今回はアトラスのRPG『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(以下、本作)について、ネタバレ要素無しのプレイ感想を書いていきます。
Steam版(PC)でプレイしました。
クリア時間は1周目で約90時間でした。
攻略サイトを参考にしながら、全コープMAXでクリアしました。
目次
前書き
プレイのきっかけ
本作をプレイしたきっかけは、Steam版が販売されたからです。
本作が2016年にPS3用のソフトとして発売されたときは、PS3本体を所持していませんでした。
本作のためだけにハード本体を購入することを躊躇っていたため、いつかプレイ出来たらいいなと思いつつ、ずっと購入せず時間が過ぎ去っていました。
『ペルソナ3』・『ペルソナ4』はどちらもプレイしてハマったので、本作も面白いのだろうとは思っていました。
しかし社会人になってからフリーゲームやインディーゲームをプレイすることが多くなり、それで十分楽しめていました。
また、プレイ時間がかなり長そうなので、クリアする余裕があるのだろうかという不安もありました。
こういった事情もあり、気にはなるが手を出せていない状況でした。
そんな中、2022年10月に完全版とも言える本作がSteamで販売されはじめました。
これにより、ハードを持っていないという最大のネックが解消されたため、あとはプレイする時間を確保できるかどうかという問題だけになりました。
年末年始が近いということもあり、何とか一気にプレイできそうだという見通しが立ったため、購入することに決めました。
PC版とは言え、さすがにキーボードではプレイしづらかったので、ゲームパッドを購入しました。
実はこれまでフリーゲーム等を遊ぶ時は全てキーボードで事足りていたのですが、今回ようやく購入することにしました。
据え置き機のコントローラーを握った感触はPS2以来でしたが、本当にPSをプレイしている感覚で遊ぶことが出来ました。
余談ですが、Steamは今まで本体が無いためにプレイを断念してきたコンシューマー向けソフトが充実してきたので、今後ちょくちょく手を出す機会が多くなりそうです。
特にSteamには『バイオハザードRE:2』『グノーシア』『レイジングループ』などずっと気になっていた作品が多いので、本作を購入したことにより、歯止めが効かなくなるのが怖いです。
ゲーム概要
ゲームの概要についてはあまりくどくど説明せずに、さらっと述べるだけにします。
・現代の東京を舞台にしたRPGです。
中世やファンタジックな異世界が舞台ではありません。
・人の精神世界の中に入り、精神の歪みが具現した存在と戦っていきます。
RPGにおけるバトルが発生するのは、この精神世界の中でです。
戦闘相手となる敵は、精神の歪み「シャドウ」と呼称されます。
・主人公たちは「ペルソナ」という心の力で戦います。
ペルソナは誰でも使えるわけではなく、本作では現実へ抗う反逆の心に目覚めた者だけが使うことが出来ます。
ペルソナ使いでなければシャドウと戦うことが出来ません。
なお、主人公だけはペルソナを複数所持することができ、敵のペルソナを奪ったり、所持ペルソナを合体させることで、新たなペルソナを生み出していくことが出来ます。
・日常では学校生活を中心にコープ活動(協力者との交流)を行い、様々な人間関係を育んでいきます。
ゲームの進行や色々な場所に訪れることで、様々な出会いやイベントが発生します。
このコープ活動の進展により、様々な恩恵が得られ、攻略に有利になっていきます。
・まるで自分が生活しているような没頭感を演出するグラフィック、BGM、演出などが魅力です。
東京の渋谷を中心に、実際の街をモデルにして作られているため、この辺りに住んでいる人にとっては特に馴染みやすいのではないでしょうか。
戦闘におけるエフェクトやBGMなど、爽快感を感じさせるものが多く、プレイヤーにストレスを与えないよう配慮されています。
大まかなゲームの概要は以上です。
実際のゲーム画面が気になる人は、公式サイトなどで確認してみてください。
感想(ネタバレなし)
総合的には、文句なしに楽しめました。
プレイスタイル
どのようなプレイスタイルで本作に臨んだか書いていきます。
本先は、一部のデータを引き継いで2周目プレイができます。
しかしただでさえクリアするのに時間が掛かることがわかっていたため、1周で様々な要素をコンプリート出来るようなプレイを心掛けました。
具体的にはコープ全MAXを目指して、攻略サイトを見ながらガチガチのスケジュール通りにプレイを進めていきました。
僕は本来、1周目は自由気ままにプレイすることが多いのですが、今回は1周でなるべく堪能できるようにプレイしました。
