フリーのサスペンスADV『親愛なる〇〇へ』を製作された「皐月の夢」様の作品です。
SF的な設定を上手く利用したミステリー要素のあるサスペンス・アドベンチャーでした。
バッドエンドが3つ・ハッピーエンドが1つあり、全クリア閲覧までの時間は約1時間半でした。
ゲーム概要・感想(ネタバレ無し)
主人公・高校2年のイツキは親友のアカネと一緒に、10年後の自分を知るためのおまじないを寝る時に試してみることになりました。
信じていなかったイツキでしたが、その夜試してみたところ、なんと10年後の自分の体へと意識が入れ替わりました。
しかし10年後の自分は、なぜか燃え盛る小屋の中で、謎の男と手錠をかけられている状態でした。
ふと意識が途切れると、イツキの意識は元の体に戻っていました。
アカネにおまじないの結果を聞いてみると、なんと10年後の自分は死んでいるというのです。
なぜ10年後のアカネは死んでいるのか?
なぜイツキは燃える小屋の中にいたのか?
そして手錠で繋がれていた謎の男の正体は何なのか?
このような謎が提示され、物語が進んでいきます。
ゲームは、オーソドックスなアドベンチャーゲームです。
主に登場人物との会話と、マップ上の探索で物語を進めていきます。
途中で多少の謎解きやミニゲームはありますが、難しいものはありません。
また、途中の行動や選択肢によってエンディングに影響を与えるものがあります。
こまめにセーブを分けて取っておくと効率良く攻略を進められるでしょう。
本作で目を惹くのは、登場人物たちの美麗なグラフィックとイベントCGです。
個人的に絵柄が好みなので、可愛くて格好良いキャラクターたちを見ているだけでも目の保養になります。
また、イツキをはじめとして、個性ある人物同士の生きた会話も面白く、見どころの一つだと思います。
ミステリーというよりはSFサスペンスアドベンチャーという形ですが、ミステリーの醍醐味である推理シーンもあります。
一息でクリアできるくらいのボリュームの作品なので、物語が気になった人はプレイしてみてはいかがでしょうか。
テンポが良い作品なので、物語に引き込まれれば2時間ドラマのように一気にプレイしてしまうと思います。
エンディング条件等の攻略については、公式ページが参考になります。
それほど難しい分岐はありませんが、困ったら参考にすると良いでしょう。
感想(ネタバレあり)
この先は本作のネタバレが含まれています。
書いているネタバレ内容については本作についてのみとし、他作品である『親愛なる〇〇』に関わる内容は言及しないようにしています。
ご承知おきください。
さて、本作『ミライカガミ』をプレイして楽しませていただきました。
最初に見たエンディングは「Bad end3 変えられぬ未来」でした。
初回のプレイで手帳を拾った後、イオリ先輩に話しかける前に部長に話してしまい、返しそびれてしまったのが原因です。
これがエンディング分岐条件とは思っていなかったので、大団円っぽいエンドなのに未来が変わらないバッドエンドということで、逆にワクワクしました。
初回プレイでは、まさかこの犯人っぽい人がそのまま犯人のわけがないと警戒しており、それがそのまま犯人だったので、少し拍子抜けしてしまいました。
しかしこのBad end3を見て「そうそうそうだよね、こうでなくちゃあな」とさらにやる気が出てきました。
僕の推理では、見た目上の犯人はイオリ先輩で、真の犯人はイツキ自身だと考えていました。
動機は、イツキ自身もイオリ先輩に好意を寄せており、その交際の邪魔をするためというものです。
実際、10年後のイツキはアカネに対して『別れろ』という手紙を送っています。
また、イオリ先輩と付き合う相手が嫌がらせを受けるというのも、イツキがしていることだと推理していました。
結局、Happy endを見る限り、普通にイオリ先輩一人が犯人ということで終わったため、ただの深読みし過ぎということでした。
「皐月の夢」様の作品は絵柄が綺麗なのですが、恐ろしい描写も割と多く、心惹かれるポイントの一つです。
Bad end2でイツキが生きたまま埋められるシーンの一枚絵や描写は恐ろしく、かなりの絶望感がありました。
本作で一番好きなキャラは、主人公のイツキでした。
さっぱりした性格でなよなよしたところがなく、図々しかったり打算的なところがあったりと、変に気取っていない等身大の人物というイメージで生き生きと感じられました。
ムツミと事務所のメンバーたちも良いキャラクターをしているので、このメンバーが活躍する物語をまた見てみたいなと感じました。
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