後半はボスには決定打を与えられないが、前線で戦い続けられる、燃費の良い銀将。最終盤は射程1~3の大技も習得し、ボスにも十分通用する。
リリー
殴れるヒーラー。力もありトドメ役にもなれるので、前線にいても大丈夫。
範囲回復、戦闘不能回復なども覚えるため、重要度は高い。
朔也
回避高めのアタッカー。
射程が1~2あるので、それなりに戦える。
MPが尽きやすいが、無くなってもそこそこ殴れる。
中盤・後半では、どうしても守備が低いため、イマイチ前線に出し切れず、前線一歩手前の運用が多くなる。
攻撃力・移動力は高いため、打ちもらした敵の処理役か。
香
アーチャーとしてポチポチ削る役。
中盤、音の槍を覚えてからは、良い削り役に。
最後まで一貫して運用は変わらないが、削り役としてやれることは多い。
忍
近接状態異常アタッカーで、火力はそこそこ。
梢に近い運用が吉か。
中盤、~砲を覚えてからは射程も伸びるが、消費も多いので注意。
超電磁砲でボスにも対抗できるようになる。
葉子
近接も間接も回復もこなせる万能ユニット。
前線の中心で活躍できる。
中盤以降も強力な攻撃を覚え使いやすい。
移動力がやや低いのが玉に瑕。
後半もタフさを生かして、ダイヤモンドソードで殴り続けられる。
琴音
高い機動力と、長い射程・そこそこの火力で、遊撃アタッカーとして優秀。
オートヒールとの相性は抜群で、敵陣をかき回しても安心。
中盤も厄介な敵の駆除役として有用。
後半は火力不足になってくる場面もあるが、最後まで使える。
伊万里
序盤は特殊な運用が必要で、扱いにくい。
飛行形態で、琴音のような遊撃として運用が吉か。
中盤、そこそこ近接攻撃も強くなってくるが、打たれ弱さが気になる。
後半、覚醒してからは一気に主力になる。高威力で射程が長いヒューマンビートの使い勝手がよく、強敵、ボス相手にも十分戦える。
唯
射程が長いが、火力はイマイチなワープパンチでどうしようかなと思っていたところ、アクセルスマッシュを覚えてからは、タフで火力も高い前衛として活躍。
中盤・後半も安定したステータスの高さで、強敵に対しての切り札になる。前線で活躍させたい。
ひより
射程が長くそこそこの火力もある重アーチャー。
ただしMPがすぐなくなるのと、移動力が低いのでやや使いづらい。
クレーンで突っ込みすぎた味方を引き上げるなど便利は便利。48話で一番活躍できる。
祐樹
何でもできる万能キャラ。
各属性持ちで射程もそこそこ、回復もこなせるため、やれることは多い。
中盤・後半は火力不足になり、せいぜいライトヒールをかける役に。
月菜
クセが強く、運用がしにくい。
射程3のロケットパンチで、削る役か。
中盤、ケミカルサンダーを覚えると固い敵にもそれなりにダメージが通るように。
後半、オールレンジアタックなどそこそこ強い技は覚えるものの、中途半端な存在に。
最終盤はボスにも通用する高威力の技を習得する。
真央
周りのユニットの防御力を上げる能力のお陰で、常に前衛でみんなの中心にいる役。
攻撃手段もそれなりにあるため、これまた使い勝手が良い。
どんどん先行させて、真央中心に前衛を展開させたい。
コスト無しのシールドソーサー、コストありだが射程3のフリーズソーサーなど、使いやすい。
中盤・後半まで活躍できるので、早めに改造を5段階まで上げて、オートシールドを強化したい。
ボスに有効な技は少ないため、守り役と割り切ろう。
テロメア
基本的には、人型対策に温存しておきたいキャラ。
打たれ弱いので注意。
長距離の必殺技が使い勝手が良いため、居れば必ず役に立つ。
すべてMPを消費する技のため、継戦能力は低め。
加音
蒼穹のファフナーに出演していた気がする。
戦力としてはあまり期待できず、使いどころが難しい。
中盤で、射程2~4の技を覚えてからはそこそこ戦力に。
後半でも基本的には打たれ弱いため、中列あたりに居ることが多い。
最終盤で強力な技を習得するが、ボスへの決定打としてはいまひとつ。
もか
高威力のレールガン、射程重視のコフィンと、使い分けしやすい技を持っている。
前線に居たいが、耐久に注意。
後半、ホワイトパロラマを覚えればボスにも対抗できる。
米子
千代子の氷核、遥のフォトニックRBで削った人型のトドメ役にちょうどいい。
雑魚相手は逆に難しい。硬い木型、魚型などには有効。
後半まで、ボス相手に安定したダメージが期待できる。
高威力の技が射程1のものしかないのがネック。
栞
間接攻撃は岩石投げ頼みだが、タフなので前線に安心して出せるのが強み。
中盤・後半と、力に頼る戦い方になりがちなので、パッとしない。
ただしMPが自然回復するため、技を使用しやすいのは長所か。
琥珀
打たれ弱い回復役。
一応間接攻撃もできるが、本当にかなり打たれ弱いので注意。
開放念花はボスへの大技に利用すると効果が大きく、非常に有用。
後半まで使える重要な技なので、早めに改造を進めて習得しておきたい。
小夜
万の能力と被る部分が多い。
とは言え、長い射程があるわけでもなく、打たれ強くも無いため、使いづらい印象。
地形を無視して移動できるため、祐樹よりは使いやすいかも。
玲奈
射程が長いシューター役。
狙撃弾の射程が長く非常に有用で、弾丸はこれだけでも良いくらい。
回復弾と核弾頭があると、いざというときに役に立つ。
居なくても困らないが、居るとそこそこ役に立つ。そんな立ち位置。
要
ファイアーエムブレムシリーズで言うダンサー枠。支援特化ユニット。
味方を再行動させる能力が、雑魚相手にもボス相手にも有用で、最後まで使える。
MPを回復させる専用アイテムも使えるので、替えがきかない重要ユニット。
感想まとめ
シミュレーションRPGとしても、SFノベルとしても、どちらも高品質なゲームだと思います。
王道的なものが好みでしたら「Heartium」の方が、よりオススメです。
しかしこのゲームはこのゲームで「まどマギ」のような、不穏な雰囲気が溢れて、物語の展開にワクワクします。
後半は非常に熱い展開もありますし、プレイヤーの期待に応えられる作品だと思います。
ストーリー、ゲーム性、どちらも重視する人に、ぜひオススメしたい作品です。
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