窮屈なプレイではありましたが、その分、自力では発見できないようなイベントをかなり見ることが出来たので満足でした。
またDLCとして、最初からかなり強いペルソナを呼び出すことが出来るのですが、これは使わないようにしました。
ただ、DLCで入手できる多数のアクセサリーは利用しました。
ゲームバランスを壊すような性能のものではなく、少し楽になるくらいなので、まぁ良いかと思いました。
ストーリー
王道的なジュブナイルものという印象で、とても楽しかったです。
僕自身、年齢を重ねてしまったせいか、少し恥ずかしく感じてしまうセリフ等はありますが、決して嫌なわけではなく、昔プレイしていた時の感情が蘇ってきた気がします。
これだけ豪華にビジュアル面が整備されているので、ストーリー面であえて奇をてらう必要などないのだろうと思い知らされました。
事前情報など全くなしにプレイしていたので、誰が仲間になるかも知らずに、驚きながら楽しめました。
ペルソナ4はミステリ的な要素で物語を牽引していきましたが、本作でもサスペンス的な要素が織り交ぜられており、先へ先へとプレイしたくなります。
ご都合主義的な展開はありますが、そもそもリアリティを前面に押し出している作風ではないですし、テンポが良いので文句はありません。
戦闘
戦闘は、スタイリッシュな演出を重視しており、爽快さを感じるものでした。
仲間との掛け合い、連携攻撃、総攻撃でのフィニッシュによるカットインなど、何度も見たくなってしまう演出が豊富で楽しいです。
これまでのシリーズ同様、敵の弱点を突けばどんどん再行動していけます。
弱点を突けるスキルをサーチするためのショートカットキーや、仲間への行動順を受け渡す「バトンタッチ」など、システムが進化していると感じます。
敵もこちらの弱点を突くと再行動してくるため、油断しているとすぐゲームオーバーになってしまうシビアさもあります。
しかしゲームオーバーになっても、その戦闘を即リトライすることも可能で、親切な設計です。
また、戦闘難易度自体もプレイヤーが選択可能なので、この辺りは大胆な改善だと思います。
ライト層から戦闘民族のプレイヤーまで、幅広く対応していると感じます。
戦闘が多いといちいち戦うのが大変ですが、味方AIに任せてもかなりストレスなく行動してくれるため、頼りになると感じます。
弱点を突けるときは容赦なく突いていきますし、自分が突ける弱点が無くなると、味方にしっかりとバトンタッチしてくれます。
初見の敵で、何が弱点なのか判明していない場合は、色々な属性の攻撃を試してくれますし、マニュアルで指示しなくても良い場面がほとんどでした。
ボス戦は、独自のギミックが多く、飽きさせないような工夫が多くなされていました。
初見殺しは少ないので、油断しなければ一部のボスを除いて、ほぼ初回で撃破できると思います。
後半になればなるほど有用なスキルが揃ってくるので、プレイヤー側の戦法がワンパターンになっていく気がしますが、特に大きな不満ではありません。
ダンジョン攻略
ダンジョン攻略は、ややダレてしまう印象が多かったです。
どのダンジョンもそこそこ長丁場で、ギミックも本質的には似たようなものが多く、段々と飽きてきます。
ただ、普通のプレイであれば何日かに分けて行うダンジョン攻略を、一気にクリアするというプレイスタイルだったため、そう感じてしまったのかもしれません。
ダンジョンごとに見た目や雰囲気がガラッと変わるので、視覚的な部分で飽きさせないように努力していると感じます。
本編で探索するダンジョンは、自動生成のランダムマップというわけではないので、延々とそういうものが続いていた従来のシリーズに比べると、かなり頑張っていると思います。
また、特定のコープ活動を進めれば敵を瞬殺できるアビリティが入手できます。
格下の雑魚敵との戦闘を省略できるので、こういった部分でストレスは減らそうとしているのが良くわかりました。
ストーリーの都合上、一つのダンジョンをクリアしてから次のダンジョンまで、かなり間が空くときがあります。
バトルがメインのRPGとは趣が異なるので、アドベンチャー寄りのRPGだと思います。
ガンガン戦闘をしていきたいプレイヤーにとっては、少しもどかしいところがあるかもしれません。
ゲームシステムなど
ペルソナ周りについて
ペルソナ関連については、今までのシリーズ通りで特に不満はありません。
複数合体でペルソナを創り出すとき、既に登録があるペルソナなら、いちいち呼び出してから実行しなくても、一気に呼び出して合体してくれる仕様なのは快適でした。
スキルの引継ぎについても、分かりやすくて良かったです。
