今回は、ストーリーが面白かったアドベンチャーゲームの紹介をします。
「皐月の夢」様製作の作品で、タイトルは『親愛なる○○へ』です。
タイトルの意味は、到達したエンディングによって、全く異なるものとなります。
WOLF RPGエディターで作成されているので、文章をずっと読んでいくノベル形式のゲームではありません。
RPGのように歩き回って、人に話しかけたり、物を調べて謎を解いたりするタイプのアドベンチャーゲームです。
コンプリートするのに3時間くらいかかりました。
それほど長いゲームではありませんが、非常に楽しむことが出来ました。
分厚めの推理小説一冊分くらいのイメージでプレイすると良いと思います。
親愛なる○○へ
ゲーム概要
あらすじとしては、ストーカー被害に悩む女子大生・つかさが主人公の物語です。
不気味な嫌がらせが次第にエスカレートしていき、恐ろしい体験をすることになります。
文章を読んでいくだけのノベルゲームではなく、部屋などを探索する機会も多いです。
その際の行動や選択肢などにより、異なる展開やエンディングを迎えることになります。
別の人物の視点に切り替わり、そちらを操作する場面もあります。
謎解きなどもあるので、わからない場合は公式サイトで攻略記事を見ると良いでしょう。
エンディングについて(ネタバレ無し)
エンディングはgoodエンド,badエンド1,badエンド2という3種類があります。
主人公が恐怖を感じたときに蓄積していく「恐怖度」が上がると、badエンド2になってしまいます。
badエンド2は、謎が中途半端に明かされてしまう結末なので、最初のプレイではbadエンド1が見られるよう頑張りましょう。
当初本編だったというだけあって、badエンド1が一番しっくりくる内容だと思います。
GOODエンドは、ノーヒントではほぼ無理です。
事実上2周目以降でないと難しいでしょう。
2周目では、初回プレイ時には文章が無かった「主人公以外の心の声」が挿入されるようになります。
どうぜ同じ文章だろうと、読み飛ばさないほうが良いです。
途中の謎解きに関しては、自力で解けない場合は素直に攻略サイトを見ましょう。
本筋とはそこまで関係ないので、純粋にストーリーを楽しみたいのなら、自力で解くことにこだわる必要は無いと思います。
プレイした感想(ネタバレあり)
まず綺麗なグラフィックで、とっつきやすかったです。
そしてストーリーに関しては、見事に騙されました。
この人がストーカーかと思わせつつ、でも実は友人なのかと思わせつつ、さらに・・・と、捻りが効いていました。
さらに、弟関連の叙述トリックというか、ゲームならではのトリックは見事でした。
よくある二重人格オチかと思いきや、時間軸トリックだったとは思いませんでした。
badエンド1が、一番素直な流れで良かったです。
後味は悪いですが、普通はこのエンドになるかなと思います。
つかさのお通夜では、両親の言葉が胸に刺さります。
無辜の人が殺されてしまうのは、現実ではよくあることですが、辛いです。
goodエンドは多少ご都合主義なところもありますが、つかさが救われるためには、用意されていて良かったと思います。
じっくりプレイしていると、トリックを見抜くためのヒントが、色々と用意されていることに気付きました。
例えば、つかさの室内の写真の時間が昼間の時間帯になっており、別人格が深夜に撮影したのであれば、時間帯が異なるんですよね。
初回プレイ時にその違和感はありましたが、あまり深く考えなかったので、作者の仕掛けを見破れませんでした。
メインのトリックを中心に、騙されることも含めてとても楽しむことが出来ました。
とても面白かったです。
キャラクター感想(ネタバレあり)
・つかさ
知らないところで恨まれた挙句、殺されてしまう可哀想な女性。
一人で何でも出来てしまう出来が良い子だからこそ、あまり他人に頼るということを知らなかったのかなと思います。
goodエンドでは救われるので、そこは後味が良かったです。
もし小説で出版されるとしたら、badエンド1が一番良い筋立てだと感じます。
・冬真
ドラえもん好きでネズミが苦手というギャップ萌え要素がありますが、goodエンドルートでないとお目にかかれません。
ヒーロー役なのに、何となく影が薄い気が・・・
・志穂
ある意味、影の主人公と言えるかもしれません。
唯一幸せになれるルートはbadエンド2で、彼女の笑顔は必見です。
しかし風呂場の穴の仕掛けって、具体的にどんな仕掛けなんでしょうか。
窓から転落して、自分が刺さって死んでしまうのは、申し訳ないですが笑ってしまいました。
しかもフタまで作動してしまうという。
陸パートで起きる事実を変えないためには、確かに女性の死体が無いといけないのでしょうが・・・
居眠り中の友人から鍵を盗んで、講義中に鍵屋へ急行する行動力に乾杯です。
・阿宗
ある意味、かませ犬的なキャラクター。
彼のようなわかりやすいストーカー(候補)がいることで、冬真がストーカーかもしれない、というミスリードを誘い恐怖心を煽ります。
最終的に和解したらしいですが、つかさも心が広いものです。
・陽介
つかさの弟かのように登場。
ちゃらんぽらんな感じですが、陸と同じ大学に入学しただけあって、受験勉強は頑張ったようです。
お姉ちゃん想いの犬系男子。
badエンド2で幸せになって欲しいです。
・陸
つかさの男性人格かのように登場。
探偵役ということになります。
姉が行方不明になって日数が経っていないのに、すぐに調査のために来てしまう姉大好き系男子です。
ところで姉の部屋の鍵はもともと預かっていたのか、それとも部屋の鍵が開いていたのでしょうか。
陽介との後日談を見る限りでは、筋は通った考え方をしており、犯人の弟である陽介に、多少同情の気持ちは持っているようです。
姉が死んでいるbadエンド1だと、どういう接し方かはわかりませんが・・・
まとめ
色々とネタバレを含む感想を書きました。
プレーヤーへのミスリードが秀逸なアドベンチャーゲームだったと思います。
そこまで長い作品ではないので、興味を少しでも持ったら、プレイしてみることをオススメします。
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