ただ、やはり1体が所持できるスキルの数が多くないので、そこが少しストレスではありました。
しかし少し足りないくらいでなければ、複数のペルソナをチェンジできるという能力が生きてこないので、これは仕方のない部分なのかなと思います。
1体強いペルソナがいればそれで十分というのは、確かに面白味に欠けると思います。
やっぱり敵によって色々なペルソナを使い分けるというのは、主人公っぽい戦い方で格好いいですし、仕方のない部分かなと納得はしています。
コープ関連
イベントを先へ先へと進ませたくなり、かなり熱中しました。
対象のキャラクターと仲が良くなればなるほど、攻略に役立つスキルが手に入りますし、そのコープ属性のペルソナを生み出す際にボーナスEXPが貰えます。
ですので、仲良くなっていくモチベーションが常に保てるので、早くランクを上げたいという気持ちになります。
1回コープ活動を行うと貴重な自由時間を消費することになるので、やりたいことが多いジレンマを感じました。
コープ活動内イベントの選択肢によって好感度の上昇値が変わり、今回ランクアップするかどうかに関わってきます。
1回の活動時間の重みが大きいので、選択肢を間違えるとかなりのロスになってしまいます。
失敗したくないがために結局攻略に頼ってしまうので、どの選択を選んでも必ずランクアップする仕様の方が気楽だったかなと思います(月や太陽のコープ活動は選択肢の良し悪しに関わらずランクアップするものも存在します)。
また、対象コープ活動と同じ属性のペルソナを所持していると好感度の上昇値が増えます。
これも所持ペルソナの枠を圧迫することになるので、無い方が気楽だったと感じています。
「自由時間をロスしたくない → 必ずランクアップさせたい → 選択肢を間違えたくない、好感度上昇値を上げたい」という気持ちが間違いなく働くので、対象ペルソナを所持しないコープ活動はかなり損に感じてしまいます。
であれば、同じ属性のペルソナを持っていればより仲良くなれるというシステムは無くても良かったかなと思っています。
人間パラメータ関連
「知識」「勇気」「優しさ」など、最初は低いパラメータが、勉強や訓練によってどんどん向上していくのは、とても楽しいです。
コープ活動でも、このパラメータが一定以上要求されるイベントが多く、上昇させる甲斐があります。
特にプレイヤー=主人公という形で投影して遊んでいると、ステータスがどんどん上昇していくのは気持ち良いです。
ただ、あとどれくらいの行動で次のランクにレベルアップするかが明示されないため、ややプレイしづらく感じました。
現実でも数値化できないものなのでこの仕様が自然なのかもしれませんが、分かるようにしても良いのではと思います(不満というほどではありません)。
これは今作に限ったことではなく、『ペルソナ3』からの仕様なので、指摘するのは今さらかもしれません。
グラフィック・音楽
期待通りのグラフィックと音楽で、作品を盛り上げてくれたことは間違いありません。
グラフィックについてはスタイリッシュさを優先させているので、慣れないとメニュー画面が見辛い等あるかもしれません。
しかし、すべてを機能的にシンプルにする作品ではないので、シリーズ経験者である僕は気になりませんでした。
ペルソナに関するステータスは、従来通りの見やすさをを重視しており、いい意味で変わらない安心感を得られます。
バトルの感想でも少し述べましたが、演出が格好良く爽快なので、たとえ同じような戦闘の繰り返しになってきても飽きにくい工夫がされています(ずっと飽きないわけではありませんが)。
ボーカル曲を惜しげなく使用したBGMは本作でも健在です。
ボーカルを前面に押し出すというわけではなく、BGMとして成立する範囲で使っているという感じがしました。
『ペルソナ3』を初めてプレイしたとき、戦闘曲がボーカル曲だったのには驚きましたが、もはやペルソナシリーズはこうでなければ、というくらいの特徴になってきていると思います。
ゲームでプレイヤーを気持ちよくさせる要素は、ゲーム性だけではないということを強く思い知らされました。
あとがき
改めて、本作をプレイする機会に恵まれて、良かったと思います。
2周目に引き継げるものが多いので、かなり時間的には猶予ができます。
本当に自由にプレイできるのはある程度コンプリートした次の周回なのかもしれません。
最大10人と同時に恋人関係になれる本作『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』、気になった人はプレイして見はいかがでしょうか。
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